平野啓一郎の作品おすすめ20選!人気の小説ランキングと口コミ&選び方【2024最新版】
23歳で芥川賞を受賞し、「マチネの終わりに」が映画化されることが話題になった作家の平野啓一郎さん。現在大注目の作家のひとりです。今回は平野啓一郎さんの作品の人気おすすめランキングを口コミとともにご紹介します。
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627円
古典的な小説を発表してこられた方だけに、斬新な趣向に溢れた短篇の数々が、とても新鮮です。著者・平野氏の文学的野心を想いました。「葬送」で、計らずも”カント”の”判断力批判”から”天才”を引用された著者、何か私には新しい文学的創造の天才の出現を目の当たりにしているのでは、と想わず考えてしまいました。(ちょっと褒めすぎかな?)短篇の中には、以前に文芸雑誌で拝見させて頂いた作品もありましたが、今改めて通読してみますと、作品の中には、かつて芥川賞選考委員を務められた日野啓三氏の、どこか哲学チックで妖しく謎めいた小説の雰囲気にも似ているなぁと、感じたりもしました。
特に印象深かった作品の中から、「やがて光源のない澄んだ・・・」、東京でのありふれた日常が営まれる影で(とは言え、この東京での時間の経過にも何処と無く妖しい影が潜んでいるかのよう)、巨大津波によるまさに一瞬の恐るべき壮大な悲劇が同時進行しているように感じられました。最初こそ、本文の読みが妨げられるような不快な印象を持つものの、読み進めると、東京での日常(そこに暮らす主人公にある日突然落ちる砂が、別世界で同時進行する悲劇をこっそり教えてくれるかのよう)と、巨大津波の一瞬の恐怖が、同時に立体的に浮かびあがってきます。多分、著者の意図する事を私自身も少しは感じ取ることが出来たのではと想います。
「母と子」の、ちょっとした人生の選択の結果、その先を流れる時間に様々な可能性があり得る、しかも全てが実際は同時に進行している可能性があるかのような、私自身、この我々が存在する宇宙と時間の関係に想いが及び、何か、ちょっとした眩暈のようなものを憶えました。
880円
平野さん中心の本かと思いきや、大谷さんも自分の思いをかなり話していて、
芸人としての印象しかなかったのでこの本でイメージがかなり変わりました。
私はもともと平野さんの「分人主義」という考え方が大好きです。
そして「マチネの終わりに」という小説の中にもでてきた「未来は過去を変えてくれる」という言葉にも大きく心を動かされました。
今回のこの本の中でも、この2つは大きなキーワードとなっています。
私は自殺だの「生きる理由」だのは考えたことはないけど、でも対人関係や現状に疲れちゃうことは日々あって、
そんな小さな生きにくさにもこの本は大いに支えになるような気がします。
星が4つなのは、たぶん平野さんは小沢健二を誤解しているから。
渋谷系だのなんだのと言われ、王子様みたいに女の子達からキャーキャーいわれてたあのイメージしかないのでは?
平野啓一郎も小沢健二も「私の哲学」を作り上げる上でとても重要な人物です。
だから平野さんに小沢健二を誤解されているのは悲しい・・・。
平野さんお願いします。歌詞、ちゃんと読んでみてください・・・。
902円
平野啓一郎作品は難解なイメージがどうしてもつきまといますが、本作は非常に読みやすい小説だと感じました。本作品の主人公たちは30代後半位で、過去には苦い恋愛経験者。その主人公たちが、人を想う気持ちを通して自分を見つめ、それぞれの成長する様子が描かれ、「人を愛するとは、かたちではなく、相手を想う自分をも好きだと感じられることだ」という平野啓一郎のひとつの回答が示されていることに共感を覚えます。ありがちな恋愛小説とはまた違い、平野啓一郎ならではの恋愛小説風作品であり、「本当の自分とは?」「本当の愛とは?」等々、「愛」を小説のテーマにしながら、その「愛」を通して自分を見つめ直すことを深く考えさせられる作品だと思いました。
572円
短編2編+表題作「透明な迷宮」など中編4編の作品集です。平野さんが「ドーン」や「空白を満たしなさい」などで提唱している分人主義的な考えは本作にももちろん反映されています。また愛とは何なのかをそれぞれの作品でキーワードにしていると思うのですが、いったい人は何を好きになるのか・・・、愛するということは相手の存在(精神)なのか、それとも2人が共有した経験(出来事)なのか。分人主義とうたってませんがわかりやすく生かされています。また別の作品では愛と孤独……、家族愛なども描かれ、複雑で様々な人間関係や家族というものをしばらく考えさせてくれる、とても読後感の素敵な作品でした。
平野啓一郎作品人気おすすめランキングTOP10~6
