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直木賞作家・萩原浩の私立探偵最上俊平シリーズの第二作目。主人公の最上俊平はフィリップ・マーロウに憧れて私立探偵になった変人。大きな事件を解決したいが、くる依頼はペットの捜索ばかり。本作でも最上はペットの捜索を依頼されるのですが、なぜか暴力団が関わる妙な事件に巻き込まれていってしまいます。

最上はハードボイルドが大好きであり、実生活でもハードボイルを貫こうとします。しかしハードボイルドを解さない周りには「喋り方が変」といわれ、喧嘩は弱く、ペットの捜索ばかりがうまくなっていく……。とにかく愉快で楽しく、ラストにはホロリと泣ける娯楽ミステリーの傑作です。

ミステリー/推理小説おすすめランキング38位:私の男(2007年)

親戚から義理の父と娘となったふたりの男女の禁断の愛を描いた「私の男」。本作で桜庭一樹は直木賞を受賞、名実ともに日本を代表する小説家となりました。また映画化もされ、モスクワ映画祭で最優秀賞を受賞するという快挙も成し遂げています。

「私の男」の大きな特徴はその構成でしょう。時間を巻き戻しながら、さまざまな人物の視点で父と娘の関係、ふたりが関わったとされる殺人事件が語られていきます。徐々に明らかになっていく真実、泥沼の愛……間違いなく2000年代を代表する傑作ミステリーでしょう。

ミステリー/推理小説おすすめランキング37位:骨音 池袋ウエストゲートパークⅢ(2002年)

伝説のテレビドラマ「池袋ウエストゲートパーク」の原作小説であり、シリーズ三作目。このシリーズはいくつもの短編で構成されており、池袋の果物屋の店員兼ストーリート探偵の真島誠の活躍を描いています。

表題作である「骨音」はビジュアル系ロックバンドのSEで使われる謎の音とホームレス襲撃事件の関連を突き止めるため、マコトが奔走するという内容。疾走感のある文章でテンポよく進む物語はまさに「次世代のハードボイルド」といっても過言ではないでしょう。

ミステリー/推理小説おすすめランキング36位:天使に見捨てられた夜(1994年)

新宿歌舞伎町を根城とする女探偵「村野ミロ」の活躍を描くシリーズ二作目。著者は直木賞受賞者にして紫綬褒章受賞者である桐野夏生。この人は強い女性を書かせたら天下一品! 村野ミロもハードボイルドミステリー界に現れたニュータイプの主人公といえるでしょう。

「天使に見捨てられた夜」は失踪したAV女優の謎を追うのを本筋としながらも、そこに同性愛、異性愛などさまざまな「愛の形」の要素も絡め、新宿という巨大な繁華街に蠢く欲望と闇を克明に描きだしました。まさに傑作。ミステリー好きなら必読の一冊でしょう。

ミステリー/推理小説おすすめランキング35位:無間人形 新宿鮫Ⅳ(1993年)

日本ハードボイルド界の巨匠にして直木賞作家の大沢在昌が放つ大ヒット警察小説シリーズ「新宿鮫」の第四作目。大沢在昌は本作で直木賞を受賞し、作家としての地位を確固たるものとしました。

シリーズの主人公はキャリアでありながら、とある事情で出世街道から外れた一匹狼の警部・鮫島。本作ではとある地方財閥と東京で大流行している新型ドラッグを鮫島が追っていくことになります。

ミステリー/推理小説おすすめランキング34位:風化水脈 新宿鮫VIII(2000年)

大沢在昌の「新宿鮫シリーズ」第八作目。井戸で発見された古い死体、中国人窃盗団と組を脱けようとしている暴力団幹部、さまざまな人物と組織、要素が水脈のように絡まりあいながら物語は進んでいきます。

本作はアクション要素という点でいえば、他の作品よりもやや劣るかもしれません。しかし心に深く染み込むような味わいがあり、殺伐としながらも温かみを感じ、何度も繰り返し読みたくなる一冊となっています。

ミステリー/推理小説おすすめランキング33位:少年計数機 池袋ウエストゲートパークⅡ(2000年)

石田衣良の「池袋ウエストゲートパークシリーズ」の第二作目。表題作はすべての数をカウントする少年の誘拐事件に奔走するマコトの姿が描かれており、シリーズ全体を通しても完成度の高い一編となっています。

