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樋口一葉とは

樋口一葉は1872年東京の農家の娘として生まれた女性です。本名は樋口奈津。幼少期から利発な子で、物覚えの良い少女だったと言われています。満4歳10ヶ月で小学校に入学するも幼少のために退学。半年後に改めて入学しています。小学校では遊びよりも読書にふけることが楽しかったと「塵之中」にて記されていることからも、学ぶことを純粋に楽しんでいたようです。

高等科第四級を主席で卒業した樋口一葉は、しかし上級に進むことなく退学させられてしまいます。これは樋口一葉」の母が叙せに学業が不要と考えていたためで、向学心の高い樋口一葉としては非常に悔しかったのではないかと察せられます。その後は父の紹介で和田重雄のもとで和歌を習い、明治22年ころには小説を書く事を決意。明治24年ことには「かれ尾花」などの習作を執筆し、「闇桜」を発表。初めて原稿料をもらった作品は「うもれ木」でその後14ヶ月という短い期間、小説家として名作を執筆しました。

明治29年、「文芸倶楽部」に「たけくらべ」が掲載され、森鴎外から高い評価を得たものの、この頃の樋口一葉はすでに肺結核が進行しており、恢復が絶望的と言われていました。その年11月23日、丸山福山町の自宅で24歳の生涯を終えます。その早世を惜しんだ森鴎外は陸軍医総監森林太郎としての正装で騎乗にて柩に従う参列を打診したと言われており、森鴎外がどれほど樋口一葉の才能に惚れ込んでいたのかがよく分かるエピソードとして語られています。

樋口一葉作品の選び方のポイント2点

樋口一葉作品を読んだことがない方にとってはどの作品から読めば良いのか悩んでしまうのではないでしょうか。そこでここでは樋口一葉作品を選ぶ際のポイントをご紹介していきたいと思います。

ポイント1.文字数で選ぶ

樋口一葉の作品は短編が多く、読書の時間がとれないという方にも非常に適しています。樋口一葉の作品は短いもので1000文字程度と非常に短く、これは1分あたり400文字程度読み進める計算で考えると5分もかからず読めることになります。そのため、普段小説を読まないという方でも読みやすく、時間がとれない方でも通勤などの時間にさっと読めるため手軽に作品を楽しみたいという方には適しています。

また、長い作品では50000文字程度と一般的な長編小説と変わらない文字数の作品もあるので、長編小説が好みの方はこれらの作品から選ぶと良いでしょう。

ポイント2.読みやすさで選ぶ

樋口一葉作品を一度でも手にとったことがある方で苦手意識を持っているという方は、その古文のような独特の文体に苦戦したのではないかと思われます。樋口一葉の作品は日本語の美しさを堪能できる反面、現代文とはやや趣が異なるために読みにくく感じるというにはよく言われています。

そこで、初めて樋口一葉作品を手に取る方におすすめしたいのが読みやすさを重視して選ぶという選び方です。たとえば現代語訳されている作品であれば独特の読みにくさを感じず、違和感なく読み進めることができます。また、丁寧な解説が加えられているものも意味を把握しやすいのでおすすめです。

しかし、現代訳などの作品を一度読み、その雰囲気を好ましく読んだ方はぜひ樋口一葉が記した文章の方もぜひ手に取って見てください。訳や解説などで意味を分かった上で読めばその文章の美しさに改めて気付くことができますよ。

樋口一葉作品人気おすすめランキングTOP20~16

20位:すゞろごと Kindle版

0円

「すゞろごと」は1896年に「文藝俱楽部」で初出された随筆作品です。かねてよりほととぎすの声を聞きたいと願い、夜な夜な待ちわびていた甲斐あり望みが叶うと同時に、そのゆかしい声に古歌の世界を思い浮かべ、この風流を友と共有したいと願います。しかしその機会も得られぬまま数日が過ぎ、やっと訪れた共にようやくその喜びを伝えようとするとちょうどそこにほととぎすの声がして―。というすずろごとと風流を感じられる作品です。
まさにすずろごとで何ということもない随筆ですが、そこが良いのでしょう。それにしても明治のこの頃はまだこういう風情があったのですね。羨ましいです。

19位:月の夜 Kindle版

0円

「月の夜」は1140字で構成された短編であり、どこか詩的でもある作品です。月の夜に、家から見える景色に情緒を写し、何気ない景色がこの上なく美しき感じられるという内容で、彼女の感性、文章の美しさを存分に堪能できる作品です。非常に短い作品ながらも古文のような響きはすらすらと読むのには難しいですが、声に出して読むことでその美しい日本語の意味をなんとなく察することができるのではないでしょうか。
まあ特に意味のある内容ではないが個人的にこういう随筆が好きだ。枕草子のように何度読んでも飽きない。

18位:反古しらべ Kindle版

0円

「反古しらべ」もなんということのない日常を綴った作品です。兄の残した形見の話や父親の死などについて書かれていますが、おそらく大切なことはその中身、内容ではないでしょう。なんということもない日常の延長を美しい文体で切り取ることでどこか特別に感じられるのは、樋口一葉の持つ魅力と言えるのではないでしょうか。ちなみに反古とは書き損じの紙のことで、内容を読むとタイトルの意味も感じることができます。
何というものでもないが古典の好きな人には趣のある文章だと思う。ただ一葉は徒然草のようなあざとい物が好きな人向けではない。

17位:たけくらべ (集英社文庫)

396円

この作品は樋口一葉の代表作である「たけくらべ」とはじめとする3作品を細かな注釈を加えて本にしたものです。現代語訳と異なり、雰囲気を変えずに意味をしっかりと把握することができるので初めて読む方でも読み進めやすい作品になっています。樋口一葉の文章が読み進められないという方におすすめの1冊です。
表紙がとてもキレイなことも購入の理由のひとつです。
子供のころに読んだときには分からなかった機微が、今になって分かるのは少し嬉しい。
樋口一葉って、すごい。

16位:雪の日 Kindle版

0円

「雪の日」は「文藝界」で1893年に初出された作品です。珠という少女が伯母や故郷を捨て駆け落ちした珠という少女が、雪の降る景色を眺めながら悔恨を噛み締めるという内容で若い恋情の激しさ、そして向き合う現実感を記した内容になっています。一時の激情に駆られる想いはよくある話ですが、その後現実と向き合うという内容が、樋口一葉のどこか現実的な心情をうかがわせます。
恋の熱情の激しさとその後現実にあって冷めていく心持ちが端的に描かれている。樋口一葉という人はリアリストだと思う。

樋口一葉作品人気おすすめランキングTOP15~11

15位:別れ霜 Kindle版

0円

「別れ霜」は1892年4月「改進新聞」初出の作品です。呉服商の一人娘お高と許嫁である隣町の呉服商の松沢芳之助の恋模様を描いた作品で、相思相愛の二人がお高の父親の野心によって引き裂かれる悲恋の物語になっています。タイトルの「別れ霜」とは江戸時代からある言葉「八十八夜の別れ霜」という、立春から88日目に降る霜のことを言います。主人公である二人の別れを象徴する印象的な言葉です。
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