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概要

概要

破傷風は、破傷風菌を病原体とする人獣共通感染症の一つで、病原菌が産生する神経毒による急性中毒です。破傷風菌は芽胞の形で土壌中に広く常在し、 創傷部位から体内に侵入します。侵入した芽胞は感染部位で発芽・増殖して破傷風毒素を産生します。破傷風の特徴的な症状である強直性痙攣は破傷風毒素が主な原因であり、潜伏期間(3 ~21 日)の後に局所(痙笑、開口障害、嚥下困難など)から始まり、全身(呼吸困難や後弓反張など)に 移行し、重篤な患者では呼吸筋の麻痺により窒息死することがあります。

症状

症状

破傷風菌は毒素として、神経毒であるテタノスパスミンと溶血毒であるテタノリジンを産生します。テタノスパスミンは、脳や脊髄の運動抑制ニューロンに作用し、重症の場合は全身の強直性痙攣を引き起こし、舌を噛んで出血したり、背骨を骨折することもあります。この作用機序と毒素(および抗毒素)は1889〜1890年(明治22〜23年)、北里柴三郎により世界で初めて発見されmした。

最悪の場合背骨が折れることもあります。神経毒による症状が激烈である割に作用範囲が筋肉に留まるため、意識混濁はなく鮮明である場合が多く、このため患者は、絶命に至るまで症状に苦しめられ、古来より恐れられる要因となっています。

日本における裂傷風

日本における裂傷風

世界で年間100万人が発症し、30万-50万人が死亡していますが、日本では毎年100例ほどの報告がある。地震や津波などの自然災害の後に増加する傾向にあります。

6位:ペスト

概要

概要

ペストとは、ペスト菌の感染によって起きる感染症で、死亡率が高く、60~90%とされています。ペストは、感染後の症状によって、「腺ペスト」「肺ペスト」など、いくつかの種類に分類されています。世界の歴史をふりかえると、数回の全地球規模の流行(パンデミック)が記録されており、特に14世紀に起きたペストの大流行では、世界で1億人ほどの人々が死に、当時の世界人口を4億5000万人から3億5000万人にまで減少させました。ヨーロッパでは1348年~1420年に大流行し、ヨーロッパの全人口の30%~60%が死亡しました。イギリスやイタリアの街や村の中には人口の80%が死亡したところもあり、社会構造を変えてしまい、現代にまで至る痕跡を残すほどの打撃を与えました。

症状

症状

多くの場合の潜伏期間は 2~7日で、全身の倦怠感に始まって寒気がし、39℃~40℃の高熱が出ます。その後の、ペスト菌の感染の仕方と症状の出方によって「腺ペスト」「肺ペスト」などに分類されています。

腺ペストは、ペストの中で最も頻度の高い病型で、ペストに感染したネズミから吸血したノミに刺された場合、まず刺された付近のリンパ節が腫れ、ついで腋下や鼠頸部のリンパ節が腫れて痛みます。リンパ節はしばしばこぶし大にまで腫れ上がり、ペスト菌が肝臓や脾臓でも繁殖して毒素を生産するので、その毒素によって意識が混濁し心臓が衰弱して、治療しなければ数日で死亡します。

肺ペストは、腺ペストの流行が続いた後に起こりやすく、時に単独発生することもあります。かなり稀な病型で、腺ペストを発症している人が二次的に肺に菌が回って発病し、又はその患者の咳やくしゃみによって飛散したペスト菌を吸い込んで発病します。頭痛や40℃程度の発熱、下痢、気管支炎や肺炎により呼吸困難、血痰を伴う肺炎となり、呼吸困難となり治療しなければ数日で死亡します。

