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37位:蜜花めぐり (双葉文庫) 文庫 – 2019/4/11 乃坂 希 (著)

662円

中堅の製菓メーカーで営業をしている主人公の星野純平は性的な欲求は高いながらも女性と付き合うのは苦手、という現代男性によく見られる兆候を持つ男性。しかし、ある日道端で助けた老婆からお礼に渡された招き猫のキーホルダーのご利益により想像したとおりの女性と次々に巡り合うことになります。ファンタジー感の強い作品ではありますが、主人公の設定が世の男性に合致することもあり、ぐいぐい読める作品になっています。
登場する女性たちはそれぞれに魅力的だが、主人公の純平君が女性をモノ扱いせず、常に思い遣りをもって接する姿勢が気に入った。当然ながら濡場もしっかりと描写されていて気分が高揚したし、どうせならこの小説のような濃厚でありながら心の通ったセックスが理想。

36位:ゲルマニウムの夜 王国記I ゲルマニウムの夜王国記 Kindle版 花村 萬月  (著)

815円

街で人を殺し、身を隠すために古巣の修道院兼教護院に戻った青年の朧が、修道院でも修道女を犯し、神父に性の奉仕をし、暴力をふるうなど冒涜の限りを尽くしていきます。ストーリーは非常に残虐で苦手な方はとことん苦手だと思われます。しかし、グロテスクでエロティックな描写がどんどん続いていくにも関わらず続きが読みたくなる不思議な魅力を持つ物語です。
花村氏は本作で芥川賞を受賞した。
十年以上前、芥川賞受賞時の文芸春秋で読んだ。同時受賞は藤沢周の『ブエノスアイレス午前零時』(なぜに『ブエノスアイレス摂氏零度』とそっくり・・・?)。

個人的には、花村氏の書く物は好きではないが、この作品は別格である。
主人公は犯罪者で教会に逃げ込み、そこでも涜神的な行為にふけるという悪漢小説仕立てなのだが、暴力描写やラストシーン近くの妊娠した豚を殺し豚の胎児を火の中に放り込む黙々と赤羽神父の描写などがあまりにも強烈である。それ以来の10年間にわたってこれほど強烈な印象を残す芥川賞受賞作は出ていない。

続編にも目を通そうとしたが、この第一話ほどの凄みは無いのでやめた。一応、この一作で完結している(芥川受賞時に、選考委員の石原慎太郎だったかが完結物として読んだのにシリーズ物かよ、と文句を言っていた)ので、シリーズ物はハードルが高いと思わず、まずはこの一巻から読んでみることをお薦めする。

35位:あやまちは夜にしか起こらないから (新潮文庫) 文庫 – 2018/7/28 草凪 優  (著)

605円

一夜だけの関係を経験したことがある方は意外に少なくないようですが、この「あやまちは夜にしか起こらないから」はそんな一夜の関係から始ある物語です。私立学園の新任教師佐竹は妖艶な音楽教師万輝と一夜の関係を持ちますが、彼女の一言により運命が狂っていってしまいます。近年話題になっている「ポリアマリー」という、合意のもとに複数人と関係を結ぶ恋愛関係をテーマにした作品なので、ポリアマリーに興味を持っている方にもおすすめです。
最近流行りの寝とり系のイメージで読みはじめて、驚きました。他の適当な官能小説の流れは気持ちいいくらい無視。ぶっちゃけ、性描写が邪魔だと思うくらい没頭してよんでしまいました。

とにかく、ハイスペックセレブと甘ったれな凡人くん、どちらも悪意ある表現をすることなく、この作家さんは本当に人間が好きな方なんだなと思いました。読後感はすごくよかったです。

34位:雛の家 (中公文庫) Kindle版 久世光彦  (著)

922円

二つの世界大戦の狭間、激動の中で少しだけ世界が凪いでいたころの時代を舞台に日本橋にある老舗人形屋のゆり子、真琴、菊乃という美しい三姉妹の物語を描いた作品が「雛の家」です。艶やかでありながら陰を感じさせる文章が一層官能感を引き立てており、非常に耽美な作品になっています。色気のある文章が好きな方にもおすすめです。
初めて久世さんの小説を読みましたが、もともとドラマの脚本もたくさん書かれていたので、構成がとてもしっかりしています。また登場人物の性格付けも明確ですし、背景となる時代の描き方もストーリーとのかかわりの中でうまく表現されていると思います。
そしてなにより、3姉妹の心の揺らぎが心憎いほどうまく描かれています。たとえ戦争だろうと家が没落しようと、信念は変えないという潔さが清清しい読後感を与えてくれます。

