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この小説の魅力を自分なりに一言で言うならば『救い』だった。金融や経済に全く興味のなかった私が何故この物語に引き込まれたのか、自分でもよくわからない。当時の私は私自身に絶望していて『希望』というものを持っていなかった。かといってこの本を読んで『希望』をもらうことができたという意味でもない。
混沌とした時代、空っぽ以前のごにゃごにゃとした糸が渦巻いたような頭の中で村上龍先生の紡ぎ出す文章はまるでブロックのように見えた。とても巨大に構築された言葉の壁。文学とはなんなのか自分にはよくわからないが、このような作品なのだろうと思い、村上龍先生の文章に憧れ、尊敬した。
巨大なブロックは私を安心させ、魅了した。何回この本を読み返したかわからない。生きるための知恵を必死に見つけようとした。当時の私にはそれが必要な行為だった。それは巷に溢れるビジネスの実用書とか、幸せになるための言葉みたいなものではなく、とてもわかりにくいもので、自分から働きかけなければきっかけを見つけることすら困難な知恵だった。
だが、この本を何回も読み返すうちに自分の中の混沌としたものを自分も理路整然と組み立てることができるようになった気がした。それが作者の意図したこととは思わない。この小説は似非の涙を流す作り物など描かれてはいない。感情を揺さぶろうとかそういうくだらない作者のエゴもない。それなのに圧倒され、惹きつけられた。
私と同じ感想を持つ必要などない。これは言葉の芸術作品だと思う。
作者に会うことなど決してないと思うからこそ言いたい。素晴らしい作品を読ませていただきました。本当にありがとうございます。

3位:半島を出よ〈上〉 (幻冬舎文庫) 文庫 – 2007/8/1

796円

「半島を出よ」は上下巻で1000ページを超える超大作近未来型小説です。経済的にどん底にある日本を北朝鮮が占領しようとする物語で、反乱軍によって手も出せずに吸収を占領されてしまった中、日本を救うべく対抗勢力が立ち上がります。ありえそうな未来を描いた作品となっており現代の日本の問題にも肉薄した物語として読んで欲しい1冊です。
この本の何がすごいって、病的なまでに書き込まれたディテール、そしてそれが醸し出すリアリティが凄い。
わたしなんて読了後、見たこともない平壌に郷愁すら感じ、自分が日本人の市民なのか北朝鮮の工作員なのか
分からなくなってしまったくらいだ。

読み終えて感じるのは、日本っていうのは快適でありながら、どこか不確かで、生命力が乏しく、現実離れした国だと言うこと。
そしてそれは多分、堂々と軍隊を持つこともできないという国家としての不確かさと通底しているのだと思う。

2位:五分後の世界 (幻冬舎文庫) 文庫 – 1997/4/1

586円

「五分後の世界」は村上龍さんの作品の中でも高い人気を誇るパラレルワールド小説です。タイトルの「五分後の世界」とは第二次世界大戦で敗戦を回避し、徹底的に抗戦を続ける日本のことで、現代と「ありえたかもしれない未来」の対比を浮き彫りにしていきます。降伏した日本が進んだ現代に関して自分なりの考えを持つことのできる1冊です。
本書の著者である村上龍は、あとがきで「今までのすべての作品の中で、最高のものになったと思っている」と述べている。作家を含めた(主観的ではあるが)一流と言われる芸術家たちは、自らの作品を簡単に「最高」と呼ぶだろうか。それほど完成された作品が、この小説である。

隅から隅まで調べつくしていくのは、村上龍のスタイルの1つとも言える。様々な作品において、大量の資料を読み込んだり、インタビューをしたり、調査したりしている。

そして、「半島を出よ」における北朝鮮の軍隊のように完璧な「アンダーグラウンド」。こういった動きは読んでて面白いし、眼に浮かんでくる。

とにかく、こんな面白い小説はないと思いました。

1位:新装版 限りなく透明に近いブルー (講談社文庫) ペーパーバック – 2009/4/15

550円

村上龍さんの作品を初めて読むというのであればやはり「限りなく透明に近いブルー」から読み始めるのがおすすめです。24歳で第72回芥川龍之介賞を受賞した、まさに衝撃のデビュー作。米軍横田基地に隣接する福生で生活する若者たちがセックスとドラッグに溺れていく様子をどこか淡々と描いた内容で、生々しい作品になっています。この生々しい描写がエンターテイメントというだけにとどまらず、強いメッセージを私たちに投げかけるのです。
作品全体が光やにおい、湿度、音で満たされている。
それを表現するための多様な比喩が無尽蔵に湧いて出て、読み手の脳裏に絡みつく。
主人公は何が起きても当事者とは思えない視座で成り行きを観察するだけで、
セックス、ドラッグ、暴力なども光や音と同列の現象として扱う。すべてがフラットで映像的な世界。

そんな主人公の観察が延々と繰り返された末、彼はあるものの色の中に凡庸な意味を見出す。
彼は全てにフラットで、透明な観察者であろうとしたが、ついには限界がきて、自身に意味を付与してしまったのだ。
人は完全に透明ではいられない、少なからず「前に進む」ためには。

まとめ

今回は村上龍さんの作品の人気おすすめランキングをご紹介しました。小説でもエッセイでも刺激的かつ考えさせられる内容を発信し続ける村上龍さんはアジテーターと呼べるかもしれません。興味を惹かれた方はランキングを参考に気になる作品を手に取り、深く意味を考えてみると世の中に対して新しい目を向けることができるかもしれません。

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