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まるで、今でもよく会っている、悪友のことを語っているかのようだ。

しかし、よくよく読んでみると、漱石にしか見せない子規のことが、行間から読み取れ、
漱石の、子規への思いの深さが、強く感じられる。
若くして亡くなった友を、敢えて感傷的に語らないのが、明治人の心意気なのかもしれない。

夏目漱石作品人気おすすめランキングTOP15~11

15位:私の個人主義 (講談社学術文庫) (日本語) 文庫 – 1978/8/8

726円

夏目漱石は文豪というイメージが定着し、それは決して間違いではありませんが、実は座談や公演の名手としても定評があった人物です。「私の個人主義」はそれらで活かされる深い識見や主張を盛り込んだ、夏目漱石の独創的な思想を紐解くことができる1冊です。根本思想である近代個人主義の考え方を論じた「私の個人主義」ほか、「近代日本の開化」など5編を収録しています。
講演会の口調をそのまま文字に起こした内容になっているので、夏目漱石のお茶目でユーモラスな空気感がよく伝わってきます。
社会全体の価値観が大きく変わる中で、やはりバランスのとれた見方をしていたんだなぁと、論旨にはまだまだ現代の社会に対しても通ずるところがあり、今日日の日本社会や人々の考え方を俯瞰する視点を整理するのにも役立ちました。

14位:二百十日 (青空文庫POD(ポケット版)) (日本語) オンデマンド (ペーパーバック) – 2015/12/31

605円

「二百十日」は明治39年「中央公論」にて掲載された小説です。二人の青年、圭さんと碌さんが二百十日に阿蘇山の噴火口を目指すという内容の物語。物語はほぼ圭さんと碌さんの会話によって成り立っており、彼らの軽妙な会話と風景描写が大きな特色となっています。夏目漱石作品の中ではそこまで知名度の高い作品ではないものの、情景が浮かぶ名作となっています。
立春から数えて210日目ということなんですね。だいたい9月1日ぐらいということで、関東大震災も起こった訳ありげな日なんですね。
坊っちゃんと山嵐が阿蘇山に登山したらこんな感じになるのかな?といった話でした。
今でこそ、阿蘇山は車やロープウェイで気軽に行ける場所ですが、熊本が火の国と言われるゆえんだけあって、明治の殺伐とした阿蘇山の様子を感じることができました。

13位:硝子戸の中 (青空文庫POD(ポケット版)) (日本語) オンデマンド (ペーパーバック) – 2014/3/10

679円

「硝子戸の中」は1915年発行のエッセイです。自己を語ることに寡黙だった漱石が「自分以外にあまり関係のない詰まらぬ」ことを書くと断って書いた連作エッセイとなっており、夏目漱石の人物像を深く掘り下げる上で非常に有用な作品となっています。記憶のそこに潜む体験や回想を描くことで、静謐ながらも明るさに満ちた表現を確立しています。日本語の美しさを堪能できるという点でもおすすめの1冊です。
漱石独特の言い回しが好きな方は、とても楽しめると思います。
ただ、漱石の亡くなる少し前の作品なので、背景的に暗めです。

12位:坑夫 (新潮文庫) (日本語) 文庫 – 2004/9

473円

「坑夫」は「朝日新聞」で91回にわたって連載された長編小説です。19歳の家出少年が降りてゆく、荒くれ坑夫たちの飯場と持続の鉱山、こころの深みを表現したドキュメントであり小説という一作。夏目漱石の代表作として名前があがることはあまりありませんが、この作品に関する研究論文は多数執筆されており、注目度の高さがうかがえる作品です。
漱石の本としては、異色のルポルタージュ的な作品です。しかし、主人公を通して、当時の「炭鉱そして坑夫」の様子が生々しく表現されています。また主人公の内面の描写は、今の時代の現代人にも当てはまるものと言えると思います。色あせてはいません。私は、漱石の小説が好きなので何度も繰り返して読んでいますが、この本もくり返す読むことに再発見がある本です。  

11位:彼岸過迄 (新潮文庫) (日本語) 文庫 – 1952/1/22

605円

「彼岸過迄」は1912年から連載された長編小説です。長編ではありますが、短編小説を繋いたような構成になっているので、長編小説を読みなれていない方でも読みやすいのが特徴。男女の恋愛を描いた作品ですが、章が変わるたびに新鮮な気持ちで読むことができ、ぐいぐい読み進めることができます。夏目漱石が有無を言わさぬ天才であることを再確認させられる1冊です。
流石にお札になるだけはあり、文句なしに面白いです。
このようなものを読むと、TV programのドラマがちょっと見れなくなります。

夏目漱石作品人気おすすめランキングTOP10~6

10位:虞美人草 (新潮文庫) (日本語) 文庫 – 1951/10/29

605円

「虞美人草」は1970年初出の作品。夏目漱石が職業作家として執筆した記念すべき一作目で、一字一句までこだわり抜いて執筆された名作です。美しい容姿を持つ女性が、虚栄心の強さから身を滅ぼしていくという内容で、タイトルの「虞美人草(ぐびじんそう)」はヒナゲシを指しています。やや読みにくい作品ではありますが、こだわり抜いたその文章を存分に堪能できる作品となっています。
とにかく読んで面白い。
文章は古くさいが、物語がテンポよく展開していくところは小気味よい。
込み入った物語ではないが、構成が複雑すぎる現代の小説よりかえってスリリングで、時代を感じさせない。
人物の性格、心の動き、ちょっとしたしぐさの描写なども精密で、そういうことあるよなと思わされるところが随所に出てくる。
むかし読んだときにはここまで面白いとは思わなかったが、あらためて読んでみてよかったと思う。