日本におけるペスト

日本におけるペスト

日本での最初の報告は横浜に入港した中国人船客で、横浜の中国人病院で死亡しています。大小の流行は複数回あり、1899年(明治33年)11月が最初の流行で、1899年は45人のペスト患者が発生、40人が死亡しました。翌年より東京市は予防のため1匹あたり5銭で鼠を買い上げた。この時のネズミの霊を供養するための鼠塚が、渋谷区の祥雲寺境内にあります。最大の流行は1905-1910年の大阪で、958名の患者が発生し社会的に大きな影響を与えました。紡績工場での患者発生が続き、国内の発生源はペスト流行地インドから輸入される綿花に混入したネズミというのが通説になりました。日本では1927年以降は国内感染例はなく、ペスト患者の報告も1930年以降はありません。

5位:結核

概要

概要

結核とは、マイコバクテリウム属の細菌、主に結核菌により引き起こされる感染症で、1882年にロベルト・コッホによって発見されました。世界保健機関 (WHO) によると、結核はHIVの次に死者の多い感染症であり、2013年には900万人の患者が発症し150万人が死亡しました。結核による死者の95%以上は低中所得国であり、それらの国々では15-44歳女性のトップ5死因に入ります。WHOは2017年にも1000万人が新たに結核と診断され、160万人が死亡したと推定しており、このままでは国際連合が持続可能な開発目標(SDGs)で掲げる「2030年までの結核流行終息」達成が難しいとして各国の対策強化を求めています。また世界では50万人の0-14歳児童が結核に感染しており、2013年では8万人(HIV陰性)が死亡しました。またHIV患者はリスクが26-31倍となり、HIV患者の4人に1人は結核で死亡しています。

症状

症状

当初は全身倦怠感、食欲不振、体重減少、37℃前後の微熱が長期間にわたって続き、就寝中に大量の汗をかく等、非特異的であり、咳嗽が疾患の進行にしたがって顕在化します。抗菌剤による治療法が確立する以前は「不治の病」と呼ばれていた恐ろしい病です。

日本における結核

日本における結核

日本国内では、毎年約18,000人が新たに結核を発症しており、結核菌によって引き起こされる感染症です。結核菌は、体内に入り込んで増殖した場所によって、肺結核、腸結核、腎結核などを引き起こします。日本ではこのうち「肺結核」が、結核患者の約8割を占めています。

4位:黄熱病

概要

概要

黄熱病は、ネッタイシマカなどのカ(蚊)によって媒介されるフラビウイルス科フラビウイルス属に属する黄熱ウイルスを病原体とする感染症で、発熱を伴い、重症患者に黄疸が見られることから命名されました。

熱帯アフリカと中南米の風土病で、黒色嘔吐を起こすことから通称を「黒吐病」呼ばれ、日常生活におけるヒトからヒトへの直接感染はありません。

症状

症状

潜伏期間は3~6日で、突然の発熱、頭痛、背部痛、虚脱、悪心・嘔吐で発症します。発症後3~4日で症状が軽快し、そのまま回復することもああります。しかし、重症例では、数時間から2日後に再燃し、発熱、腎障害、鼻や歯根からの出血、黒色嘔吐、下血、子宮出血、黄疸などがみられます。

黄熱病の死亡率は、30~50%とされています。

日本における黄熱病

日本における黄熱病

日本の医師、細菌学者である野口英世が黄熱病の研究中に自身も罹患し、1928年(昭和3年)5月21日、英領ゴールド・コースト(現在のガーナ共和国)のアクラで51歳で死去していますが、1999年4月から2016年末までの日本における黄熱患者発生の届け出は0人です。媒介蚊であるAedes aegypti (ネッタイシマカ)については、日本では、南西諸島で昔生息していましたが、現在は生息が確認されていません。

3位:コレラ

概要

概要

コレラは代表的な経口感染症の1つで、コレラ菌で汚染された水や食物を摂取することによって感染します。経口摂取後、胃の酸性環境で死滅しなかった菌が、小腸下部に達し定着・増殖し、感染局所で菌が産生したコレラ毒素が細胞内に侵入して病態を引き起こします。日本ではコレラ菌のうちO1、O139血清型を原因とするものを行政的にコレラとして扱う。治療しなければ患者は数時間のうちに死亡する場合もあります。

