佐野碩氏は、開成高校、東京帝国大学法学部を経た演出家・作詞家・社会主義運動家です。日本では「インターナショナル」の訳詞の作詞者として知られます。後半生はメキシコを拠点とした演劇活動に費やし、メキシコでは「メキシコ演劇の父」と称されています。

滝沢修氏は、開成高校を卒業した俳優、演出家です。築地小劇場の研究生として初舞台を踏み、次いで東京左翼劇場、新協劇団に参加、『夜明け前』『火山灰地』などの演技で注目されました。戦後は東京芸術劇場、民衆芸術劇場の結成を経て、宇野重吉らと劇団民藝を創設して代表を務め、日本の新劇を代表する俳優となりました。

大和雅之氏は、開成高等学校、東京大学教養学部基礎科学科を卒業した生命科学者です。専門は再生医療、組織工学、幹細胞生物学で、細胞シートの研究やベンチャー事業化、哲学や芸術にも造詣が深い人物として知られています。2003年度グッドデザイン賞、2009年度文部科学大臣表彰科学技術賞、2009年山﨑貞一賞などを受賞しています。

城内実氏は、開成高等学校、東京大学教養学部国際関係論分科卒業の政治家です。元外務官僚で、自由民主党所属の衆議院議員として外務大臣政務官（第2次安倍内閣）、外務副大臣（第2次安倍改造内閣・第3次安倍内閣）、環境副大臣（第4次安倍再改造内閣）を務めました。

佐々木大輔氏は、東京都台東区出身で、開成中学校・高等学校を経て、2004年一橋大学商学部卒業、freee株式会社創業者・代表取締役最高経営責任者です。2015年及び2016年、2017年のフォーブス日本の起業家ランキングトップ10入賞を果たした優秀な実業家です。

池内友次郎氏は、開成高校を経て慶応大学に進学した作曲家です。1927年にフランスへ渡り、パリ音楽院に入学、帰国後は、コロムビア、日本放送協会、大映などでの短期間の活動の後、理論書を中心とした執筆・翻訳活動や後進の指導に尽力しました。日本人として初めてパリ音楽院に入学し、フランス流の作曲技法を日本に持ち帰り、教育者として戦後日本の作曲・音楽教育水準の底上げに貢献しています。

朝海浩一郎氏は、開成高校卒業後、1929年に一橋大学の前身である東京商科大学を卒業した外交官です。1928年外交官及領事官試験合格、1929年外務省入省すると、連絡調整中央事務局長官等を経て、岸信介内閣における日米安全保障条約改定の時期を含め、駐アメリカ合衆国特命全権大使を異例の6年間務めました。

中村伸郎氏は、開成高校を卒業した俳優で、築地座を経て、1937年、杉村春子らと共に劇団文学座を創立。以来、同座の中核的存在として活躍。1957年には文学座理事に就任、運営面でも同座の中心人物でした。1963年、戯曲『喜びの琴』の上演中止を巡り、三島由紀夫、南美江らと共に文学座を脱退。当時、文学座の最高幹部だった中村の退団は、文学座に大きな衝撃をもたらしました。

平沼恭四郎氏は、開成中学校から慶應義塾大学予科へ進み、1931年（昭和6年）慶應義塾大学理財科を卒業した三明商事創立者、大協石油取締役などを務めた実業家です。衆議院議員平沼赳夫の実父で、元首相平沼騏一郎は義父にあたります。

加藤智久氏は、千葉県市川市出身で、開成中学校・高等学校を経て、2004年一橋大学商学部卒業した実業家です。2005年、経営や英語を学ぶためモニター・グループに入社。2007年、中学・高校の友人中村岳らとともに、Skypeを使ったオンライン英会話事業の株式会社レアジョブを設立し、代表取締役社長に就任。2014年東証マザーズ上場、2015年代表取締役会長、2017年代表取締役を退任し取締役に就任。その後フィリピンでTuittを起業すると、Japan Venture Awards 2013 中小企業基盤整備機構理事長賞受賞します。

福永武彦氏は、開成高校を卒業後、早稲田大学演劇博物館で演劇を学んだり、ロシア語の講習を受けています。1954年の長編小説『草の花』で作家としての地位を確立し、人間心理の深奥を探る多くの長編小説を発表した。また、中村真一郎と共に堀辰雄の薫陶を受け、『堀辰雄全集』の編纂にもかかわりました。1961年学習院大学教授としてフランス文学を中心にヨーロッパの文学動向を論じています。

中村真一郎氏は、開成高校を卒業した小説家で、長編小説では、作者と経歴のよく似た作家を話者として、『四季』四部作（1975年-1984年、新潮社）で日本文学大賞。全体小説のひとつの形をつくりあげた。短編では「人間精神の諸領域の探求」というカテゴリーで、多様な題材に挑戦執筆しました。

大野晋氏は、開成高校を卒業した国語学者で、古代日本語の音韻、表記、語彙、文法、日本語の起源、日本人の思考様式など幅広い業績を残しました。特に『岩波古語辞典』の編纂や、日本語の起源を古代タミル語にあるとしたクレオールタミル語説で知られています。ほかに上代特殊仮名遣の強調、係り結びの倒置説、品詞の割合とジャンルとの関連性を指摘した大野の法則なども知らています。

