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21位:埼玉医科大学病院抗がん剤過剰投与事件

21位:埼玉医科大学病院抗がん剤過剰投与事件

2000年9月、右あご下腫瘍治療のために埼玉医科大学総合医療センターに入院した埼玉県鴻巣市の女子高生(当時16歳)が、化学療法の一つである「VAC療法」(硫酸ビンクリスチン・アクチノマイシンD・シクロフォスファミドを組み合わせる療法)を受ける際、硫酸ビンクリスチン2mgを週1回・12週間にわたって投与されるべきところを、医師の文献の誤読により1週間連続で投与されました。その結果、患者は同年10月7日に多臓器不全で死亡しました。事故後、医師による説明に不信感を持った両親が埼玉県警察に110番通報をし、事件が発覚しました。

診療科長に禁固1年執行猶予3年、指導医に禁固1年6ヶ月執行猶予3年

診療科長に禁固1年執行猶予3年、指導医に禁固1年6ヶ月執行猶予3年

埼玉県警は、主治医、診療科長であった同大教授、指導医、研修医の4人を業務上過失致死の疑いで書類送検した。研修医以外の3人については死亡診断書にうその記載をした虚偽診断書作成・同行使容疑も加えられた。さいたま地検は、主治医、指導医、教授の三名を業務上過失致死罪で起訴した。しかし虚偽の死亡診断書作成については刑事責任を問われず、診療科長に禁固1年執行猶予3年、指導医に禁固1年6ヶ月執行猶予3年の有罪判決が言い渡されました。

20位:八王子市歯科医師フッ化水素酸誤塗布事故

20位:八王子市歯科医師フッ化水素酸誤塗布事故

八王子市歯科医師フッ化水素酸誤塗布事故とは、1982年に東京都八王子市で発生した医療事故です。歯科治療用のフッ化ナトリウム(NaF)と間違えて、歯科技工用かつ毒物のフッ化水素酸(HF)を歯に塗布された女児が死亡しました。

禁錮1年6ヶ月、執行猶予4年の有罪判決

禁錮1年6ヶ月、執行猶予4年の有罪判決

1982年4月20日、八王子市内にある歯科医院において、虫歯予防のために来院していた女児に「フッ化ナトリウム」を塗布するつもりが、毒物である「フッ化水素酸」を誤って塗布したことが原因で死亡しました。事故後、当該歯科医師が業務上過失致死罪で在宅起訴され、1983年2月24日、禁錮1年6ヶ月、執行猶予4年の有罪判決を受けました。更に、歯科医師と妻は責任を全面的に認め、慰謝料を支払うことで示談が成立しました。フッ化水素酸は工業用途としては非常に重要なものではある一方、酸としてはそれほど強力でないものの、フッ化物イオンがカルシウムやマグネシウムと結合して全身症状を起こすなど、人体にとっては有害な物質として知られています。

19位:和田心臓移植事件

19位:和田心臓移植事件

和田心臓移植事件とは、1968年8月8日に札幌医科大学で行われた、日本初の心臓移植手術をめぐる事件です。和田寿郎を主宰とする札幌医科大学胸部外科チームは、1968年8月8日に、日本初、世界で30例目となる心臓移植手術を実施しました。ドナーは21歳の溺水事故を起こした男子大学生で、レシピエントは心臓弁膜症の18歳の男子高校生で、和田によれば、多弁障害を抱え人工弁置換術では根治できないとされる患者でした。

殺人罪、業務上過失致死罪、死体損壊罪のすべてで嫌疑不十分で不起訴

殺人罪、業務上過失致死罪、死体損壊罪のすべてで嫌疑不十分で不起訴

レシピエントは手術後83日目の10月29日に食後に痰を詰まらせ長時間にわたる蘇生術の甲斐もなく急性呼吸不全で死亡したと医師団により発表されました。その後、和田がドナーとレシピエント双方の主治医を務めていたこと、また心臓外科医である彼が、専門外の脳死判定を行ったことが問題視され、ドナーが本当に脳死だったのか疑う声も出始めます。一方、レシピエントの死後、彼の元の心臓が3ヶ月以上にもわたって行方不明になり[要出典]、病理解剖学者の手元に渡ったときには、検索前にもかかわらず、何者かが心臓中央部から切断しており、さらには4つの弁もばらばらに摘出されて、心臓移植適応かどうかで問題になっていた大動脈弁が心臓の切り口に合わず他人のものの可能性があるなど不可思議な事実が次々と明らかになります。

