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23位:山中事件

死刑判決から無罪

死刑判決から無罪

山中事件とは1972年に石川県江沼郡山中町(現:加賀市山中温泉)で発生した殺人事件、および冤罪事件です。主犯として起訴された男性は、刑事裁判の第一審(金沢地裁)・控訴審(名古屋高裁金沢支部)で死刑判決を言い渡されましたが、最高裁での破棄差戻し判決を経て、最終的に無罪が確定しました。

22位:飯塚事件

冤罪が疑われる中での死刑執行

冤罪が疑われる中での死刑執行

飯塚事件は、1992年2月20日に福岡県飯塚市で2人の女児が行方不明になり、翌21日に同県甘木市(現:朝倉市)の八丁峠で他殺体となって発見された事件です。事件から2年後の1994年、久間三千年が殺人などの被疑者として逮捕されました。その後略取誘拐・殺人・死体遺棄の罪で起訴され、2006年に最高裁で死刑判決が確定。2008年10月28日、福岡拘置所で死刑が執行されました(70歳没)。久間と妻は冤罪を主張しており、執行後の2009年に1度目の再審請求がされましたが、2021年に請求棄却が確定。現在は2度目の再審請求がされています。

21位:氷見事件

「当時の取り調べ捜査官、担当検事を恨んでいません」などという内容の調書を意思に反して作成させられた

「当時の取り調べ捜査官、担当検事を恨んでいません」などという内容の調書を意思に反して作成させられた

氷見事件とは、2002年1月14日と3月13日に富山県氷見市で相次いで発生した強姦および強姦未遂事件であり、犯人としてタクシー運転手の男性が誤認逮捕された冤罪事件です。タクシー運転手の男性は懲役3年の有罪判決を受けて服役しましたが、2006年に真犯人の男が見つかり、冤罪となりました。冤罪が判明した後、富山地検に呼び出され、「当時の取り調べ捜査官、担当検事を恨んでいません」などという内容の調書を意思に反して作成させられた上、タクシー運転手の男性が知らないはずの事件の詳細についての自白書類が富山県警により捏造され、署名・指印させられたことが判明しています。

20位:宇和島事件

警察のずさんな誤認捜査

警察のずさんな誤認捜査

宇和島事件は、捜査機関の誤認逮捕で無罪の男性を1年余も勾留した冤罪事件である。冤罪と判明したのは真犯人が隣県で自白したためであり、愛媛県警および検察の対応が批判されました。警察のずさんな誤認捜査が判明したにも関わらず、愛媛県警は「捜査自体に違法性は無かった」として、担当の警察官を処分しないことを発表。松山地検も「起訴に法的な誤りは無かった」と強調し、警察・検察のどちらも責任をとろうとしなかった。愛媛県の男性は刑事補償を請求をし482万5000円が交付されたが、勾留中に失職したことなどを理由に、国と県を相手に慰謝料など約1000万円の支払いを求める国家賠償請求訴訟を起こす。裁判では県が500万円と国が100万円の計600万円の和解金を男性に支払うことで和解しました。

19位:東住吉事件

取調べの際に拷問による自白の強要

取調べの際に拷問による自白の強要

東住吉事件とは大阪府大阪市東住吉区で1995年7月22日に発生した火災事故とそれに伴う冤罪事件で、母親及び内縁の夫の犯行であるとして無期懲役刑が確定したが、後に再審で無罪が確定しました。警察は2人が長女を殺害したとして取調べ、連れ子保険金詐取目的で長女を殺害したとの供述調書を作成し、その旨を報道機関に公表。これに対し、2人はこの取調べの際に拷問による自白の強要があり、警察の推定に合致する供述をさせられたと主張しました。

18位:草加事件

5人を初等・中等少年院へ送致し、1人を児童相談所に送るという保護処分

5人を初等・中等少年院へ送致し、1人を児童相談所に送るという保護処分

草加事件とは、1985年7月19日に埼玉県草加市の残土置き場で同県八潮市在住の中学3年女子生徒の絞殺体が発見され、その容疑者として草加市在住の13〜15歳の少年5人が逮捕、1人が補導された事件です。逮捕された5人は少年審判で犯行を否認したが、浦和家庭裁判所は同年9月、5人を初等・中等少年院へ送致し、1人を児童相談所に送るという保護処分を出した。少年らは抗告したが東京高等裁判所は抗告を棄却、最高裁判所も1989年7月に再抗告を棄却し、同処分が確定しました。

民事では事実上の無罪判決

民事では事実上の無罪判決

その後、被害者の両親が上述の少年らの親権者を相手取り損害賠償を求めた民事訴訟では、1993年3月に浦和地裁で事実上の無罪判決(原告の請求棄却)、1994年11月に東京高裁で少年らの自白は信用できるとして事実上の有罪判決(原告の請求を一部認容)が下された。そして、2000年2月に最高裁は自白の信用性を認めた高裁の判断には誤りがあるとして、被告の敗訴部分を破棄し、東京高裁に差し戻した。差戻し審では、2002年10月、自白に秘密の暴露がないこと、本件においては血液型はAB型であったと認めるほかはないなどの理由から「少年らの犯罪を裏付けるに足りる証拠が無い」として、事実上の無罪判決(原告の請求棄却)が下された。このように当該事件では、民事裁判によって刑事裁判とは異なる事実上の無罪判断が出るという異例の展開になりました。

