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デニス・ルヘインが送る「私立探偵パトリック&アンジー」シリーズ二作目。出だしから凄まじいまでの緊張感を覚える本作は、残虐で暴力的、読んでいるだけで徐々に追い詰められているような異様な錯覚に陥っていきます。

構成も非常に凝っており、二十年に渡る街の状況と人間関係が複雑に交錯していきます。そして暴かれる真実は残酷でみなが肉体的にも精神的にも深い傷を負います。だからこそラストの僅かな希望の光が、ことさら眩しく感じるのではないでしょうか。

ミステリー/推理小説おすすめランキング13位:大いなる眠り(1939年)

レイモンド・チャンドラーによる「フィリップ・マーロウ」シリーズの記念すべき第一作目。そしてチャンドラーをハードボイルドの帝王にのし上げた作品でもあります。

正直、ミステリとしては「そこそこ」といった出来です。矛盾点もありますし。しかしフィリップ・マーロウという私立探偵を世に放ったという偉大さがこの作品を神格化するには充分であり、マーロウのキレッキレの語り口だけでも一読の価値があります。

ミステリー/推理小説おすすめランキング12位:血の収穫(1929年)

ダシール・ハメットの「探偵コンチネンタル・オプ」シリーズの最初の長編作。もう「血で血を洗う」という言葉がここまで似合う小説も珍しいのでは、と思うほど過剰なバイオレンス描写で彩られています。

その内容は街を仕切るふたつのマフィア組織を対立させ、潰し合わせるというもの……って、ちょっと待て。どこかで聞いたことがあるような内容だぞ? そうです。じつは「血の収穫」は、黒澤明の大傑作時代劇映画「用心棒」の下地となった作品なのです! というわけで本作は映画好きにも是非、読んでほしい一冊。おすすめです。

ミステリー/推理小説おすすめランキング11位:孤狼の血(2015年)

映画化もされた柚月裕子の話題作はここにランクイン! ハードでバイオレンス、どこまでも骨太で男っぽい任侠&警察小説である本作。「え? これ女性が書いたの!?」と驚かれることが多い本書ですが、個人的な感想でいえば女性だからこそ書けたのではないか、と思っています。

本作には善人、悪人含めてさまざまな男キャラクターが登場しますが、どれもが凄く濃い! 濃口醤油もびっくりなほどです。暴力団と警察の癒着、しかしその中にある確かな「正義」。「正義の形」を問いかけた本作は、警察小説の新たな到達点といっても過言ではないでしょう。

ミステリー/推理小説おすすめランキング10位:初秋(1980年)

私立探偵スペンサー・シリーズの七作目であり、ハードボイルド界の沈まぬ太陽、ロバート・B・パーカーの最高傑作。これを呼んでハードボイルドという概念を覆させられた人も多いのではないでしょうか? 

大まかなあらすじとしては放置されて育てられた少年をスペンサーが一人前の男として「自立」させるためにあれこれ世話を焼く、というもの。そこに少年の処遇を巡るミステリーの要素も絡ませることで、パーカーはこの作品を至高の小説とすることに成功しました。

ミステリー/推理小説おすすめランキング9位:さらば愛しき女よ(1940年)

レイモンド・チャンドラーによる私立探偵フィリップ・マーロウシリーズの第二作目。出所したばかりの大男と元恋人、ふたりに絡む殺人事件に巻き込まれたマーロウの活躍を描いています。

複雑に絡まり合う物語、破滅に向かうとわかっていながらも女を愛さずにはいられない男、そして迎える悲劇的な最後……。歴史に残るミステリーの傑作です。

ミステリー/推理小説おすすめランキング8位:新宿鮫(1990年)

吉川英治文学新人賞、日本推理作家協会賞受賞。大沢在昌の出世作であり、代表作である「新宿鮫シリーズ」の記念すべき第一作目。本作ではホモの改造銃制作者と彼の作った改造銃を使用した連続警官殺人事件を追う主人公・鮫島の活躍が描かれています。

また本作は「眠らない街〜新宿鮫〜」として映画化もされています。主演は真田広之。映画の方もかなりおもしろいので、「新宿鮫」ファンの方はぜひ一度視聴してみましょう!