1968年12月、和田心臓移植は大阪の漢方医らによってついに刑事告発される。1970年夏に捜査が終了し、告発された殺人罪、業務上過失致死罪、死体損壊罪のすべてで嫌疑不十分で不起訴となり、彼はその後胃癌を発症し、これが原因で心臓手術の5ヶ月後に亡くなっていたため本人への確認は不可能になりました。

18位:レーシック手術集団感染事件

18位:レーシック手術集団感染事件

この事件は2008年9月から2009年2月にかけて、東京都中央区にある「銀座眼科」でレーシック手術を受けた患者のうち、かなりの高い割合で感染性角膜炎などを発症、その中には入院した被害者も2人いました。同院では破格の安値でレーシック手術を行っていたが、同院の院長は、経済的利益と施術数を増やしたいなどの理由から、時間がかかる洗浄や滅菌などの衛生管理を怠り、使い捨ての器具も使い回すようになり、さらには手術前の手洗いさえも怠り、手袋を装着せずに手術をしていました。

5人に不正乱視など後遺症が出る細菌性角膜炎を発症させたとして起訴

5人に不正乱視など後遺症が出る細菌性角膜炎を発症させたとして起訴

2009年2月に中央区保健所の立ち入り調査で集団感染が発覚し、2010年12月7日、警視庁は元院長を業務上過失傷害の容疑で逮捕。その後、5人に不正乱視など後遺症が出る細菌性角膜炎を発症させたとして起訴しました。この事件いついて被害者らによって集団訴訟が提起され、原告の弁護士らの思慮によって被害者参加制度が利用され、それも手伝って被告への実刑判決につながったと言われいてます。

17位:ブルーボーイ事件

17位:ブルーボーイ事件

ブルーボーイ事件とは、1964年に十分な診察を行わずに性転換手術(現在の性別適合手術)を行った産婦人科医師が、1965年に麻薬取締法違反と優生保護法違反により逮捕され、1969年に有罪判決を受けた事件です。優生保護法違反の方が重い量刑を下されました。当時の優生保護法第28条「何人も、この法律の規定による場合の外、故なく生殖を不能にすることを目的として手術又はレントゲン照射を行ってはならない」に違反したものとされました。

性転換手術を受けた後に売春をする戸籍上の男性たちが急増

性転換手術を受けた後に売春をする戸籍上の男性たちが急増

医師は、当時ブルーボーイと呼ばれていた男娼の職にある20歳代の戸籍上の男性3人に対して、1964年に相次いで性転換手術を行いましたが、この際、今日の性同一性障害の診療で行われているような、「本当に手術の必然性があり、それは個人の嗜好や職業上の利得を動機とするものではない」という判断を下すに足る十分な精神科的診察を行いませんでした。当時は売春の取り締まりが社会的な課題となっていた時期でした。その中で、少数ながら、性転換手術を受けた後に売春をする戸籍上の男性たちがいた。彼らは法的には「男性」として扱われるため十分に取り締まることができず、警察や関連機関は何らかの形で「元を断つ」必要性を感じていたことが背景にありました。。

16位:福島県立大野病院産科医逮捕事件

16位:福島県立大野病院産科医逮捕事件

福島県立大野病院産科医逮捕事件は、2004年12月17日に福島県双葉郡大熊町の福島県立大野病院で帝王切開手術を受けた産婦が死亡したことにつき、手術を執刀した同院産婦人科の医師1人が、刑法の業務上過失致死傷罪と医師法違反の容疑で2006年2月18日に逮捕、翌月に起訴された事件です。

特別弁護人として、現役の医師が選定された極めて珍しい裁判

特別弁護人として、現役の医師が選定された極めて珍しい裁判

2008年(平成20年)8月20日、福島地方裁判所は、被告人の医師を無罪とする判決を言い渡し、福島地方検察庁が仙台高等裁判所への控訴を断念したため、確定判決となった。医師は起訴休職中であったが、無罪を受けて同病院に復職した。マスメディアによる報道では「大野病院事件」といった呼称も用いられている。また特別弁護人として、現役の医師が選定された極めて珍しい裁判でした。

