生年月日：1917年〈大正6年〉11月3日
死没日：1923年〈大正12年〉9月1日

師正王（もろまさおう） は、日本の皇族で、東久邇宮稔彦王の第2王男子です。母は、明治天皇第9皇女子・聰子内親王。兄に陸軍少佐盛厚王、弟に粟田彰常侯爵、多羅間俊彦がいます。

1923年（大正12年）9月1日、関東大震災で被災し薨去。避暑滞在中の神奈川県高座郡藤沢町大字鵠沼の吉村鉄之助別荘に滞在しており、まだ満5歳でした。遺骸は、鵠沼在住の退役海軍大佐・松岡静雄の手配により、駆逐艦夕凪にて8日午後3時に芝浦に到着した。鵠沼海岸には、師正王の関東大震災遭難記念碑があります。

生年月日： 1897年4月14日
出生地： 東京都
死亡日： 1923年9月1日

富田木歩は、大正期の俳人で、誕生の翌年、高熱のため両足が麻痺し生涯歩行不能となってしまいます。富田木歩は歩行不能、肺結核、貧困、無学歴の四重苦に耐えて句作に励み、「大正俳壇の啄木」と言われ将来を嘱望されました。

関東大震災が発生した当時、富田木歩は浅草の土手に投げ出されていました。歩行不能な富田木歩を、俳句仲間の新井声風が背負いなが逃げ回りますが、行く手をすべて火災に阻まれ、川を泳いで渡るしか生きる道はなくなりました。そこで新井声風は「木歩君、許して下さい。もう此処まで来ては、どうにもなりません」という言葉を残して対岸の竹屋の渡し付近に辿り着きます。振り返ると向島の土手を火の旋風のはしるのが見え、次の瞬間、土手の人影は消し去られていたそうです。木歩は焼死し、26歳の生涯を閉じました。

生年月日： 1846年8月14日
出生地： 徳島県 上板町
死亡日： 1923年9月1日

松岡康毅は、日本の司法官僚・政治家で、従一位勲一等男爵です。検事総長、農商務大臣、貴族院議員を歴任、日本法律学校第2代校長、日本大学初代学長・初代総長をつとめました。学問的遺業の中には拷問制度の廃止と裁判所構成法を中心とする訴訟制度近代化の提唱が特筆されています。

1922年（大正11年）3月に日本大学に総長制度を導入し、初代総長に就任しますが、翌年1923年（大正12年）9月1日に葉山別邸で関東大震災に遭い、死去しています。享年78歳でした。

生年月日： 1906年2月21日
出生地： 東京市
死亡日： 1923年9月1日

寛子女王は、日本の皇族で、閑院宮載仁親王の第4女子です。母は、三条実美公爵令嬢・智恵子で、身位は女王で、皇室典範における敬称は殿下です。

1923年（大正12年）9月1日、関東大震災の際、神奈川県小田原市の閑院宮御別邸に父・載仁親王、母・智恵子妃および妹・華子女王と滞在中、御別邸が倒壊し、その下敷きとなって薨去しました。まだわずか17歳でした。遺体は、駆逐艦夕凪で4日夜に芝浦に運ばれ、同年9月10日に閑院宮邸で午前7時に告別ノ儀を、引き続き東京都文京区の豊島岡墓地にて埋柩ノ儀が執り行われ、午前9時30分に済まされました。

生年月日： 1903年3月30日
出生地： 京都府
死亡日： 1923年9月1日

武彦王妃 佐紀子女王は、日本の皇族で、賀陽宮邦憲王と同妃好子の第2王女子にして山階宮武彦王の妃です。1921年（大正10年）2月、山階宮武彦王と婚約が内定したと報じられましたが、複数回延期されます。1922年（大正11年）7月19日午前9時に結婚の儀を執り行い、山階宮武彦王と結婚しました。

翌1923年（大正12年）9月1日、佐紀子女王は第1子を懐妊し、母・好子妃とともに神奈川県鎌倉市の由比ヶ浜別邸で静養していたところ、関東大震災で別邸が崩壊し、圧死してしまいます。佐紀子女王を守ろうと、好子妃や侍女、そして侍医が身を重ねたが、間もなく建屋が崩壊。瀕死の侍医に、好子妃はその死が「国家の損失である」と声をかけ、侍医はその言葉に感謝しつつ絶命したそうです。