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15位:村上龍映画小説集 (講談社文庫) 文庫 – 1998/4/15

514円

「村上龍映画小説集」は高校卒業後、上京してからの人生を軸にした自伝的な小説です。70年代のほろ苦い青春を描いた内容で体験していないのにどこか懐かしさを感じさせる作品となっています。時間軸としては「69 sixty nine 」と「限りなく透明に近いブルー」の間となる作品なので両作品のファンであれば必読と言える作品で、セックスとドラッグの時代を表現するのが得意な村上龍さんらしい物語です。
小説家だけでなく絵本、映画監督等様々なジャンルに挑み続ける村上龍を作った映画の記憶。

モチロン短編集としてもかなり面白いのだが、各エピソードを象徴するように映画の題名がそのままタイトルになっている。

ロング・グッドバイ、甘い生活、大脱走、ワイルド・エンジェル、アラビアのロレンス、レイジング・ブル、地獄の黙示録、地獄に堕ちた勇者ども、スコピオ・ライジング、狼は天使の匂い、ブルー・ベルベット、ラスト・ショー...等々。

題名にはしなかったが「イージー・ライダー」の内容に触れたエピソードも興味深い。

あのゴダールに「ヌーヴェルヴァーグ」をめぐってインタビューも敢行した村上龍だ。彼の映画に対する愛情を知ることが出来る一冊となっている。

14位:愛と幻想のファシズム(上) (講談社文庫) 文庫 – 1990/8/3

902円

舞台は激動の1990年。世界経済は恐慌に突入し、それに伴って日本は未曾有の危機に直面します。そんな中、サバイバリスト鈴原冬二をカリスマとする政治結社には多くの人々が集結し、ファシストと呼ばれるようになります。政治経済的小説というにはスケールの大きな作品ですが、妙なリアル感があり恐怖さえ感じさせる作品です。
初めて読んだのは二十歳そこそこだった。すごい小説だと思うと同時に、長過ぎる/出てくるのは平気で人殺しする奴ばかり/難しい用語や概念が多すぎ、そんな感じでついていけなかったのが正直なところだった。『コインロッカー・ベイビーズ』の方が全然面白い、と。
 しかし四半世紀を経て、こちらも政治や経済を多少は理解できるようになった上で読み直してみたところ、あまりに面白すぎて寝る間も惜しんで一気に読んでしまった。もちろん、設定が古くなっている部分は多いが、二大強大国連携による経済支配(米ソを米中に置き換えれば、、)や格差社会の進行、弱肉強食も容認する自己責任論、一般人の感情的で偏った右(左)翼化などなど、、、あまりに多くで21世紀社会を予言していることに驚かされる(雑誌連載の準備期間を加味すれば構想は80年代初頭!)。また、狩猟社は残酷で傲慢な人間ばかりだが、人間が生き抜く上で必要な資質を強く備えていることも否定はできない。
 『コインロッカー・ベイビーズ』での男2人女1人の関係性は、本作でさらに象徴的なものになる。トウジとゼロの対称的補完性(+フルーツという触媒)は危ういバランスを保ちながら維持されていくのだが、そこには、おそらく絶対父性社会的なトウジが認めようとしない“強い”ということの別の側面—おそらく母性社会的な愛との距離感(*)を示唆しているようにも思える。下巻ではその結末も語られる。

*本書には女性の重要な登場人物が極めて少ないことと関係していると思う

13位:55歳からのハローライフ (幻冬舎文庫) 文庫 – 2014/4/10

660円

「55歳からのハローワーク」は村上龍さんらしくないテイストの作品です。晴れて夫と離婚したものの経済的困難から結婚相談所で男たちと出会っていく中米志津子、早期退職に応じてキャンピングカーで妻と旅する計画を立てるも拒絶される富裕太郎など、もう一度人生をやり直したいと思う人々の背中に寄り添う再出発の物語になっています。
20歳頃からの村上龍のファンです。50歳の時買って読んだこの本を、55歳になったときもう一度読んでみました。すっかり内容を忘れていた自分(の老化)に驚きましたが、前回は何とも思わなかった、「空を飛ぶ夢をもう一度」という話にやけに感動しました。この5年間に自分の中に何か別の感情がうまれていたのかも、と思うと、昔読んだ本をもう一度読むことも決して時間の無駄ではないと思いまいした。

