この件について、齊藤延人理事・副学長らは「本学教員としてあるまじき行為であり、かかる行為は決して許されるものではなく、厳正な処分をいたしました。大学として、このことを厳粛に受け止め、今後このようなことがおこらないよう、再発防止にあたっていく所存です」とコメントしています。

1983年に、栃木県宇都宮市にある精神科病院報徳会宇都宮病院で、看護職員らの暴行によって、患者2名が死亡した事件が発生します。宇都宮病院は、他の精神科病院で対応に苦慮する処遇困難な患者を受け入れてきた病院であったが、事件以前から私刑として「看護師に診療を違法に行わせる」「患者の虐待」「作業療法と称して石川院長一族の企業で違法に働かせる」「病院裏の畑で農作業に従事させ違法に収穫物を職員に転売する」「ベッド数を上回る患者を違法に入院させる」「死亡した患者を違法に解剖する」などの違法行為が行われていました。

石川院長が就任したころ、東大の医師たちは、宇都宮病院と共同研究をしており、宇都宮病院の入院患者を研究対象として、数多くの論文が発表された。症例検討会を録音したカセットテープには、宇都宮病院内で行われている入院患者に対する虐待行為が話題になっていることが記録されており、東大の医師たちが、宇都宮病院の内情を知っていたことが明らかになると、双方の癒着が問題になりました。

東京大学文学部不正入試事件は、1948年に発生した東京大学文学部の入学試験での不正事件です。採点を行う事務職員が受験生の父母から金品を受け取る代わりに、3人の受験生の点数を不正に加点していた。そのうちの1人は本来は不合格であったものが合格とされていたため、合格取り消しとなる。残りの2人は不正な加点がなくとも合格となる点数であったために取り消しとはならなかったが、1人は自主退学した。便宜を受けた受験生のうち1人はアルバイトで文学部長秘書を務めており、他の2人は事務職員の知人からの依頼によるものでした。

この事件は事務長以下、4人の事務職員が関与する共謀行為だった。関与したある職員が、同じく関与した別の職員に対する給与の差などによる妬みから、学内の日本共産党員に不正入試がおこなわれているという情報を内部告発として提供し、この共産党員が学生自治会に働きかけて自治会が真相究明に乗り出したことで発覚。事務長ら4人は公文書変造兼詐欺などの容疑で東京地方検察庁に送検されたが、不起訴となりました。

1950年1月8日、北陸線武生発上野行きの夜行列車に乗っていた東京大学医学部歯科口腔外科教室の助教授（当時39歳）が、小松駅到着直前に持参したウイスキーを飲んだ直後に急変。小松駅に停車後、直ちに駅長室に運ばれ、医者の手当てを受けるも死亡した事件です。小松市の保健所で助教授が持っていたウイスキーが鑑定されたが、毒物は検出されず、助教授の死因は心臓発作となる。ところが夜行列車に同乗していた助手が、石川県警に改めて鑑定を依頼。ウィスキーから青酸カリが検出。また助教授の遺体解剖により、青酸カリ中毒死であることが判明。一転、殺人事件となり世間に衝撃を与えました。

助教授が持参したウイスキーは、前年のクリスマスに化学会社の歳暮として贈られたものと判明するが、化学会社は発送していないと否定。やがて警察の捜査線上に、助教授の指導下にある東大医学部小石川分院歯科医員が浮上。2月15日、犯行を告白して逮捕となった。医員は助教授に女性関係のだらしなさを批判され、もう面倒を見てやらないと言われ、逆恨みした医員は助教授に対し、戦時中から自身が自決用に保持しており、復員時に持ち帰った青酸ソーダをウイスキーに混入。医員は一審で無期懲役となるが、二審で懲役15年となり、その後、控訴せず確定。模範囚として8年間弱の服役を終えて出所。服役後、名を変えて開業医となっています。

東大安田講堂事件は、全学共闘会議（全共闘）および新左翼の学生が東京大学本郷キャンパス安田講堂を占拠していた事件と、大学から依頼を受けた警視庁が約8500人もの機動隊を導入して1969年1月18日から1月19日に封鎖解除を行った事件です。

