亡命は、迫害などを理由として第三国などへ逃れる事を意味します。亡命の理由として政治的迫害・弾圧によるものが多いが、宗教対立や民族紛争、経済的窮乏など、その他の理由によるものが含まれることもあります。クーデターなどの政変により国を追われた政治家や王族が他国に亡命したり、政治的抑圧から逃れるため、周辺国または亡命者の親族、保護者等が在籍する国など、亡命者の安全が確保できると思われる国に亡命するケースが主となっています。

生年月日：1890年4月29日
出生地：東京市赤坂
死亡日：1981年8月15日

湯浅八郎は、湯浅治郎・湯浅初子の5男で、京都帝大の農学部教授、同志社総長、国際基督教大理事長などを務めた人物です。
戦時中はアメリカへ亡命し、拘留された在留邦人や日系人を激励して回ったという記録が残っています。
終戦後は日本に戻り、同志社諸校の土台作りに尽力しました。

生年月日：1895年2月20日
出生地：茨城県鹿島郡矢田部村（現神栖市）
死亡日：1939年3月10日

山本懸蔵は、労働運動および日本共産党の活動家で、当時は「山懸（やまけん）」の略称で呼ばれていました。
日本共産党に入党した年に日本を脱出し、ソ連へ亡命。その後、野坂参三の密告により、スパイ容疑で処刑されました。

生年月日：1903年11月18日
出生地：東京
死亡日：1976年9月18日

西沢隆二は、日本プロレタリア作家同盟書記長、および共産党で「赤旗」地下印刷を担当していた人物です。治安維持法違反で検挙され、終戦まで獄中生活を送りましたが、釈放後は共産党の復興に尽力しました。
そして戦後、レッドパージによる公職追放をきっかけに中国へ亡命しています。

生年月日：1893年6月3日
出生地：京都市上京区西陣
死亡日：1972年7月1日

京都の労働運動の指導者であった辻井民之助は、大正12年の第1次共産党事件で、一時ソ連に亡命。帰国後の1924年に検挙され、禁錮10ヵ月となりました。
出獄後は京都府会・市会議員や衆議院議員として活動し、昭和47年7月1日に死去されています。

生年月日：1892年2月22日
死亡日：1953年3月9日

1922年に日本共産党創立に参加し、中央委員として活動した佐野学は、ソ連に亡命しています。
1925年に無事帰国した後は、共産党再建に尽力。27年に中央執行委員長となり、次いでコミンテルン常任執行委員に任命されました。
第2次世界大戦後になると、日本政治経済研究所を創立。早大の教授を務めました。

生年月日：1910年3月9日
出生地：山形県西置賜郡白鷹町（旧・荒砥町）
死亡日： 1977年12月19日

戦後に農民運動などを指導した紺野与次郎。政治局員としても活躍しますが、1950年6月にレッドパージにより公職追放され、さらに団体等規正令違反で逮捕状が出たことにより、中国へ亡命しました。
帰国後は東京都委員会委員長となり、東京都知事選挙における革新都政誕生に尽力しました。

生年月日：1913年6月27日
出生地：岐阜県土岐郡土岐村市原（現・瑞浪市）
死亡日：1989年8月7日

共産青年同盟に加入後、1933年に日本共産党に入党。治安維持法違反などにより3度検挙されています。
第2次世界大戦後復党しますが、公職追放され、その後中国へ亡命しました。中国滞在中はスパイとして日本共産党から除名、さらに中国共産党に身柄を拘束され 28年間獄中生活を送ることになりました。
1980年に帰国していますが、亡命中のことについては何も語らず、この世を去っています。

生年月日： 1880年9月20日
出生地： 兵庫県 相生市
死亡日： 1955年11月30日

大阪朝日新聞論説委員や早大教授として民本主義思想を展開。吉野作造と黎明会を結成し、河上肇らと『我等』を創刊します。のち社会主義に接近し、1926〜'28年労働農民党、1929〜1931年労農党の委員長を歴任。弾圧のため1932年に渡米し、アメリカに亡命すると、1942年まで亡命生活を送ります。第二次世界大戦後の1947年帰国し平和運動に活躍しました。1951年スターリン平和賞を受賞、参院議員在職中の1955年に硬膜下血腫のため死去しています。

生年月日： 1901年4月9日
出生地： 長野県
死亡日： 1984年1月13日

勝野金政は、日本の作家・思想家です。パリ、モスクワに滞在中フランス共産党員、ソ連共産党員として活動し、大粛清に遭遇してラーゲリに収容されながら、日本への帰国を果たしました。21世紀においては、大粛清に対する先駆的批判者として「日本のソルジェニーツィン」と紹介されることもあります。 1984年1月13日に死去、1989年、勝野に対する罪は不当であったという判断が下され、1997年にロシア連邦より名誉回復証明書が発行されました。さらに2014年4月、モスクワのソルジェニーツィン記念亡命ロシア人会館にて「勝野金政没後30年記念展」が開催されました。

生年月日： 1894年9月12日
出生地： 沖縄県 名護市
死亡日： 1953年10月14日

大正11年堺利彦、山川均らと共産党を結成し中央委員に。昭和3年三・一五事件で検挙され、昭和20年出獄。書記長として共産党の再建につとめ、21年衆議院議員(当選3回)となります。25年マッカーサー指令で追放され、昭和28年10月14日亡命先の北京で客死。59歳でした。徳田の死は昭和30年7月まで公表されることはなく、北京で開催された徳田の追悼大会には3万人が参列しました。