33位:高慢女性課長 (二見文庫) 文庫 – 2016/10/26 霧原 一輝  (著)

723円

中間管理職の早期退職募集に希望し、55歳で退職することにした只野芳朗の目的は「お気に入りの女子社員5人を各々一晩だけ好きにしていい」という、早期退職者への特典。この制度に只野芳朗は営業部一の切れ者女性課長で散々自分を馬鹿にしてきた冴子を指名します。現実味のない設定ながらも現実味のある問題を巻き込み、非常に面白い物語を展開してくれる男性向けの官能小説です。
サラリーマンの社会では、無いことですが、突飛な考え方ですが、読ましていただきました。

32位:O嬢の物語 (河出文庫) 文庫 – 1992/6/1 ポーリーヌ・レアージュ (著), 澁澤 龍彦 (著)

748円

「O嬢の物語」は1954年に発表された、知る人ぞ知る有名なSM小説です。主人公であるO嬢が複数の男性の性的な玩具になる、好き勝手に弄ばれるというストーリーになっています。SM作品なので暴力的な表現も多く見られますが、どこか上品さが漂う美しいストーリーになっています。通常の恋愛関係にも大なり小なりある「支配する側」「支配される側」という構図を考えさせられる作品です。
ヨーロッパ思想の建前は自由である。本音は死んでも命がありますように。主人と奴隷、性と自由を結びつけるのはいかがなものか。井原西鶴の好色物のほうがのびのびと書かれているような気がする。youtubeで映画も見たが原作とは違っていた。Histoire d’Oも持っているが自由に読めなかった。映画ではSとHの烙印をひとつの鏝で押すようになっていたが原作では別々に両方の尻に押すようだった。誰かのコメントで城館に入ったらすぐに剃毛するように書いていたが原作では後のほうで、それも剃毛ではなく、ワックスで脱毛するように書いていた。いずれにしてもすでに古典である。今のアダルトビデオのほうが先を進んでいる。女を苦しめる技巧も洗練されているように思うのは私だけだろうか。

31位:花びらめくり (新潮文庫) 文庫 – 2016/9/28 花房 観音  (著)

539円

官能小説を対象にした文学賞である団鬼六賞を受賞した経験を持つ花房観音さんによる艶やかな短編集が「花びらめくり」です。不定の現場でせめぎ合う間男、妻、夫のそれぞれの真相を描いた「藪の中の情事」や愛しい人からの最後の贈り物で、「私」の体を知り尽くし、何度でも快楽を呼び起こす左腕の物語を描いた「片腕の恋人」など、短編で比較的さくっと読める話ながらストーリー性のしっかりとした世界観に酔いしれることができます。
「近代文学を代表する文豪たちの名作を元に、私(花房)の妄想をくわえて官能小説にしたものを集めたのが本書」らしい。このひとならではなのが「あとがき」で自分の小説の解説をしているところ。「「学校で一番、本を読む子」として、全校生徒の前でスピーチをさせられて、「文学少女だと感心されていた」のに「今でも家にエロ本とAVが溢れている」著者による解説によると注目は、三十を過ぎて再読して、とんでもなくエロいと驚愕した漱石「それから」、男と女のフェティシズムの在り方は違うような気がする川端康成「片腕」、初めて書いた、男同士の物語である三島「仮面の告白」というところか。最後の作「仮面の記憶」(「仮面の告白」)を読み終えた直後のあとがきまで読んでしまうと、「ああ、やっぱり花房だ」。慣れてくるとこの「官能」「解説」、やみつきになってしまう。

官能小説人気おすすめランキングTOP30~21

30位:鬼ゆり峠〈上〉 (幻冬舎アウトロー文庫) 文庫 – 2008/12/1 団 鬼六  (著)

1,005円

日本のSM文学を愛する方の中で非常に有名な団鬼六さんが描く、SM超大作小説が「鬼ゆり峠」です。SMに詳しくない人が多くイメージする鞭で叩くという分かりやすい身体的な暴力表現をほとんど使わずに肉体的にも精神的にも女性を追い詰めていく様がエロティックに描かれています。時代もの、かつSMものなので初めて官能小説を読む方にはとっつきにくい作品かもしれませんが、物語として非常におすすめの1冊です。
 鬼六先生の作品は、むやみに鞭で叩くとか不細工な二流・三流SM小説とは違うのはご存じの通りである。高嶺の花で気高く美しく、手出しができない程のいい女を肉体的にも精神的にも淫猥な方法で屈服させる、という読み手がむらむらする作品のが特徴。奸計を練って風呂に入っているところを急襲して、縛りがそんないい女の動きの全てを封じ込める。全裸にさせた美女の脚を開かせ「姫泣き油」で耐えがたきまでに追い詰めて、じらしにじらして彼女にとって初めての絶頂に追い込む。後半部分には、彼女の秘所の秘密が暴かれ、さらにそこに淫猥な責めが加えられる展開で下巻に進む。フェミニストである鬼六先生の作品にしては、やや残虐性もあるがその詳細な描写はほとんどないのが救い。淫靡な夢想が現実化したかのような錯覚を感じさせる描写力は超一流であろう。

