『バットマン vs スーパーマン　ジャスティスの誕生』にも登場した人気キャラクターで、美女戦士ワンダーウーマンを主人公にしたアクションで。女性だけの一族出身で男性を見たこともないプリンセスがたどる運命を描いています。

主演のイスラエル人女優ガル・ガドットが、SNSでイスラエル軍を称賛するような投稿をしたということから、イスラエルと敵対関係にあるレバノンで上映が禁止されました。

アーリア人による“第三帝国”の構築を夢み、朽ち果てた独裁者ヒトラー。その謎とされた最期を、綿密な調査を基に1945年4月20から29日12時45分までの十日間を再現することにより描かれた歴史映画。巧みに演出されたナチスの壮大なセレモニーや、戦火にさらされたベルリンの様子、エヴァ・ブラウンとの結婚などの様々な興味深い記録。連合軍により徐々に追い込まれてゆく“独裁者”の姿をＡ・ギネスが見事に演じた佳作です。

しかしヒットラーの人物描写が人間的過ぎるという理由から、イスラエルでは上映禁止となりました。

世界中でベストセラーになっているダン・ブラウンの同名小説を映画化した超大作ミステリー。レオナルド・ダ・ヴィンチの名画に秘められた謎を、アカデミー賞俳優のトム・ハンクス演じるロバート・ラングドンが解き明かしていきます。

この作品は宗教的な理由から様々な国で問題となり、特にイエス・キリストが結婚して子供を作っていたという設定は、カトリック教会の指導者らからも痛烈に非難されたばかりか、世界各地で信者による抗議運動が起き、サモア独立国をはじめ、スリランカやタイ、中国、エジプト、レバノンなどでは国内のキリスト教団体の要請によって、またムスリム国家であるパキスタンやヨルダンなどでは宗教に対する冒涜だとして上映が禁止されています。

マーガレット・ランドンの伝記小説「アンナとシャム王」を原作とするブロードウェイの大ヒット舞台を映画化し、1957年・第29回アカデミー賞で5部門に輝いた名作ミュージカルです。

しかしタイでは王室の権威が絶対視されていることから、本作におけるシャム王の描写が不敬罪に当たるとして、今もなお上映が禁止されたままになっています。

ニコス・カザンザキスの原作を基に、神の予言者としての役割と、1人の人間としての欲求との狭間で悩むキリストの姿を描いています。しかしアメリカをはじめとする各国のキリスト教系団体から猛抗議を受け、アルゼンチンやギリシャ、トルコ、メキシコ、フィリピン、チリ、シンガポールなど、伝統的に信仰の厚い保守的な国々では上映禁止となっています。

ジャン・ルノワールが第1次世界大戦下のドイツ捕虜収容所を舞台に様々な国籍や年齢、階級の人々が繰り広げる人間模様を描き、外国語映画として初めてアカデミー作品賞にノミネートされるなど世界的に高く評価された反戦映画の傑作です。日本やドイツ、イタリアなどファシスト国家では反戦的人道的内容が批判され、内容が不適切だとして上映禁止されました。

ネクロフィリア（死体愛好）の主人公を描き、過激な描写で話題となったホラー。欲望を満たすため、死体清掃会社で働き、持ち帰った死体をコレクションする男とガールフレンドの行く末が描かれています。

内容とあまりのグロテスクぶりにイギリスやオーストラリア、ニュージーランド、ノルウェー、フィンランド、シンガポール、マレーシアなど世界各国で上映禁止され、本国ドイツ（当時は西ドイツ）ではあえて検閲を通さず、ポルノ映画館で上映されました。しかし続編がビデオ発売された際にユルグ・ブットゲライト監督が警察の強制捜査を受け、どちらの作品もビデオやフィルムが押収されてしまいます。

『春の調べ』は、1933年にチェコスロバキアの監督グスタフ・マハティが監督した映画作品です。 ヘディ・ラマーがヘディ・キースラー名義で出演したことでも知られていますが、全裸で泳ぐ場面 があったため、当時は議論を巻き起こしました。世界で初めてセックスを描いた映画とされ、アメリカでは検閲自体を拒否されたために一般公開出来ず、ナチス政権下のドイツでも上映が禁止されました。

『戦艦ポチョムキン』は、1925年に製作・公開されたソビエト連邦のサイレント映画。セルゲイ・エイゼンシュテイン監督の長編第2作で、「第1次ロシア革命20周年記念」として製作されました。しかし、海外では共産主義的な内容から検閲によって上映禁止や、多くの場面をカットして上映されることとなり、日本では、1926年に横浜港にフィルムが渡ったが、共産主義プロパガンダが含まれているとみなされ検閲で輸入禁止となり、終戦まで政府により上映禁止措置が取られました。

イングマール・ベルイマンの「処女の泉」をベースに、今ではホラー界の巨匠としての地位を確立した「エルム街の悪夢」のW・クレイヴンと「13日の金曜日」のカニンガムが、共に名を上げる前に製作した興味深い一作です。

娘をレイプされたうえに殺害された両親の復讐を描いていますが、その容赦ない暴力描写と残酷描写が世界中の映画監督に影響を与え、各国の検閲では問題となり、中でも暴力描写に厳しいイギリスでは上映禁止になっています。

人肉を食べる〈食人族〉が生棲するという南米ブラジルとペルーの国境、アマゾンの上流の未開発地に探険に赴いたアメリカ人四人グループが残したショッキングなフィルムと、新たに撮影された原地人の非文明的な行動を構成したドキュメンタリー映画です。

特に問題視されたのは、撮影のためサルやカメなどの動物を本当に殺していること。また、特殊メイクがあまりにもリアルだったため、実際に人を殺したのではないかと疑われ、ルッジェロ・デオダート監督が告訴されるという事態にまで発展した問題作です。

第二次大戦末期、ナチ占領下の北イタリア。郊外の屋敷を舞台に、ファシスト達が少年少女にあらんかぎりの変態行為を尽くすというショッキングな作品。マルキ・ド・サドの『ソドムの120日』を元に、これが遺作となったイタリア映画界の奇才パゾリーニが、男色、スカトロ、拷問といった異常行為を徹底的に描写。時代の狂気と自身の最後をフィルムに焼き付けました。

「巨匠、ついに狂ったか？」とまで言わしめた残酷絵巻で、本国イタリアでは公開直後に上映が禁止されたほか、イギリスやオーストラリア、ニュージーランド、シンガポール、マレーシア、イラン、そしてカナダの一部地域で上映禁止となりました。