若い人には時代背景や、社会常識の違いから理解しにくいところがあるかもしれないのが難点。
ただ、人間とはこういうものだということが学べるという意味で、読んで損はないと思う。
また、若いころに読んだきりでストーリーもおぼろになった人には、ぜひ再読をすすめたい。

9位:明暗 (新潮文庫) (日本語) 文庫 – 2010/1

825円

「明暗」は1916年に連載から開始された長編小説です。連載途中に夏目漱石が没したため188回で未完となった日本近代小説の最高峰と名高い作品。いびつな夫婦関係を中心に描かれた作品で、現代にも通じる部分があるため比較的読みやすいのではないでしょうか。結末のない作品ですが、その先を想像してみると自分だけの「明暗」が完結するかもしれません。
 漱石のすべての長編を読んできて、個人的には一番面白い小説かなと思う。”未完”であるが、解説の柄谷行人のいうように「閉じることのない未完結性」!だから、水村美苗が続編を書いたのかもしれない、書く気になったのかもしれない、というより、読者それぞれが、俺なら続きをこう書く、私ならこう話を続ける…と思って読んでしまうのではないだろうか。

 柄谷のいうように、本書は”ドストエフスキー”的な小説であり、互いに他者として現れる、これ!っといった主人公のない多種多様な声=視点を持った面白い小説なのだ。
 お延、お秀、吉川夫人といった饒舌女性のべしゃりの面白さは、他の長編にはない、にぎやかさ。

 他にもいろいろと面白く読める点があるので、漱石の中でもおすすめの一冊・・・かな。

8位:文鳥・夢十夜 (新潮文庫) (日本語) 文庫 – 2002/9

473円

「夢十夜」は1908年から連載された短編小説です。「こんな夢を見た」という書き出しから始まる、幻想文学テイストが特徴の物語で10の不思議な夢を描いています。それぞれ独立した話なので読み進めやすく、夏目漱石の違ったテイストを楽しみたい方に特におすすめの作品です。非常に有名な作品なので過去に読んだことがある方は多いかもしれませんが、改めて読み返すとまた違った発見があるかもしれません。
夢十夜、大学受験向けのテストに引用されていたそうで、
全文が読んでみたいとのことで購入しました。
短編集なので、他の作品も興味深く読んでいるようでした。

7位:門 (集英社文庫) (日本語) 文庫 – 2013/12/13

506円

「門」は1910年に「朝日新聞」に掲載され、翌年に春陽堂から刊行された長編小説です。「三四郎」「それから」に続く前期三部作最後の作品として多くの人に愛されています。親友の安井を裏切り、その妻と結婚した宗助が罪悪感から救いを求める様子を描いた、静かで美しい作品です。この作品の連載終了後、さまざまな経験を経て、作風が大きく変わるので、そういった意味でも注目の作品です。
 一般的に小説の導入部分では、作品の時代背景、季節、用語、登場人物と息を合わさなければならないので、若干の苦労があります。この作品も御多分にもれず、最初の取っ付きは悪いです。
 出だし部分は、色調は冬、「陰」、「謎」ある登場人物といった感じで始まり、話は淡々と進みますが、途中から、フラッシュバックの手法で「謎」を解明していくことで、一気にテンポがよくなりました。
 ところで、この作品の一番の圧巻は、登場人物がどのようにして一緒になったのか?という核心部分ですが、その個所は漱石的抽象表現としたあたりは「流石」の一言です。
 最後に、処世訓的には、人様にウソをつかない、真面目に世の中を送っていれば、カネがなくても、それなりに幸せな人生が送れるということでしょう。本作品も、最後は、全体のトーンだった冬を脱して「春がきそう」という感じで終わっています。プチハッピーエンドでしょう。

本作品を読むきっかけとなったのは、佐藤優著「40代でシフトする働き方の極意」での書評でした。

6位:それから (新潮文庫) (日本語) 文庫 – 1985/9/15

506円

「それから」は1909年に「東京朝日新聞」「大阪朝日新聞」に掲載され、翌年に春陽堂から刊行された前期三部作の二作目です。定食に就かず実家の金で裕福な生活を送る長井代助が、友人平岡常次郎の妻である三千代と生きる決心をするまでを描いた作品で、破局を予想しながらもそれに向かう愛を通し、明治知識人の悲劇を表現しています。
朝日新聞と同じペースで楽しみながら読んでいます。高校、大学そして社会人で3回ほど読んだ作品。55歳になる今年、新たなる発見をしてみたいと尾もっいぇいます。

夏目漱石作品人気おすすめランキングTOP5~1

5位:草枕 (新潮文庫) (日本語) 文庫 – 2005/9

473円

「草枕」は「山路を登りながら、こう考えた。」から始まり、「智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。」という冒頭の一文が非常に有名な作品です。思索にかられ山路を登りつめた青年画家の体験を描いた作品で、絢爛たる文章で描かれた夏目漱石初期の名作です。自然主義や西欧文学における現実主義の批判を込め、対局に位置する東洋趣味を高唱しています。
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