15位: 杏林大病院割りばし死事件

15位: 杏林大病院割りばし死事件

杏林大病院割りばし死事件とは、1999年7月10日に東京都杉並区で綿菓子を食べていた男児が転倒して、喉を割り箸で深く突き刺し、その後死亡した事故。単に割り箸事件とも呼ばれる。その後、刑事・民事訴訟で医師の過失の有無が争われたが、いずれも医師に過失はなく男児の救命は不可能であったとの判決が下りました。刺さったときに割り箸は折れたが、男児は自力で割り箸を引き抜き、引き抜いた割り箸の所在は不明となっていました。

司法解剖で初めて喉の奥に深々と割り箸の破片が刺さっており、小脳まで達していたことが判明

司法解剖で初めて喉の奥に深々と割り箸の破片が刺さっており、小脳まで達していたことが判明

三鷹市の杏林大学医学部付属病院高度救命救急センターに救急搬送され、医師は母親から「転んで割り箸で喉を突いた」旨を説明されたが、割り箸が折れた事実は誰からも知らされなかった。医師は受傷部位を視診・触診したが、傷口の深さは不明だったが、裂傷があるものの小さく止血されており、硬いものなどが触れることもなかった。救急車内や待合室で嘔吐はあったものの意識・呼吸に問題なく、四肢の麻痺など神経症状もなかったことから、医師は軽傷と判断して帰宅。しかしその後容体が急変し、男児は死亡しました。

その後の司法解剖で初めて喉の奥に深々と割り箸の破片が刺さっており、小脳まで達していたことが判明しました。救急医療においては、日本では元々救急専門医が少なく、こわごわと働く非救急専門医によって支えられている現状があるが、この事件を期に、医師は自分も犯罪者として糾弾される可能性があると考えるようになり、専門外の診療を避ける傾向が強まりました。

14位:東海大学安楽死事件

14位:東海大学安楽死事件

東海大学安楽死事件とは、病院に入院していた末期がん症状の患者に塩化カリウムを投与して、患者を死に至らしめたとして担当の内科医であった大学助手が殺人罪に問われた、平成3年の刑事事件です。裁判で医師による安楽死の正当性が問われました。

助手は殺意を持って、塩酸ベラパミル製剤を通常の二倍量を注射

助手は殺意を持って、塩酸ベラパミル製剤を通常の二倍量を注射

患者は多発性骨髄腫のため、東海大学医学部付属病院に入院していた。病名は家族にのみ告知されていた。1991年4月13日、昏睡状態が続く患者について、妻と長男は治療の中止を強く希望し、助手は、患者の嫌がっているというフォーリーカテーテルや点滴を外し痰引などの治療を中止した。長男はなおも「早く楽にしてやってほしい」と強く主張。医師はこれに応じて、鎮痛剤、抗精神病薬を通常の二倍の投与量で注射。しかしなおも苦しそうな状態は止まらず、長男から「今日中に家につれて帰りたい」と求められた。そこで助手は殺意を持って、塩酸ベラパミル製剤を通常の二倍量を注射したが、脈拍などに変化がなかったため、続いて塩化カリウム製剤20mlを注射した。患者は同日、急性高カリウム血症に基づく心停止により死亡させられました。

13位:美容整形外科医わいせつ事件

13位:美容整形外科医わいせつ事件

美容整形外科医わいせつ事件とは、2021年と2022年に東京都江戸川区の美容外科クリニック「東京ミッドクリニック」で発生した連続わいせつ事件です。クリニックの院長だった男性医師の竹沢章一(1回目逮捕時42歳)が、部下や患者の女性ら少なくとも7人に対して、睡眠薬や麻酔で眠らせた上で性的暴行をはたらきました。捜査関係者によると、犯行の様子がスマートフォンで撮影されており、約20人の患者が同様の被害に遭ったとみられています。

従業員、患者など7人に対する性的暴行

従業員、患者など7人に対する性的暴行

判明している事件は7件で、部下に対しては上司の立場を利用して食事やカラオケに誘い、睡眠薬・麻酔薬(デートレイプドラッグ)を飲食物に混入するなどして眠らせていたそうです。患者に対しては手術で全身麻酔をかけて眠らせていたことがわかっています。