虫明亜呂無氏は、開成高校を経て1947年、旧制早稲田大学文学部仏文科を卒業、早大文学部副手を経て、雑誌『映画評論』編集部に所属。ドナルド・リチーの評論の翻訳などを行います。1959年、加太こうじ、森秀人、鶴見俊輔、佐藤忠男、邑井操らと大衆芸術研究会を創設、フリーとなった以降は、文芸批評、映画評論、スポーツ評論、競馬エッセイなど、独特の美的文体と幅広い知識により、多彩な活動を行います。1979年には小説『シャガールの馬』で直木賞候補となり、また記録映画『札幌オリンピック』の脚本も担当しています。

倉田哲郎氏は、静岡県清水市（現静岡市清水区）生まれで、開成高等学校、東京大学法学部を卒業した政治家です。総務官僚時代に3年間の出向を経験した箕面市の市長選挙に無所属で立候補。箕面市議会で辞職勧告決議が可決されていた現職の藤沢純一市長ら2候補を破って初当選、当時、全国で最年少の市長でした。

猿谷要氏は、開成高校卒業後、1948年、東京大学西洋史学科卒業、1956年、同大学院博士課程単位取得しています。ハーバード大学、ハワイ大学、コロンビア大学の客員研究員を経て、1971年、東京女子大教授となる。同大学短期大学部長、現代文化学部長を歴任、のち放送大学客員教授、日本広告審査機構審査委員。1992年、東京女子大を定年退職、駒沢女子大学教授に就任しました。

荻昌弘氏は、開成高校から東京大学を経て映画。月曜ロードショーの解説者を長年務め、その落ち着いた語り口から、淀川長治、水野晴郎と並んで名解説者として知られ評論家となっています。

株式会社読売新聞グループ本社代表取締役主筆で、「ナベツネ」の愛称で知られる渡辺恒雄氏も開成高校を卒業しています。株式会社読売新聞社社長、球団オーナー、株式会社読売ジャイアンツ取締役最高顧問、社団法人日本新聞協会会長などを歴任、日本プロ野球界に関連する彼の伝説は数知れず、自ら「俺は最後の独裁者だ」と語ったとされ、マスメディアにおいて「球界の独裁者」または単に「独裁者」と呼ばれていることについては、渡邉自身が認めている。他に「メディア界のドン」「政界フィクサー」とも呼ばれています。

吉村昭氏は、開成高校卒業後、学習院大学へ進学しますが中退しています。1966年『星への旅』で太宰治賞を受賞。同年発表の『戦艦武蔵』で記録文学に新境地を拓き、同作品や『関東大震災』などにより、1973年菊池寛賞を受賞。現場、証言、史料を周到に取材し、緻密に構成した多彩な記録文学、歴史文学の長編作品を次々に発表してきた人気小説家です。

吉野英樹氏は、1974年、神奈川県横須賀市生まれで、開成高等学校、東京大学法学部、ロンドン・ビジネス・スクールを修了した実業家です。現・株式会社クリーンプラネット代表取締役社長で、東北大学リサーチフェローでもあります。開成高校では、柔道部に属し、柔道は二段。また、大学時代から、極真空手に打ち込み、それ以来修行を続けている。2003年東京大会で優勝、第12回全日本ウェイト制空手道選手権大会でベスト16入りを果たしています。

野上龍雄氏は、旧制開成中学（現開成校）を経て東京大学文学部仏文科卒業した脚本家です。心理描写が繊細で、そして、熱い感情の表現が強烈で見る者の心に緊張感を与える迫力があります。『柳生一族の陰謀』（1978年）のラストのどんでん返しにおいて、予期せぬ事態に動転し錯乱状態に陥った主人公柳生宗矩（萬屋錦之介）が絶叫する「夢でござる」という台詞は流行語にもりました。『必殺シリーズ』では、虐げられて生きる存在の悲しみや怨念を描いた作品において数多くの傑作を発表しています。

岡村喬生氏は、、旧制札幌市立中学在学中に学制改革に遭い、新制高校2年の時に上京して開成高等学校に転入しています。早稲田大学第一政治経済学部新聞学科卒業後は、東京放送合唱団に正団員として就職、NHK招聘の第2次イタリア歌劇団公演で唯一の日本人ソリストとしてマリオ・デル・モナコやティト・ゴッビと共演。1960年にイタリアのヴィオッティ国際音楽コンクール声楽部門で金賞、フランスのトゥールーズ国際声楽コンクールで優勝を果たしています。

鈴木正雄氏は、実業家としてソープランド32軒や宝石店やボクシングジム、不動産会社、バスタオル洗濯会社などを擁する角海老グループの創業者・経営者で「ソープの帝王」と呼ばれる人物で、1945年4月に旧制開成中学校（現・開成高等学校）に入学しています。

映画監督として有名な蜷川幸雄氏は、1年留年して開成高等学校を卒業しています。桐朋学園大学短期大学部芸術科教授、彩の国シェイクスピア・シリーズ芸術監督、Bunkamuraシアターコクーン芸術監督、桐朋学園大学短期大学部学長（第6代）、桐朋学園芸術短期大学学長（初代）、桐朋学園芸術短期大学芸術科特任教授などを歴任、埼玉県民栄誉賞・文化勲章・埼玉県川口市市民栄誉賞を受賞しています。