指名手配とは、事件で逮捕状がでていて、被疑者の情報を公開し、情報提供を国民から受けることで逮捕に導くためのシステムです。つまり、被疑者の逮捕を全国の捜査機関に依頼すること。規模の小さい指名手配犯や規模の大きい指名手配犯など様々です。規模の小さい指名手配犯は一般指名手配犯と呼ばれています。

指名手配は、逮捕状が出ていて行方が分からない場合に出されます。では、指名手配による逮捕と通常の捜査で逮捕と何が違うのでしょうか？指名手配が行われるのは、逮捕状がでているにも関わらず被疑者が逃亡することにより行方がわからない場合です。また、被疑者の身元が不明であったり外国人であったばあいでも指名手配の対象となります。

被疑者がどこにいるか不明な場合に指名手配が行われることとなります。一旦指名手配となれば、顏写真や身体の詳細が公開されます。また、指名手配には3種類あります。

①警視庁指定特別手配被疑者
②警察庁指定重要指名手配被疑者
③都道府県警察指定重要指名手配被疑者

被疑事実は強盗や殺人等の重罪ばかりの事件がほとんどです。

刑事事件には時効というものがあります。事件が起きてある一定の年数が過ぎると起訴することができなくなります。ただし、罪の重さによって時効期間も異なってきます。

人を死亡させ、その罪の最高刑が死刑である場合には時効はありません。主な罪は殺人罪や強盗殺人罪です。

時効1年の罪は、侮辱罪や軽犯罪法違反等
時効3年の罪は、名誉棄損罪や暴行罪や器物破損罪
時効5年の罪は、窃盗罪や詐欺罪や業務上横領罪
時効10年の罪は、強盗罪や障害罪や業務上過致死傷罪
時効15年の罪は、強盗強姦罪や身代金目的略奪罪や通貨偽造罪
時効20年の罪は、傷害致死罪、危険運転致死罪

そして時効25年の刑があります。こちらの刑は、人を死亡させてはいませんが、刑が死刑の場合時効が25年になります。

具体的には現住建造物等放火罪、現住建造物等侵害罪、外患誘致罪、外患救助罪など。時効が30年の罪は、人を死亡させその罪が無期懲役である場合は当てはまります。具体的には、強姦致死傷罪、強制わいせつ致死傷罪等があげられます。

指名手配犯に関する情報は、少なからず警察に届いています。しかしこうした情報全てを、丁寧に調査するには、警察官が少なすぎます。報告を受けた警察官がすぐに対応できるとは限りません。

すぐに情報提供者のところに向かうことはできません。情報の信ぴょう性や遠方警察との連携等多くの手順をふまなければならないため、警察の人員も時間も足りないのです。警察官は一見沢山存在してそうに見えますが、刑事事件に関わる刑事は一体どれぐらい存在するでしょうか。

それでも、被疑者が逃亡して半年以内に約9割が逮捕されています。逃走する期間が長ければ長いほど、指名手配犯は警察の手から逃れる事が出来るのです。警察官になる人数は年々減っています。

犯罪を犯してから、数十年が経過し、被疑者が老化し、容姿が変わってしまったり、被疑者が上手に逃げ回っていたり、外国へ逃亡していたり、整形手術を受けたり等のことがあると操作は迷宮入りしてしまうこともあります。

また、共犯者が複数いる場合には、謎的なことや、いまいちわからないことが多々発生します。そんなことから捜査は難航してしまいます。

また、被疑者が身元が不明であったり外国人であったりすると言葉の問題などで関係者に確認が遅れたり等が出てくるので難しいこともあります。中には、IT部門に長けている方もいて、捜査が難航するように仕向ける方もいるでしょう。

周囲に気づかれずに生活している被疑者もいます。指名手配犯はホームレスのように貧しく生活を送っていると思いがちですが、ごく普通に生活を送っている方もいます。

財産も資金も十分蓄えがあれば人を巻き込まずに普通に生活を送っている方もいます。その場合、周囲には気が疲れにくいでしょう。都会は人も多く、人の顔をあまり見ません。仮に指名手配犯の方と似た方を見かけても見間違いと思い込んでしまいます。大都会に住んでいて、ですれ違った人物が指名手配犯の可能性もあります。中には指名手配犯とは知らず、結婚してしばらく普通に生活をしていたということもあります。

現在はSNSの発達により昔よりは見つけやすいかもしれませんが、それでも写真で確認するのと実物を確認するのとでは確実性は異なります。都会は人も多く、他人の顔をあまり見ません。「何か」を感じ取っても見間違いと思い込んでしまいます。

私達がごく普通に一般的な生活をおくっていて、指名手配写真を見る機会はどれほどあるでしょうか。指名手配写真は警察署や交番、駅、警察関連HPなどに掲載されていますが、日常生活でこうした場所に自ら出向かずにあるいは出向いていても興味がなければ閲覧しません。そのために気が付かないということもあります。

指名手配犯のポスターですが、強盗、殺人者に一般の方が興味を持つでしょうか。指名手配犯のポスターが掲示されていても興味がなければ見ません。興味がなければどんな人物が指名手配されているのか、把握しないでしょう。事件関係者であれば忘れられない顔ですが、部外者はそもそも見る機会がないので、逮捕に結びつきにくいのです。

犯罪者と知りながら、犯罪者を補助する人々も存在します。住む場所、食べ物、衣服、日用品等を提供するので、指名手配犯の外出が減り、捕まる可能性が低くなります。実際に、逃亡犯とは知らずに支援している一般人もいます。

弁護士との接見中に留置場から逃げ出した被疑者を、多数の友人が手助けした事件がありました。逃走中偽名を使っている被疑者も多く、一般人に近づくことが出来るのです。全く気が付かないうちに被疑者をかくまっていた事もあります。

偽名を使っていれば支援者と親密な関係にもなりやすいですよね。なんとなく情が沸いてしまいつい助けてしまうということもあるでしょう。よく相手を把握せずにおつきあいをしてしまうケースというのは犯罪を起こしていても起こしていなくても起こりうることです。

国外に逃亡している場合もあります。また、犯罪の拠点が国外ということもあります。その場合、現地の警察と確認をとりあわなければいけないため時間がかかることと思われます。なかには潜伏先の南アフリカに逃げてその後日本で逮捕された事例もあります。

一旦国外に逃げてしまうと、潜伏先の現地の人々が、日本の指名手配など知る由もなく、中々情報が入ってきません。中には17年間国外に逃げてやっと捕まったケースもあります。また「犯罪人引き渡し条約」を締結している国は日本と韓国のみです。

それ以外の国は日本の指名手配犯を引き渡さなければいけない義務はありません。そのため国外に逃げてしまうと逮捕に至るまで長い道のりとなってしまうようです。特に現地の方は事件のことを把握していないでしょうし、普通に接することと思います。

そうなれば現地ではスムーズに行きたいところへ行くことも可能です。もし、研究者と名乗り、現地で大自然の中でまぎれこんでしまったらまず見つからないですよね。