12位:都立広尾病院事件

12位:都立広尾病院事件

都立広尾病院事件は、1999年2月11日に東京都立広尾病院で発生した医療事故事件です。1999年2月11日、東京都立広尾病院で手術を終了した58歳女性が、抗生剤点滴を受け終わった後に、消毒液を血液凝固阻止剤と取り違えて点滴されたために「胸が苦しい。息苦しくなってきた。手もしびれてきた」と言葉を残しながら死亡する事件が発生しました。

通夜前に死亡患者の右手の静脈が異状になっているのを遺族が発見

通夜前に死亡患者の右手の静脈が異状になっているのを遺族が発見

通夜前に死亡患者の右手の静脈が異状になっているのを遺族が発見して、消毒薬が注入されたと察知(被害者の次男が医師であったことが早期の事態認識につながった)。遺族は病院責任者らに死亡原因を問うも、解剖結果など誤薬注入とは断定できないという回答を繰り返したため、遺族は不信感を募らせた。遺族は強い要求をしたため、2月22日に病院側はようやく事故を警察に届け出た。だが3月16日に報道され、病院側が記者会見した際に「非公表は遺族の意向だった」と虚偽の説明をするなど対応に誠意がなかったことが、遺族の不信感を増大させました。点滴ミスをした看護師2人が業務上過失致死罪で禁錮1年執行猶予3年と禁錮8ヶ月執行猶予3年の有罪判決が確定し、それぞれ看護業務停止2ヶ月と1ヶ月となった。主治医は異状死体届出義務違反の略式起訴で罰金2万円となり、医業停止3ヶ月となりました。

11位:爪切り事件

11位:爪切り事件

爪切り事件とは、2007年6月に福岡県北九州市の北九州八幡東病院の看護師が同病院に入院中の患者の爪を剥がしたと誤認され傷害罪で逮捕された事件。控訴審で正当な医療行為であったと認められ無罪判決となりました。

無罪判決

無罪判決

2007年6月に北九州八幡東病院で看護師の内部告発により、看護師が認知症の高齢者の爪を剥いだとし、「意思疎通が困難な患者に対し、家族、医師、同僚に知らせずに出血を伴う行為をすることは医療倫理に反する」とし、高齢者虐待が疑われる事案と発表しました。同年7月に傷害罪で逮捕。入院中の89歳女性と70歳女性の計2人の足の爪計3枚を深く切り、出血を伴う約10日の怪我をさせた傷害罪で起訴された。北九州市の第三者機関・尊厳擁護専門委員会が看護師による爪切りを虐待認定。しかし高裁は有罪とした地裁判決を支持せず、看護行為として必要性があり、手段や方法も相当であり正当業務行為として違法性が阻却されるとして無罪判決を言い渡しました。

10位:生体腎移植臓器売買仲介事件

10位:生体腎移植臓器売買仲介事件

生体腎移植臓器売買仲介事件とは、暴力団が臓器売買を仲介していた事件です。事件には暴力団関係者による仲介もあったとされ、臓器移植を巡る不正に暴力団関係者が関与したことが明らかになった初のケースとなりました。

「人工透析をしても体調は良くならない。」「長生きできないと思った。」

「人工透析をしても体調は良くならない。」「長生きできないと思った。」

同開業医は03年に慢性腎不全と診断され、07年2月には移植希望者として日本臓器移植ネットワークに登録して死体腎移植を待っていました。しかし、移植の順番が回ってこず、「人工透析をしても体調は良くならない。」「長生きできないと思った。」などと犯行の動機を語っています。死体腎移植の他に、親族間での生体腎移植は認められているため、養子縁組を偽装して生体腎移植を受けようとしたというのである。事件の背景には、移植希望者に対してドナーの数が圧倒的に少ないという現実があります。日本においては、死体腎移植の順番が回ってくるまでに15年かかるとも言われ、同開業医のような焦燥感を抱く者も多かったと考えられます。

9位:慈恵医大青戸病院事件

9位:慈恵医大青戸病院事件

慈恵医大青戸病院事件とは、2002年に発生した医療過誤事件です。東京慈恵会医科大学附属青戸病院で前立腺ガンの手術を受 けた男性が手術中に大量に出血して死亡した事件で、逮捕 された医師三人がきょう業務上過失致死の罪で起訴されたものです。

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