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筒井氏の本は時をかける少女と1~2冊程度しか読んだことがなかったのですが、本当に実験的で、常にチャレンジングな表現を探していたのだなぁと驚かされました。
他の小説の書き方の本とはやはり違い、教科書的な構成でなく、自他の小説の優れた点、良くない点を挙げており、副読本として最適だと思います。
特に作品の「凄み」の話、「だれ場」の入れ方と良いだれ場、反復がためになりました。
上質な小説の例を用いて書かれていて、モチベーションが上がりました。

14位:文学部唯野教授 (岩波現代文庫―文芸) 文庫 – 2000/1/14

1,188円

究極のパロディ、あるいは抱腹絶倒のメタフィクションか。「文学部唯野教授」は「大学」と「文学」という2つの制度、権力と渡り合った、爆笑と驚愕の1冊です。高尚な内容を極限まで噛み砕き、狂気的なまでの天才っぷりを発揮している作品として非常に高い評価を得ています。このような小説を書けるのは筒井康隆さんしかいないでしょう。
 浅学非才な私如きのレビューだから、最低の印象批評にすらなっていないと思う。素人の読書感想文と思ってもらえば良い。カリカチュアされた大学教授達の俗物性と、至極分かり易く書かれているが文学批評理論の高尚さのギャップが凄まじく、20世紀に書かれたとは思えぬほど今読んでも破壊力がある。やはり筒井康隆は天才と言うよりないだろう。恐らく筒井康隆自身が受けた批評が如何に論理性の欠如したものであるか辛辣に批判しているものと思われ、ほとんど実名に近い形でやり込めている箇所も見られるが、当人が読んでもグウの音も出ないのではあるまいか。こんな狂人に近い天才作家はアンタッチャブルであり、実際筒井康隆はそういう扱いを受けて来ているように思う。
 いやホントに自分でこんな感想文を書いててレベルの低さが恥ずかしくなって来る。この本を書いた筒井康隆は凄い。ただただ絶賛しておこう。

13位:陰悩録 リビドー短篇集 (角川文庫) 文庫 – 2006/7/22

691円

「陰悩録 リビドー短篇集」は人類の過剰な「性」にまつわる悲喜を描いた作品で、爆笑と物悲しさが漂う短編集になっています。テーマとしては非常にバカバカしいようなものですが、筒井康隆さんならではの細かいテクニックが光り、相対的に「名作」に仕上がっているはさすがとしか言いようがありません。
パッケージに特に問題はなく、思っていた以上によい状態で届きました。
70年代から80年代にかけての筒井康隆作品・とりわけ短編はその発想・奇想が素晴らしく、日常生活から大宇宙までドタバタと騒がしく駆け抜けておりました。時にナンセンス、時にエロ、そして時に本格SF・・・。作品ごとに文体を変えるなどのトリッキーな作風は今なおパワフル。絶版にしてはイケナイ書籍がゴマンとあります。むしろ、筒井康隆を知らない若い世代にこのようなテーマ別短編集は読書会でもして強引に読ませるべきかも。てか読め(笑)。

12位:残像に口紅を (中公文庫) 文庫 – 1995/4/18

802円

「あ」から順番に世界から言葉が一つ、また一つと消えていくという、小説として非常に衝撃的なテーマを扱っているのが「残像に口紅を」です。消えた音を持つ物は世界から消え、記憶も消えてしまいます。音が消えていく世界の中で執筆していく小説家の苦悩を恐ろしいほどの技巧で記した感動作で、とにかく前情報なしに読んで欲しい1冊です。
最初の章は、『世界から「あ」を引けば』であり、以後、この小説に「あ」の文字は現れない。この章で、筒井康隆を連想させる作家と評論家が登場して、”言葉が消え、その言葉が示していたものが世界から消える”ルールの設定がなされる。章が進むにつれて、どんどん言葉が消滅していく世界。第2部に入るときには、すでに28文字が消失している。そして、凄いことに、単に文字が消えていくことに汲々とした物語ではなく、文字が消えることに哀しみを感じる感動的な物語になっているのである。奇跡のような実験小説の傑作。

11位:日本以外全部沈没―パニック短篇集 (角川文庫) 文庫 – 2006/6/24

691円

「日本以外全部沈没」は小松左京さんのSF小説のヒットを祝うSF作家たちの集まりで、星新一さんが題名を考案し、小松左京さんの許可を得て筒井康隆さんが執筆したという、エピソードから豪華な作品。内容は題名の通りで、元々オマージュ的な要素があるので、この作品を読むにあたってはぜひ「日本沈没」を読むことをおすすめします。
最初の「日本以外全部沈没」は、「日本沈没」全巻4冊読んだ後の、「食後のデザート」というところ。
他の短編は、読んだ後にフッとタバコのドーナッツを口からポーンと出したくなるような作品。重すぎず、軽すぎず、仕事に疲れてチョット読んでみると気がまぎれる感じの出来。
何もかもがお手ごろって言う感じですね。

筒井康隆作品人気おすすめランキングTOP10~6

10位:にぎやかな未来 (角川文庫) 文庫 – 2016/6/18

648円

生活の全てがコマーシャルに利用され、退屈しのぎに聴くFMラジオでさえも執拗にCMが入る世界で、ラジオの電源をきる者を罰する法律が制定される、という表題作「にぎやかな未来」を含む41編のショートショートを収録した1冊です。未来に対する警告を軽妙な笑いの中に内包するという筒井康隆さんらしいテイストの作品になっています。
SF短編集ですが、それぞれがまるで、現代を予知していたかのような内容で驚きます。
広告で煩わしい現在や、SNSの煩わしさや怖さなどをまるで予知していたようです。
昔の作品だけど今、読んでみると面白いと思います

