HSPとは、Highly Sensitive Person（ハイリー・センシティブ・パーソン）といい、「人一倍繊細な人」という意味で、90年代のはじめ、繊細な人についての研究をはじめたエレイン・アーロン博士によって付けられた「人の気質」を表す名称です。

研究によると、人口の約20％の人はHSPだとされています。また、人に限らず虫、鳥、魚、犬、猫、馬、霊長類など、100種類以上の動物に同じ気質が見られることから、繊細さはすべての生存本能「生き残るための戦略のひとつ」であると考えられているため、病気とは区別されています。

しかし、こうした気質を持つ人は職場や家庭など生活の中で気疲れしやすく、生きづらいと感じている方が多い傾向にあります。

周囲の状況にとても敏感なHSPの方には、「DOES」という4つの特性があります。以下の4つの特性が全て当てはまるとHSPの疑いが強いとされており、4つのうち1つでも当てはまらないものがあればその時点でHSPではないとされています。

考え方が複雑で、深く考えてから行動します。
・一を聞いて、十のことを想像し、考えられる
・調べものをはじめるととことん掘り下げ、その知識の広さに驚かされる
・お世辞を見抜ける
・生き方や哲学的なものごとに興味がある

刺激に敏感で疲れやすい
・人混みや大きな音が苦手
・友達との時間は楽しい反面、疲れやすい
・芸術作品に共感できる
・些細な言葉に傷つき、過剰に反応し、頭から離れない

人の気持ちに振り回されやすく、共感しやすい
・人が怒られていると自分のことのように感じる
・悲劇映画や漫画などに共感し、感情移入してしまう
・人の考えていることを敏感に感じ取ることができる
・赤ちゃんや動物の気持ちも察することができる

あらゆる感覚が敏感
・生活音や機械音がに敏感
・日光など強い光が苦手
・ちょっとしたニオイで気分が悪くなる
・洋服や下着のタグが気になってしょうがない
・第六感の働きがすごい

HSPの人は、他人への感情移入によって涙もろくなったり、胸が苦しくなったりすることがあり、怒鳴り声や暴力などにも、敏感に反応しパニックになる傾向があります。また、ほんのささいなことにも驚き、他人のネガティブな行動に影響されショックを受けやすい傾向があります。

HSPの人はその感受性の強さから、芸術的な才能に恵まれ、音楽や映像制作などにも非凡な才能を発揮することがあります。