ミステリー/推理小説おすすめランキング7位:犬の力(2005年)

2010年度このミステリーがすごい! 海外部門一位を獲得! 三十年にも及ぶDEA(アメリカ麻薬取締局)の捜査官・ケラーとメキシコの麻薬カルテルのボス・バレーラとの戦いを描いており、作者のドン・ウィンズロウは本作で国内外で多数の文学賞を受賞しました。

もともとは親友同士だったケラーとバレーラの決裂と対立が物語の主軸だが、冷戦時代の赤狩り政策、暗殺者と高級娼婦の壮絶な過去などのサイドストーリーが複雑に絡まり合いながら、やがてひとつへと帰結していく構成は見事のひとこと。傑作サスペンスミステリーとして文学界にその名を刻みこみました。

ミステリー/推理小説おすすめランキング6位:ジャッカルの日(1971年)

フレデリック・フォーサイスによる超傑作ミステリースリラー小説「ジャッカルの日」。フランスのドゴール大統領暗殺計画を描いた作品で、凄腕の暗殺者「ジャッカル」がいかにして大統領に近づくか、ルベル警視がいかにしてジャッカルの企てを阻止するか、このふたりの息詰まる頭脳戦の攻防が物語の中核となっています。

また本作を原作とした映画も世界中で大ヒットを記録。現在でもマンハントものの名作として多くの批評家、ファンから愛されています。

ミステリー/推理小説おすすめランキング5位:池袋ウエストゲートパーク(1998年)

石田衣良の連作短編シリーズ「池袋ウエストゲートパーク」の記念すべき第一作目。表題作の「池袋ウエストゲートパーク」はオール讀物推理小説新人賞を受賞、石田衣良はこの作品で文壇デビューを飾り、代表作ともなりました。

時代を切り取った鮮やかな切り口、従来の泥臭い不良とは違うオシャレでスタイリッシュなカラーギャング「Gボーイズ」、軽やかでリズムのいい文章、「これ、本当に新人?」と首を傾げたくなるほどの完成度を誇る本作は、ミステリーファンのみならず多くの読書家から絶賛を持って迎えられました。

ミステリー/推理小説おすすめランキング4位:毒猿 新宿鮫II(1997年)

大沢在昌の「新宿鮫シリーズ」の第二作目にして最高傑作。親交のある暴力団を頼って新宿にやってきた台湾マフィアのボスと、そのボスを狙う台湾最強の殺し屋「毒猿」を鮫島と台湾の刑事が追っていくというのが本作の内容です。

ド派手なアクションに複雑な人間模様、そして最強の殺し屋・毒猿の際立ったキャラクター……。大沢在昌が得意とする外連味たっぷりのエンタメ小説の傑作であり、日本ミステリー界、ハードボイルド界の金字塔的な作品です。

ミステリー/推理小説おすすめランキング3位:さむけ(1964年)

ロス・マクドナルドによる「リュウ・アーチャー」を主人公とした連作シリーズの第十二作目。過去と現在で複雑に交錯する人間関係と事件、「虚無」ともいえるすべてを諦観したようなアーチャーのキャラクター、すべてが見事に絡まり合い、ひとつの名作として昇華した作品です。

まずこの小説の凄いところは、すべての人物関係が対となって配置されていることでしょう。この構成によって読み手は知らず知らずのうちに物語に統一感を覚えるようになっています。そして物語の最後を締めくくる一文は、背筋を凍りつかせるまさしくタイトルの「さむけ」そのもの。ハードボイルドミステリーのお手本のような一冊です。

ミステリー/推理小説おすすめランキング2位:マルタの鷹(1930年)

ハードボイルドの始祖、ダシール・ハメットの超傑作ミステリー小説「マルタの鷹」。ハメットの理想が詰め込まれたという私立探偵「サム・スペード」を主人公とした作品で、家出人捜索から端を発した「マルタの鷹」という財宝の争奪戦を描いています。。

この作品の最大の特徴は、心理描写を一切排したカメラ・アイの三人称でしょう。読者は行動や仕草、言動からキャラクターの心理状態を読み取らなければならず、砂漠のように乾いた文体はその後のハードボイルドというジャンルに大きな影響を与えました。

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三島マコト

映画と小説、それと漫画と格闘技を愛する男。WEB媒体で記事を書いたりもしてます。よろしくお願いします。

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