660円
『高瀬川』にはいくつかの作品がありますが、
私はやっぱり表題作の「高瀬川」が一番好き。
大野と裕美子がラブホテルの室内でお互いを気づいながら交わす会話。
この何気なく良い意味で普通っぽい会話に読者は親近感を持つはず。
さらに女性読者ならは主人公大野の優しさと繊細さに感動するはず。
物語の後半には、前半の激しい性描写と同じ比重で
シリアスなエピソードが用意されていて、物語に引っぱりこまれます。
この本を読んだあと『日蝕』『一月物語』も併せて読みました。
もしかして、平野啓一郎さんの作品が「難解」というのは
思い込みだったかも・・・・・。
そんな思いを抱くきっかけになった『高瀬川』でした。
605円
芥川賞の(日蝕)を前に読んだことがあり
あまりに難しく今度も期待していませんでしたが、
ショパンの生まれ故郷のポーランドで生家を見学したり
ショパンショパンコンクールに行ったりと、とてもショパンには関心がありました。
平野啓一郎さんのこの作品はとても素晴らしい出来栄えで
感激し、妹にも是非読むようにと貸してあげました。
594円
臓器移植についての知的な見解が印象的であった。しかし、私は、この本の内容というよりも寧ろ文体に生理的恍惚感を感じた。それはなぜかと聞かれても、オルガスム的な問題なので、合理的に答える事はできないのだが。
781円
想像や未来の予知などと言うよりは、明らかに現状を写実したものに近い。初めに素晴らしいと言ったように私自身はこの事を高く評価したいが、それでも同時にこの小説に欠点があるとすればその写実性になるだろうとも言わねばならないと思う。つまりそれは写実以上のものではない、現代日本に蔓延する病理とそれに対して実際にある悲鳴や批判、戸惑いやさらには共感、支持など、そういう実際にあるものだけをよく描いた、という「だけ」という言い方も恐らく全くの不可能ではないだろう、という事だ。その場合、本作の極めて優れた長所や意義はそのままケチをつける理由にもなる。実際本作で語られることは極めて切実で我々の身に、いや心に迫ってくるが、「なぜ人を殺してはいけないか」という問いを初めとして、どれもこれも殆どがどこかで聞いた事ある事ばかりである。小難しい言葉で飾られた思想のごときものも実質は同じであり、結局のところそれは今の時代の状況、現代人の抱える思いや言葉を代弁し語り、時代精神をそのまま描いただけなのである。本作のそういう時代精神・時代状況の写実は専ら殺人事件や犯罪をめぐる諸問題や諸言説を対象としている。責任能力や精神病の問題から警察の取調べの問題まで現代日本で騒がれる犯罪関係、法律関係のあらゆる問題が本作内には凝縮され扱われていると言えよう。それは私としては高く評価できる極めて意義ある事に思えた。
814円
たった一つの「本当の自分」など存在しない。裏返して言うならば、対人関係ごとに見せる複数の顔が、すべて「本当の自分」である。(まえがきより)
筆者は”分人”という言葉を使い、”個人”について説明している。
私が特に面白いと感じたのは、第4章(愛すること・死ぬこと)です。その中で、印象に残ったセンテンスを紹介します。
・愛とは、「その人といるときの自分の分人が好き」という状態のことである。
・今付き合っている相手が、本当に好きなのかどうか、わからなくなった時には、逆にこう考えてみるべきである。その人と一緒にいる時なの自分が好きかどうか?
・人間とは、他者なしでは、新しい自分になれない。
平野啓一郎作品人気おすすめランキングTOP5~1
1,386円
芥川賞作家の文学作品でありながら、松本清張『砂の器』あるいは宮部みゆき『火車』のように、
謎の人物を追いかけていくことで同時代の問題意識を浮き彫りにさせる、社会派ミステリの側面を
兼ね備えた良作。平野啓一郎の筆は、弁護士と妻の関係、調査対象者との間に生じる共感や距離感
など、繊細なひだに分け入っていく思索の場面でこそ恐ろしいほど冴え渡り、象徴的でありかつ
日常的であったりする場面のさりげない書き方がべらぼうに巧い。
在日三世であることと、調査対象の抱えた過去というのは、また別ベクトルの問題であると思うので、
この点はいくらかもやもやするところもあったけれど、とはいえ、偏狭な民族意識や差別感情の
あふれる現代に「暮らしながら」「悩みつづける」私たちが読んでおくべき逸品であると思う。
748円
著者「マチネの終わりに」に感銘を受けてこの作品に手を出しました。恥ずかしながら短期間で本を読破した経験がありませんでしたが、内容に強く惹かれ、短期間で上下巻共に読み終えました。そのくらい魅力があると感じました。
1,100円
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