世界では、毎年500万人がこの感染症にかかり、10万人以上が命を落としていますが、その犠牲者の多くが、アフリカの発展途上国の子どもたちとされています。

症状

症状

コレラは菌に感染すると1~数日の潜伏期のあと、急性の激しい下痢を伴う腸管感染症です。発熱や腹痛は少しみられることがありますが、軽症の場合は毒素原性大腸菌等の感染症や食中毒と区別しにくいことがあります。

重症例では、大抵の場合潜伏期が短く、1日以内に水様下痢、脱水症状が起こり、加えて嘔吐を伴い、極端な場合は体重の1/2を失う場合があり、体内からカリウムが失われて低カリウム血症となります。さらに脱水が進むとアシドーシスや腎不全に陥ります。このような状態になるとのどが渇き、尿量が少なくなり、目が落ちくぼみ、頬がこけ、脚などに痛みを伴い、筋肉の痙攣、重度の脱水症状を起こします。この状態が続くと、体内を循環する血液の量が減少してショック状態となる場合もあります。

日本におけるコレラ

日本におけるコレラ

日本で初めてコレラが発生したのは、最初の世界的大流行が日本に及んだ1822年(文政5年)のことです。感染ルートは朝鮮半島あるいは琉球からと考えられていますが、その経路は明らかではありません。九州から始まって東海道に及んだものの、箱根を越えて江戸に達することはありませんでした。2回目の世界的流行時には波及を免れましたが、3回目は再び日本に達し、1858年(安政5年)から3年にわたり大流行となりました。

2位:エボラ出血熱

概要

概要

エボラ出血熱は、フィロウイルス科エボラウイルス属のウイルスを病原体とする急性ウイルス性感染症です。ラッサ熱、マールブルグ病、クリミア・コンゴ出血熱と並ぶ、ウイルス性出血熱の一つで、ヒトにも感染し、感染後の治療開始が遅れると致死率は50-80%に上るとされています。また、仮に救命できたとしても重篤な後遺症を残すことがあり、リスクグループレベル4ウイルスの一つです。現在では、エボラ出血熱患者が必ずしも出血症状を呈するわけではないことから、エボラ出血熱に代わってエボラウイルス病と国際的に呼称されています。

症状

症状

エボラウイルスに感染すると、2~21日(通常は7~10日)の潜伏期間のあと、突然の発熱、頭痛、倦怠感、筋肉痛、咽頭痛などの症状が現れます。次いで、嘔吐、下痢、胸部痛、出血(吐血、下血)などの症状が現れます。

日本におけるエボラ出血熱

日本におけるエボラ出血熱

1970年代以降、中央アフリカ諸国(コンゴ民主共和国、スーダン、コンゴ共和国、ウガンダ、ガボン等)で、しばしば流行が確認されています。現在は、西アフリカでの流行、アフリカ大陸以外(スペイン、米国)での発生が確認されています。2014年以降、西アフリカ(ギニア・シエラレオネ・リベリア)で感染が拡大、アフリカ大陸以外(スペイン、米国)での発生が確認されました。その後、2015年5月にリベリア、11月にシエラオネ、12月にギニアで終息宣言が発表され最も感染が拡大した3か国すべてにおいて終息宣言が発表され、日本での感染例はありません。

1位:天然痘ウイルス(BSL4)

概要

概要

天然痘ウイルスを病原体とする感染症の一つで、医学界では一般に痘瘡の語が用いられました。ヒトに対して非常に強い感染力を持ち、全身に膿疱を生じ、致死率が平均で約20%から50%と非常に高い危険な感染症です。仮に治癒しても瘢痕を残します。厚生労働省の定める、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」において最も危険な、「一類感染症」に分類されています。

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