17位:舞鶴高1女子殺害事件

無期懲役から逆転無罪

無期懲役から逆転無罪

舞鶴高1女子殺害事件とは、2008年5月に京都府舞鶴市で発生した殺人事件です。警察は防犯カメラに写っていたと思われる男性を逮捕。2010年12月21日、23回の公判前整理手続を経た上で、初公判が京都地裁で開かれ、状況証拠の積み重ねだけで、直接の物証がない事件としても注目が集まりました。第一審では無期懲役、控訴審で逆転無罪、最高裁で無罪が確定します。

16位:鹿児島夫婦殺し事件

1986年4月、判決差戻審判において無罪判決

1986年4月、判決差戻審判において無罪判決

鹿児島夫婦殺し事件とは、1969年1月15日に鹿児島県鹿屋市下高隈町で発生した殺人事件とそれによって生じた冤罪事件です。事件から3ヶ月後、被害者らの知人であった男性が犯人と疑われ、詐欺で別件逮捕されました。その後、警察による長期間の身柄拘束の末に犯行を自白。夫婦両名に対する殺人罪(併合罪)で起訴されます。第一審・控訴審で懲役12年(求刑は懲役15年)の有罪判決が出ますが、最高裁判所(最判昭和57・1・28刑集36巻1号67頁)が法令違反及び重大な事実誤認を理由に判決を破棄し、第二審の福岡高等裁判所宮崎支部に差戻し。1986年4月、判決差戻審判において無罪判決が言い渡されました。

15位:志布志事件

異例の長期勾留と、違法な取り調べを行った事件

異例の長期勾留と、違法な取り調べを行った事件

志布志事件(しぶしじけん)は、2003年(平成15年)4月13日投開票の鹿児島県議会議員選挙(統一地方選挙)の曽於郡選挙区で当選した中山信一県議会議員の陣営が、鹿児島県曽於郡志布志町(現・志布志市)の集落で、住民に焼酎や現金を配ったとして、中山やその家族と住民らが公職選挙法違反容疑で逮捕された事件を巡る捜査において、鹿児島県警察捜査第二課・統一地方選公選法違反取締本部が、自白の強要や、数か月から1年以上にわたる異例の長期勾留と、違法な取り調べを行った事件です。この集落は、自民党所属で当選7回(当時)の鹿児島県議会議員・森義夫が強固な地盤を築いていたことで知られていた。森は捜査を指揮した警部(当時)と20年来の親交が有り、捜査開始前に警部が森を訪ねただけでなく、度々情報交換を行っていたことが取材により判明しています。

14位:一家四人死刑事件

一家4人死刑から、長男のみ死刑に

一家4人死刑から、長男のみ死刑に

一家四人死刑事件は、1914年に新潟県中蒲原郡横越村で発生した殺人事件です。一審の新潟地裁では一家4人による共犯として、被害者の妻と義母、そして2人の息子の全員に死刑判決が下されました。しかし、東京控訴院での控訴審では一転して被害者長男による単独犯と認定され、他の3人の判決は無罪へと覆りました。1人死刑を維持された長男は、事件は外部犯によるものとして大審院へ上告するも棄却され、その後も冤罪を訴え続けましたが1917年(大正6年)に処刑されました。

13位:佐賀女性7人連続殺人事件

長期間に渡って被疑者を拘束した上での取り調べなど佐賀県警察の杜撰な捜査が指弾

長期間に渡って被疑者を拘束した上での取り調べなど佐賀県警察の杜撰な捜査が指弾

佐賀女性7人連続殺人事件とは、1975年から1989年までに佐賀県で7人の女性が殺害された事件。犠牲者のうち6人が水曜日に失踪している事から「水曜日の絞殺魔事件」とも呼ばれました。このうち3人が殺害された事件は「北方事件」と呼ばれ、覚せい剤取締法違反で別件逮捕された当時26歳の男性が起訴されました。物証の乏しさや上申書の証拠価値の無さ(限度を越えた取り調べの上で担当者の誘導により作成されたと認定)などにより、男性に無罪が言い渡され、長期間に渡って被疑者を拘束した上での取り調べなど佐賀県警察の杜撰な捜査が指弾されました。

12位:綾瀬母子殺人事件

3少年が冤罪で無罪

3少年が冤罪で無罪

綾瀬母子殺人事件とは1988年11月16日、東京都足立区綾瀬で発生した母子強盗殺人事件です。警視庁は翌年の1989年4月25日に、事件現場である被害者の自宅の近所に在住するA(当時16歳)・B(当時15歳)・C(当時15歳)の3人を被疑者として逮捕。1989年5月16日、検察官は、Aは主導的立場の殺人実行犯と見なして逆送致による刑事処分、Bは従属的立場の殺人実行犯と見なして長期の少年院送致、Cは従属的立場の幇助犯と見なして短期の少年院送致が適切な処遇であるとの意見を付けて、3人を家庭裁判所に送致し、3人の身柄は警察の留置場から少年鑑別所に移管されました。1989年9月12日、東京家庭裁判所はA・B・Cの3人に対して、物証が不一致であることと、被疑者3人が事件当時に事件現場に不在だった証明により、検察官の主張は証拠能力が無く、供述の任意性も信用性も無く、真実ではないと判断し、A・B・Cと付添人の弁護人の主張のとおり、少年3人は無実であると判断して、刑事裁判の無罪に相当する不処分の決定をしました。

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