12位:すべての男は消耗品である (集英社文庫) 文庫 – 1993/9/17

638円

村上龍さんといえば長編小説のイメージが強いですがエッセイも非常に人気があります。とくにこの「すべての男は消耗品である。」はファッション雑誌などで掲載されたころから話題になった作品です。恋愛だけではなく、男女のこと、ドラッグ、セックス、政治、経済といった内容を過激に語った内容で、メッセージ性の強いエッセイとなっています。
 村上さんを知ることになった一冊。そして好きになった一冊です。
 批判的に読むことも共感して読むことも可能でしょう、けど、これは村上さんの価値観であって読む人にそれを押し付けてるわけではありません。最初から終わりまで一気に読めました。それだけ、文章としては素晴らしいと思うし、主張もはっきり伝わってきます。
 女の人をけなしてるように感じるのは錯覚。男の悲しさがちらほら。でも不思議と癒されてしまう悲しい私というのが私の主観でした。男性にも女性にもそれぞれの読み方が出来る一冊ではないでしょうか。

11位:逃げる中高年、欲望のない若者たち 単行本 – 2010/11/20

1,430円

「逃げる中高年、欲望のない若者たち」というタイトルを見て、ドキッとした方は多いのではないでしょうか。なにもかもがない中、希望だけはしっかりとあった戦後の日本、そして現代のなんでもあるが希望だけがない日本。この作品はそんな現代の日本に対して疑問を投げかけるような痛烈な作品です。閉塞感の蔓延した現代だからこそ読んでおきたい1冊となっています。
肩肘張って読む人もいるようですが、この本はエッセイなので私は気楽に読みました。反発や共感を覚えた文章は、勉強や仕事でもう一踏ん張り必要になったときに思い出して、自分のエネルギーを高めるのが良いと思います。そして勉強や仕事を終えたあとは、村上龍を見習ってタップリ遊ぶ(村上龍より小規模になってしまうのがチョイと残念)。この本に限らず村上龍のエッセイはそんなふうに利用しています。共感したらそれはそれでいいし、反発を感じたときは、そのエネルギーを建設的な方向に向ければいいと思います。

村上龍の若い頃の才能のキラメキが感じられないのは残念ながら事実だと思いますが、それは当たり前じゃないでしょうか。誰だって年をとるのですから。そんなことより、この年になってなお、若い頃に及ばないにせよ切れやキラメキやエネルギーを感じさせることが素晴らしいと思います。

村上龍作品の人気おすすめランキングTOP10~6

10位:歌うクジラ(上) (講談社文庫) 文庫 – 2013/10/16

759円

「歌うクジラ」は2022年、ハワイの海底を泳ぐザトウクジラから不老不死の遺伝子の遺伝子が発見されたことから物語が始まります。不老不死というと人間の憧れではありますが、その実態は決して恵まれたものではありません。この遺伝子の使用用途、そして不老不死というものが世界をどのような方向に動かすのかを考えながら読んで欲しい作品になっています。
いやもうこれ村上龍の最高傑作じゃない?村上龍版ブレードランナー、村上龍版家畜人ヤプー、村上龍版日本沈没って感じ。村上龍版海辺のカフカ…かなぁと最初何となく思ったが、そんなもんじゃない、スケールが桁違い。村上春樹の全作品結集してもこれ一作に到底及ばない。今までいろんな村上龍の近未来もの読んできたけど、ここまで空前絶後なものはない。この通りの未来になるなんて全然思わんし、むしろ多分全然違う未来になると思うが、そういう未来の予測としてより、人生とは何ぞやという部分で、自分が思っていることと見事にシンクロした、やっぱりそうだよなと、自分以外にも同じことを考えてる人間がいたってことが確認できて嬉しかった。

9位:69 sixty nine (文春文庫) 文庫 – 2007/8/3

660円

「69 sixty nine」は2004年に宮藤官九郎さん脚本で映画化もされた作品なのでご存知の方も多いかもしれません。ちなみに69とは卑猥な意味合いではなく、1969年という意味でベトナム戦争や第2次安保闘争、学生運動、ビートルズといった激動の日本の中で村上龍さんの故郷長崎に住む高校生たちを主人公とした青春小説となっています。
年代によって理解できない部分があるとは思いますが、笑いや満ちてくるエネルギーは共通です。
熱くて淡くてやるせない青春の描写や文体がとにかく惹きつけてくれます。
それぞれのキャラクターが小説のなかでいきいきとしていました。