9位:虚航船団 (新潮文庫) 文庫 – 1992/8/28

853円

「虚航船団」はなんといってもその突飛としか言いようのない世界観が魅力の作品です。擬人化された文房具とイタチ族との壮絶な戦いの顛末を描いた内容で、宇宙と歴史のすべてを呑み込んだ驚異の文学になっています。時間も空間も飛び越え、話も飛びまくるので非常に混乱する話ではありますが、この混乱を楽しめる方には非常におすすめです。
分かる人にはわかる、分からない人には全くわからない作品です。
時系列やエピソードが入り乱れながら、物語が進んでいきます。当時著者が親交のあった山下洋輔や坂田明などのフリージャズを小説で表現しようとした実験的作品でもあります。
登場人物(?)は文房具と鼬のみ。
モチーフは聖書の文体。
ジャズ好きでクリスチャンの私は楽しく読めました。

8位:大いなる助走 (文春文庫 (181‐3)) Kindle版

460円

文学賞を狙う作家、文学賞選考委員会の実情、地方への空虚な文学講義など、文壇界の内情をフィクションで発表したのがこの「大いなる助走」です。筒井康隆さんが直木賞に3度ノミネートされながら落選を繰り返した怨恨を晴らすために書いたという作品ですが、上手く笑いと皮肉を混ぜながら書かれていて、非常に面白い1冊になっています。
”跳躍台なきわれらが永遠の助走、呼び出されることなきこの大いなる待機が、はたして何の役に立っているのか”直木賞選考を含む文壇の内幕を描いた小説として有名な本書は本来ならドロドロな暴露話になりそうな所、著者の毒の効いた喜劇的な描写で最後まで楽しく読む事ができる。

とはいえ、今風に言えば炎上をかなり意図的に仕掛けているであろう内容に、よくまあ当時、連載が続けられ、しかも後に映画化までされていた事に驚きを覚えずにはいられない。文庫表紙は著者の直筆からだとも言われてますが、いや、ここまでするとは。。

直木賞、あるいは文壇をテーマにした作品、あるいは悪意と私怨をエンタメ化した作品を探す誰かにオススメ。松本清張ファンにも、もしかして。

7位:ロートレック荘事件 (新潮文庫) 文庫 – 1995/1/30

680円

「ロートレック荘事件」は郊外の瀟洒な洋館で次々に美女が殺害されるという内容のメタ・ミステリーです。推理小説史上初のトリックが読者を迷宮へと誘う内容になっており、確実に驚くような仕掛けが施された作品になっています。フラットな頭で読むことでより楽しめる作品なので構えずに読んで、騙されることを楽しんで欲しい作品です。
20年以上前に一度読んだときは「ああそういうオチか」とさしたる驚きもなかったが、
そのかんじんなトリックをすっかり忘れていたこともあって久々に再読。
本編~解決編と読み続け、その種明かしを知った上で本編を再読すると、
そこには一度目とはまったく異なる物語世界が展開されることに驚嘆する。
まさに1冊で2冊分の面白さ、読者にはぜひ「二度読み」をお薦めする。

筒井康隆作品人気おすすめランキングTOP5~1

5位:旅のラゴス (新潮文庫) 文庫 – 1994/3/30

562円

文明を失った代償として個別に超能力を得た未来を舞台に、世界を旅するラゴスという男の物語をファンタジーテイストに書き上げているのが「旅のラゴス」です。筒井康隆さんの作品の中でも評価の高い作品の1つになっており、年齢を問わず愛されています。壮大なスケールで描かれている作品で、初めて筒井康隆さんの作品を読む方にも非常におすすめできる1冊になっています。
ラゴスの旅が終わりに向かうにつれて(残りページが少なくなるにつれて)、もっと旅を見ていたいと思いました。スカシウマが好きでした。

4位:モナドの領域 単行本 – 2015/12/3

1,512円

筒井康隆さんが自身の最高傑作にしておそらく最後の傑作と語るほど、筒井康隆さんの全てを注ぎ込まれた長編作品が「モナドの領域」です。メタ・フィクション、アイロニーを含ませ、神への考察などを盛り込んだ内容になっており、内容はもちろん、そこに至るまでの過程にも仕掛けが施され、一流のエンターテイメントとして素晴らしい作品になっています。筒井康隆さんを初めて読む方でもあえてこの作品から読んでみるとより衝撃が大きいかもしれません。
日本でノーベル文学賞をとるとしたら筒井先生であると子供のころから思っていました。
TV番組に出演している教授の姿に、舞台「弱法師」で拝見した筒井先生を重ねて読みました。
本作では読者に「お別れ」をおっしゃっているようで、もの悲しくなりましたが、「時をかける少女」を初めて読んだときのみずみずしい気持ちも思い出しました。
まだまだこれからも傑作をお願いいたします。

3位:わたしのグランパ 単行本 – 1999/8/30

1,980円

名作「時をかける少女」から35年、筒井康隆さんが満を持して執筆したシリアスジュブナイルが「わたしのグランパ」です。刑務所からやってきた任気溢れるお祖父さんと中学生の孫娘が繰り広げる大活劇物語になっています。ジュブナイルだけあり、読みやすさにもこだわっているため、初めての方でも入り込みやすい作品です。登場人物が非常に魅力的に描かれているのもおすすめのポイントです。
名作「時をかける少女」から35年、筒井康隆さんが満を持して執筆したシリアスジュブナイルが「わたしのグランパ」です。刑務所からやってきた任気溢れるお祖父さんと中学生の孫娘が繰り広げる大活劇物語になっています。ジュブナイルだけあり、読みやすさにもこだわっているため、初めての方でも入り込みやすい作品です。登場人物が非常に魅力的に描かれているのもおすすめのポイントです。
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