ベトナム戦争が激化の一途をたどっていた1960年代後半、また、1970年で期限の切れる日米安全保障条約の自動延長を阻止・廃棄を目指す動きが左派陣営で起きていました。これに伴い学生によるベトナム反戦運動・第二次反安保闘争が活発化。時を同じくして、高度経済成長の中、全国の国公立・私立大学においてはベビーブーム世代が大量に入学する一方で、ときに権威主義的で旧態依然とした大学運営が目に余りました。これに対して学生側は授業料値上げ反対・学園民主化などを求め、各大学で結成された全共闘や、それに呼応した新左翼の学生が闘争を展開する大学闘争が起こりました。

インターン制度は、戦後GHQによって制定された制度で、研修医として無給で1年間働かなければ国家資格である医師資格試験を受験できないという制度でした。これに対し医学部学生は、自主カリキュラムを作り自主研修協約を東大医学部附属病院に提出しましたが、大学側がこれを拒否。そこで医学部学生自治会は1968年1月、無期限ストライキを決行。機動隊は催涙弾などで応戦し、この模様は35時間にわたってテレビで中継され、視聴率が45％を超えるなど日本全国の関心を集めました。

１月19日、多数の負傷者と逮捕者を出しながらも、機動隊が安田講堂に突入、全共闘のメンバー全員を逮捕し、東大紛争は終結しました。警察の発表では、検挙者633人中、東大生はわずか38人だったといいます。これは、当時の権力に不満を抱えていた学生の多さと東大紛争の影響がいかに大きかったかを表していると言えます。また、事件の影響により、69年の入試は中止となり、次年度の入学者が０人という事態となりました。

東大ポポロ事件とは、東京大学の公認学生団体「ポポロ劇団」が演劇発表会を行なった際に、学生が会場にいた私服警官を取り調べたところ、所持していた手帳から警察官のスパイ行為が発覚。警察手帳のメモから少なくとも1950年7月以降から警察が東大内を張込・尾行をして学生の思想動向等の調査を行っていたことが判明したことから暴行を加えた事件。日本において大学の自治に関する最高裁判所判例をもたらした事件であり、日本国憲法第23条に保障する学問の自由及びそこに含まれる大学の自治が問題となった有名な事件です。

一審は、被告人学生の行為が大学の自治を守るためのものであるゆえに正当であるとし、学生を無罪とし、二審（東京高等裁判所昭和31年5月8日）も一審を支持したため、検察が上告。最高裁判所大法廷は昭和38年5月22日、学問の自由と施設の利用は、学術の中心として深く真理を探求し、専門の学芸を教授研究する目的にのみ認められ、本件集会は、真に学問的な研究と発表のためのものでなく、実社会の政治的社会的活動であるため、警察官が立ち入ったことは、大学の学問の自由と自治を犯すものではないとし、審理を東京地方裁判所に差戻しました。結果として懲役6か月と4か月、執行猶予2年の逆転有罪判決が言い渡されました。

このとき有罪判決を受けた3人のうち一人である千田謙蔵氏は、のちに秋田県横手市で市長を務めています。2002年、勲三等瑞宝章受章、2008年8月5日、千田ら秋田県内で市町村長を経験した8名が呼びかけ人となり、｢政党政派をこえ、九条を守る｣ことを目的として「憲法九条を守る秋田県市町村長の会」を結成しています。

2012年7月27日、東京大学二年生の男子学生がサークル「グリーンテニスクラブ」のコンパで大量に飲まされた末に放置され、亡くなるという死亡事件が発生し、両親が学生二十一名の責任を問う民事訴訟を提起しました。男子学生が前任の先輩から指名されて引き継いだ、グリーンテニスクラブの「コンパ長」という職責は、週４回の練習後、ほぼ毎回行なわれるコンパの準備や進行に加え、率先して飲んで場を乗り上げる役目。この男子学生は酒が好きなわけでも強いわけでもなく、家ではまったく飲まなかったが、指名を断われなかったという。