笑える小説というのは人によって違うし運命的なものでなかなか巡り合えるものではないですが、
その分凄く印象に残ります。おもしろかったです。

8位:新装版 コインロッカー・ベイビーズ (講談社文庫) 文庫 – 2009/7/15

1,012円

「コインロッカー・ベイビーズ」は実際にあった事件をもとに書かれた小説で、コインロッカーで生まれたキクとハシという二人の物語です。母親を探し東京に出たハシを追い同じく東京へ出たキクは「ダチュラ」というもので世界を破壊することを目論むようになります。リアルな描写、直視するのが辛くなるシーンもありますがそれだけ心に響く作品としてあなたの心を揺さぶります。
とことん暗く悲しいストーリー。
ただ絶望ではなくどこかに光が見える。
村上氏は天才なのだろう。こういう小説を書く人って、どんな頭の構造をしているのか、興味がある。

7位:オーディション (幻冬舎文庫) 文庫 – 1997/12/1

545円

「オーディション」は村上龍さんのサイコホラー作品として代表的な作品です。42歳の青山という男性が再婚相手を探すためのオーディションを行うことから物語は始まります。4000人もの応募者の中で青山の目にとまったのは24歳の山崎麻美という女性。不思議な魅力を持つ山崎に惹かれていく青山でしたが、彼女が青山に求めたのは完璧の愛でした。この作品は1999年に映画化されていますが上映中に途中退席者やショックで倒れた人が続出したことで話題になりました。
 最後まで飽きずに一気に読める。
 そして単純にいってほんとにこわい。どきどきしながら読めるし、
ぜったいなんかある、っていう期待を裏切らない最後の臨場感もよかった。
ほんとうに近くで起こってもおかしくない話だからリアルで恐いんだと思う。

6位:新 13歳のハローワーク ハードカバー – 2010/3/25

2,860円

刺激的な作品が多い村上龍さんですが「新 13歳のハローワーク」は子どもに向けた職業案内本です。もちろん普段の村上龍さんの刺激的な描写はこの本では登場しません。世の中にある職業を紹介し、その職業を目指すためにしなければならないことを教えてくれる素敵な作品になっています。将来を見据える年を迎えるお子さんにぜひ読んで欲しい1冊です。
中学にもなると職業体験があったり、将来の事を考える授業があったりするので、宿題が出た時は使ってよく読んでたみたいです。世の中にどんな仕事があるかなんて説明も難しいので、購入して良かったです
ちなみに、こちらの商品去年の子供の誕生日プレゼントに買いました。意外と喜んで見てました。

村上龍作品の人気おすすめランキングTOP5~1

5位:イン ザ・ミソスープ (幻冬舎文庫) 文庫 – 1998/8/1

586円

「イン ザ・ミソスープ」は歌舞伎町の風俗ガイドであるケンジが得体の知れない外国人のフランクをアテンドするうちに連続札事件に巻き込まれていく内容のサイコサスペンスストーリーです。タイトルである「味噌汁」は現代の日本社会と日本人を象徴するもの、そしてフランクは―。考えさせられる内容ですがセックスと暴力の描写が濃いので注意して読んでください。
悲しいとも爽快とも言える、なんとも奇妙な気分になる一冊でした。
主人公のケンジが、アメリカ人客フランクの世界にみるみる引きづり込まれていく様子がよく描かれています。
読んでいながら次の展開が気になって、はらはらどきどき、次は一体どうなっちゃうのーっ???と引き込まれました。
気持ち良いほど残酷な本を読みたい方にお勧めです。是非お試しを。

4位:希望の国のエクソダス (文春文庫) 文庫 – 2002/5/10

792円

中学生の大規模な不登校が発生し、約80万人の中学生が日本を捨ててネットビジネスに手を出すという内容の作品で、もと中学生だった彼らはやがてエクソダス(脱出)を試みるようになります。中学生の反乱を通し、現代の日本に警鐘を鳴らす作品となっています。現代の日本における絶望だけではなく、希望も描いた名作です。
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