ジャンル：SF、スリラー、ホラー、青年漫画
作者：岩明均
出版社：講談社
掲載誌：モーニングオープン増刊
　　　　月刊アフタヌーン
　　　　コミックDAYS
アニメーション制作： マッドハウス
キャラクターデザイン： 平松禎史

人間を捕食する本能を持つ寄生生物が飛来した現代の日本を舞台に、ごくふつうの高校生･泉新一と、彼の右手に寄生した未知の生物ミギーの奇妙な共生関係と、彼らが繰り広げる寄生生物たちとの戦いを描いたSF作品。講談社「モーニングOPEN増刊」F、G、H号と「アフタヌーン」1990年1月号から1995年2月号にかけて掲載され、2014年、2015年に前後編で実写映画化。第17回「講談社漫画賞」一般部門、第27回「星雲賞」コミック部門受賞しています。

泉信子の夫、泉新一の父で、職業はフリーライター。夫婦水入らずで伊豆に旅行した際、目の前で妻がパラサイトに乗っ取られ、自身も負傷させられ入院する。退院後はしばらく事件のショックを引き摺って悲しみに沈んでおり、悲しみを表に出さない新一に対して「鉄で出来ているんじゃないのか」との言葉をぶつけることもありました。

組織の幹部的役割を持つとみられるパラサイト。初登場時には後藤を乗せた車の運転手を務めており、広川が市長に立候補した際には、広川や後藤と共に壇上に立っている。組織にとって障害となった新一と倉森の抹殺を企てたものの、その実行者が後先を考えずに倉森の家族のみを殺害し、本来の目的を果たすこと自体には失敗。さらに報告を受けた際も失敗したことに苛立つばかりでその危険性を全く認識していなかったため、田村玲子に一連の無謀な行動を咎められました。

陸上自衛隊二佐。市役所戦における「内環（掃討部隊）」の指揮官。パラサイト判別のために市役所中の人間を1階ホールに集めた際、指示に反して他階へ移動した広川市長以下パラサイト一味を駆逐すべく、一部隊を率いて掃討します。

“自称”加奈の彼氏。北高の生徒で体が大きく喧嘩も強く、新一たちの通う西高の生徒とよく喧嘩をしているシーンが見られます。同級生との喧嘩を見かねて仲裁に入った新一に対して暴力を振るい、結果的に新一と加奈を引き合わせることに。自分の知らないところで加奈が殺された際には、葬儀の席で号泣したのち、加奈の死に悲しんだ素振りを見せない新一に怒りをぶつけ、加奈を守ってやれなかったことを責めるなど人間らしさが垣間見えます。

田宮良子が教師として就任していた時期に新一とミギーに紹介したパラサイト。新一とミギーの存在に強い警戒感を覚え、彼らを抹殺する衝動的な目的で彼の通う高校へ単身乗り込み、生徒や教師に対する無差別殺傷事件を起こします。読者を物語へと引き込む重要な役割を担っています。

作品を代表する「人間の」殺人鬼。快楽殺人のほか死姦・人肉食などあらゆる禁忌を本能の赴くまま犯します。人間を「おもちゃ」と称し、残虐非道な行為を嬉々として重ねるなどその異常な精神性ゆえに、普通の人間にはない特殊能力を持っています。

北署に勤務するベテラン刑事で、新一や倉森らが住む地域の担当官としてパラサイト対策特命捜査を指揮する人物。認識能力、決断力、思考の柔軟性等で群を抜く優秀な人物で、初登場時の階級は警部補でしたが、物語の途中で警部に昇進しています。

パラサイトに寄生されながらも脳が残っている人間で、伊豆のホテルの従業員で、涙もろく温和な性格の、小太りの男性。顔下半分から胸部までジョーに寄生されています。寄生された「泉信子」と初めて戦闘を行い、負傷しつつも新一自身に母親を手にかけさせるべきではないという想いから戦いを助けたほか、後に倉森が田村玲子の差し金で新一の身辺を調べ回っていた際にも、新一に協力しています。

普段は後藤の右腕を構成するパラサイト。当初は後藤と身体を共有していることは読者に伏せられているものの、メインの統率者である後藤に代わって統率をこなすことが可能であり、その際は三木が頭部になり、後藤が代わって右腕部を務めます。ファンからは「イケメン」とも言われています。