
芥川龍之介の作品おすすめランキング20選~人気の小説と口コミ【2025最新版】
「芥川賞」という文学賞に名前が残り、学校の教科書にも採用されていることから非常に認知度の高い文豪である芥川龍之介。今回は芥川龍之介が残した150編ほどの小説の中から人気おすすめ作品をランキング形式でご紹介しています。読みやすい作品も多いので、本を読むのが苦手な方にもおすすめですよ。
473円
「奉教人の死」という本を、いや、文体を読んでいると 芥川龍之介というお方は本当に才気に溢れた方だったと今なお思うしかない。
村上春樹が 小説家とは自分の文体で勝負するしかないと どこかで言っているのを聴いて以来 ささやかながら僕自身として 自分の文体に気を使っている。勿論 普通のサラリーマンであるので 小説を書くわけではないが 例えば会社の報告書においても 文体に拘る気持ちが強くなっている。考えてみると このレビューも文章の練習とも言える。
その「文体」という面で芥川を振り返ると 実に多彩な文体を駆使したことが分かる。本書と 「秋」と「杜氏春」と「蜃気楼」を 同じ作家が書いたことは俄かには信じられない。いずれも 全く異なった文体であり かつ 各々が実に精緻極まりないからである。
結局 そんな「多彩さ」が 彼のネックになったのかもしれない。芥川という剃刀は無類の切れ味ながら 刃こぼれし易かった。壊れた剃刀は 使っている人には危険であることは言うまでもない。自滅し自壊した作家という意味では 太宰とはまた別の悲劇を 芥川は演じることになった。若くして亡くなったが ある意味では老衰すら思わせる人生だった。僕はそう思う。
440円
芥川龍之介の短編作品の中でもお気に入りの1つなので、Kindle版の無料というのも有難く手に入れました。
大金持ちの息子であった杜子春が、財産を失くし、実は仙人である老人に、2回、また財を成す機会を与えられつつも、使い果たし、世の中と人間の薄情さに嫌気がさし、3度目に老人に助けてもらえる機会が訪れた時に、彼は仙人である老人の弟子になる事を望みます。
そこからの試練が、何があっても言葉を発してはいけない、と耐えるに耐えられない酷いものでしたが、今は亡き親の情に触れ、杜子春の選んだ道は…
芥川龍之介を読んでいらっしゃる皆さんもよく知っている結末を迎えますが、物語の中に出てくる魔性の者が現れてくる件りなどは、芥川色がよく出ていると思います。
昔は、物語の流れから見て、杜子春は仙人の弟子になれるのか、と気になって応援しながら読んでいた記憶がありますが、今、読み直してみると爽やかな気持ちで結末を迎えることができる、そしてやはり杜子春を応援せずにはいられない、そんな物語でした。
現代の世にも、通じる話だと思います。
まとめ
今回は芥川龍之介作品の人気おすすめランキングをご紹介しました。作品によって文体が大きく異なり、年齢を重ねて読む度受ける印象も変わるという不思議な魅力を持つ芥川龍之介の作品。短編が多く、読みやすい作品も多いのでこの機会にじっくりと向き合ってみてはいかがでしょうか。