羽のように軽やかな文章の読みご心地は秀逸で、時間を忘れて物語に没頭させる力を持っています。個人的にはこのシリーズよりも優れた短編集はそうそうないと思うほどであり、その中でも「少年計数機」の読み応えは格別のものがあります。

ミステリー/推理小説おすすめランキング32位:絆回廊 新宿鮫Ⅹ(2011年)

大沢在昌の「新宿鮫シリーズ」第十作目。本作は「警官を殺すため」といって拳銃を手に入れようとしている出所したての伝説のアウトローと「金石」という謎の組織が絡み合った「因縁」の物語です。

本作は「新宿鮫シリーズ」の分岐点ともいえる作品で、作中ではこれからのシリーズを揺るがすほどの重要な事件がいくつも起こります。「新宿鮫シリーズ」のファンならば必ず抑えておくべき一冊ですが、単体としても素晴らしい出来であるのは間違いないでしょう。

ミステリー/推理小説おすすめランキング31位:解錠師(2012年)

2013年このミステリーがすごい! の海外編第一位! スティーブ・ハミルトンが生みだした傑作ミステリー長編「解錠師」は、絵画と鍵開けに卓越した才能を持つ失語症の少年の犯罪と青春、そして恋の物語です。

本作は過去と現在をいったりきたりする構成を取っており、少年が犯罪に手を染めることとなった原因、失語症になった原因が明かされていきます。また本作では「恋」も非常に重要なファクターであり、「恋」に救われる主人公のラストはもう涙なしでは読めません。

ミステリー/推理小説おすすめランキング30位:血と暴力の国(2005年)

現代アメリカ文学の巨匠、コーマック・マッカーシによる傑作ミステリーサスペンス。本作の最大の特徴は鉤括弧と句読点を用いない独特の文体と「死んだような沈黙」の中で繰り広げられる壮絶な暴力描写でしょう。

また本作は「ノーカントリー」という題名で映画化も果たしております。監督はコーエン兄弟。この映画の出来は素晴らしく、アカデミー賞では作品賞、監督賞、助演男優賞、脚色賞を受賞、そして世界中のあらゆる映画賞を総なめするという快挙を果たしています。

ミステリー/推理小説おすすめランキング29位:不夜城(1996年)

和製クライム・ノベルの大家、馳星周の代表作であり出世作である「不夜城」。新宿を舞台に繰り広げられる中国人たちの血で血を洗う抗争とそれに巻き込まれる男女の恋物語であり、金城武主演で映画化もされました。

一人称の荒い口調で語られる文体は独特で癖がありますが、作品の退廃的な雰囲気をより引き立たせてくれています。またこのミスと文春ミステリーのどちらでも一位を獲得するなど、批評面でも大きな成功をおさめました。

ミステリー/推理小説おすすめランキング28位:ワイルド・ソウル(2003年)

垣根涼介の最高傑作はここにランクイン! 日本に見捨てられた日系ブラジル人たちの報復を描いた「ワイルド・ソウル」は大藪春彦賞、吉川英治文学新人賞、日本推理作家協会賞の三冠を達成するなど非常に大きな評価を得ました。

日本政府に騙されてブラジルの僻地に送られ、そこでの不毛な開拓の日々の描写は生々しくて恐ろしいものがあります。その環境で育った主人公たちが報復のために日本にやってきて無殺人のテロ行為を仕掛ける場面は、爽快感さえあり、最後の場面ではやり遂げた達成感も味わうことができます。文学賞三冠も納得の傑作でしょう、間違いなく。

ミステリー/推理小説おすすめランキング27位:凍える牙(1996年)

乃南アサが直木賞を受賞した記念すべき作品「凍える牙」。音道貴子シリーズの第一作目であり、ファミレスで突如として発火した男の不審死とオオカミ犬による連続殺人事件をおっさん刑事と女刑事のコンビが追っていく姿を描いています。

本作の見どころは間違いなく、オオカミ犬「疾風(はやて)」の存在でしょう! 高度な訓練を受けた殺人犬であり、孤高で誇り高い疾風なしでは、この小説は語れません。そして疾風の誇り高いラスト……思いだすだけで涙が溢れでそうになります。

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三島マコト

映画と小説、それと漫画と格闘技を愛する男。WEB媒体で記事を書いたりもしてます。よろしくお願いします。

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