29位:肉体のファンタジア (集英社文庫) 文庫 – 2003/11/20 小池 真理子  (著)

482円

「肉体のファンタジア」は恋愛小説の名手である小池真理子さんが肉体のパーツをモチーフに体の神秘的な不思議と官能の瞬間などをファンタジックかつ襟ティックに描いたエッセイ集です。ふくらみ始めた「乳房」、「目」を見つめ合うだけで分かり合える関係。受話器の向こうからこぼれる吐息のような「声」など、肉体に刻まれた官能の風景を鮮やかに表現しています。
骨から始まり子宮で閉じる。
その間には、指、歯、顔、乳房、唇、毛、目、贅肉、臀、背中、声、皮膚、鼻、爪、舌、臍がある。
小池真理子さんの感性がまさにドライに、時にウエットに書き綴られる。
そしてエロティックでもあり中性的でもある。

ふと読み終えて思ったのは、そこに、常に小池さんの本の中で扱われる性愛の根本部分である男性自身がタイトルとして存在していない事である。
いったいどうしてなのだろうかと、また小池作品を読み続けなければならない。

28位:新・凌辱女子学園1 宿命 (フランス書院文庫) Kindle版  [アダルト] 綺羅 光  (著)

770円

「新・凌辱女子学園1 宿命」は美人母娘を性奴隷として堕とし、陵辱する様を濃く描写した官能小説です。官能小説としては非常に長くシリーズの続いた作品で「凌辱女子学園」は11巻までこの「新・凌辱女子学園」は14巻まで刊行され、多くのファンを獲得しています。いわゆる「官能小説らしい官能小説」なのでやや癖が強く、初めて読む方には受け入れにくい部分もあるかもしれませんが、好きな方はハマる作品です。どちらかというと男性向きかもしれません。
個人的に官能小説の中で最高評価です。
魅力的な女性登場人物がエロに飲み込まれていく過程が丁寧に描かれていて最高に興奮します。
3巻まで飽きることなく読破しました。

27位:寂花の雫 (実業之日本社文庫) 文庫 – 2012/8/4 花房 観音  (著)

586円

京都の大原を舞台に、1日にひと組しか客をとらないという一風変わった民宿を経営している平本珠子が民宿に泊まりにきた客の男性と関係を持つ様を描いた官能小説が「寂花の雫」です。美しい京の四季と性愛を艶やかに表現した作品で、その舞台背景の美しさも人気の要因の一つになっています。京都という街に心惹かれる方であれば非常に興味深く読める作品ではないでしょうか。
指人形より先に見ておいてよかったと思った。あちらが人間の隠匿する奥底をえぐるかのような「切羽詰まった性の短編集」であるのに対し、こちらは、秘密が顕になるにつれて主人公の女性に深みが増していくとはいえ、心の琴線に触れるか触れないか、すれすれのところで上手くまとめられていて、重苦しい胸苦しさをまったく伴わぬ「亡き夫からの旅立ちの物語」のように感じられたからだ。大原の四季も美しく描き出され、ため息がでるほど綺麗だ。また私は平家に少しばかり縁があるため、思わぬところで平家の歴史に触れられて感無量だった。

26位:ダブル・ファンタジー 上 (文春文庫) 文庫 – 2011/9/2 村山 由佳  (著)

638円

官能小説といえども性描写重視でなく、恋愛小説として物語が進行していく中で官能的な描写が登場するというテイストなので、初めて官能小説を読む方や女性のアタにおすすめです。官能シーンはしっかりと濃厚に描きながらも上品さを損なわず、恋愛の流れとしてナチュラルに受け入れることができます。恋愛小説としてもおすすめの作品です。
官能小説といえども性描写重視でなく、恋愛小説として物語が進行していく中で官能的な描写が登場するというテイストなので、初めて官能小説を読む方や女性のアタにおすすめです。官能シーンはしっかりと濃厚に描きながらも上品さを損なわず、恋愛の流れとしてナチュラルに受け入れることができます。恋愛小説としてもおすすめの作品です。
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