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山岳小説としての新田次郎を読みあさってた私に父が勧めてくれたのがこの作品。
それまでの山岳小説とは勝手が違うが、引き込まれ方は同じ。
ぐいぐい引き込まれて一気に読んでしまった。
新田次郎らしく、気象についての理が詳しくて面白い。
作者の背景を知っているからこその楽しみ方ができる。

経済小説の人気おすすめランキングTOP15~11

15位:希望の国のエクソダス (文春文庫) 文庫 – 2002/5/10 村上 龍  (著)

778円

「希望の国のエクソダス」が出版されたとき、作者である村上龍さんは中学生に期待を託しているのがという批判があったそうです。2002年秋、80万人の中学生が学校を捨て、経済の大停滞が続く中、彼らはネットビジネスを開始し、情報戦略を駆使し、日本の政界や経済界に衝撃を与える一大勢力へと成長し、そして―、という内容で非常に大きなスケールの中で現代日本の絶望の中に見える希望を描いた作品となっています。
構想の期間を含めると、およそ20年前の作品です。
にも関わらず、仮想通貨やトークンエコノミー、地域創世、昨今ブームになっているオンラインサロンを軸にした「小さい経済圏」など、最近になって話題になってきたトピックスが次々と現れて驚きました。
今読んでも内容が全く古くありません。

あとがきにもある通り、本書は著者による2000年時点での「教育改革案」です。
その後、この案についての考えがどうなっていったのかが気になり、他の作品も読んでみたくなる。

14位:巨大投資銀行(上) (角川文庫) 文庫 – 2008/10/24 黒木 亮  (著), 多田 和博 (デザイン)

994円

国際金融小説の新たなる金字塔と名高い名作が多田和博さんによる「巨大投資銀行」です。旧態依然とした邦銀を飛び出し、ウォール街の投資銀行に身を投じた主人公が数々の案件の中で成長していく過程を描き、世界規模の金融激変期を圧倒的なクオリティと迫力で描いた名作となっています。経済小説とは、という疑問の答えをくれる作品です。
今でこそ「外資証券マン」といえば、日本で「エリートサラリーマン」「高給取り」と認知されていますが、物語のスタートは、オイルショックが終わって、日本が安定した経済大国として確固たるポジションを築き始めた時代。Japan as No.1として、世界が日本にならえの時代に、敢えて日本の伝統的な都市銀行から外資証券に飛び込んだ金融マンの物語です。

一応フィクションですが、マーケットで起きた実際の事件がベースにあるので、バブル期前後の経済イベントが大変わかりやすく学習できます。

ただし、債券市場に関する知識が少しはあったほうが(少なくとも抵抗感がないレベル)いいと思います。
というのも、経済小説というジャンルの中でも債券市場を扱う本書は、一般的になじみのない用語であったり、投資スキームが出てくるため、勉強にはなりますが、それがネックとなって挫折するかもしれないためです。

13位:左遷社員池田 リーダーになる〜昨日の会社、今日の仕事、明日の自分〜 単行本(ソフトカバー) – 2016/7/20 鈴木 孝博  (著)

1,404円

アットホームな中堅企業フリージアの社長が急死し、娘婿が元敏腕経営コンサルタントともに改革断行を行うも業績はどんどんジリ貧になってしまいます。そこで立ち上がったのが急死した前社長とともに会社を築いたナンバー2の男。かれは左遷され落ち込んでいた中堅社員に目をつけ、リーダー修行をさせます。小説を通し経営、リーダー論を学ぶことが出来るほか、営業や企画、総務、経理などが果たすべき役割などを明快に記している作品です。
本書は、よくある中途半端な小説が間に入った自己啓発本ではなく、ちゃんと小説として成り立っている。
テーマがあり、キャラが立ち、ストーリーが通っている。また、伏線も随所に施されていたりなど、一気に読み切ることができた。
本書はタイトルにもあるとおり、一度左遷された主人公が前向きに自社を再興していく物語だ。ただ、主人公だけでなく、登場人物それぞれに悩みを抱えており、最終的には自身で乗り越えている。
これらをご都合主義と捉えてしまうのは、とてももったいない。誰しも人生の一度や二度、落ち目が訪れる。本書はその際に持つべき大切な考え方をとてもわかりやすく示してくれている。
私自身、ちょうど主人公と少し似たような境遇に陥っていたので、本書から力を貰えた。また、しばらく頑張ってみたい。

12位:波のうえの魔術師 (文春文庫) 文庫 – 2003/9/10 石田 衣良  (著)

670円

謎の老人がフリーターの青年を復讐のパートナーに選び、銀行への罠を仕掛けていきます。マーケットのAtoZを叩きこまれた青年と老人のコンビ挑むのは預金量第三位の大都市銀行。知力の限りを尽くした復讐の行方は―。新時代の経営クライムサスペンスとして人気を集め、ドラマ化もされた名作です。
ドラマを見てからこちらを読むとすんなり入ります。

ドラマの主人公がとにかくかっこよくやくざの親方役もすごくイカしてます。
その後に小説を読むと引き込まれる面白さにはまります。

自分もあたかもうまくなった気がしますがそれは現実ではないので目を覚ましましょう。
ニートの方にはおすすめできません。

11位:鉄の骨 (講談社文庫) 文庫 – 2011/11/15 池井戸 潤  (著)

940円

入社後数年で畑違いの部署に異動させられたサラリーマンが苦悩しながらも、背景となる建設業界の構造、すなわち社会の構造を説いていく内容で、サラリーマンの方から共感と支持を得ているのが「鉄の骨」です。サラリーマンという立場が成せること、社会での立場、競争の中で生きていくことの意義を教えてくれる作品になっています。人生の選択肢が広がる名作です。
ゼネコンによる談合を題材にした長編小説だが、読み始めると引き込まれるように楽しんで読めた。

主人公が談合に関与することは悪いと認識しながらも、会社という枠組みの中で、もがきながら働く姿はリアリティがありました。
望まない人事異動に対し向き合う姿など、サラリーマンなら共感できる部分が少なからずある本だと思います。

読後にこの小説にはモデルがあるのかと思い調べてみたら、名古屋地下鉄延伸工事での談合事件がモデルとなっているようでした。
社会的な過去の事件についても調べるきっかけとなったことも読んでよかったと思うポイントでした。

経済小説の人気おすすめランキングTOP10~6

10位:かばん屋の相続 (文春文庫) 文庫 – 2011/4/8 池井戸 潤  (著)

724円

池井戸潤さんの「かばん屋の相続」は銀行を舞台に取引先の人間関係やそれに伴う葛藤などを鮮やかに描いた短編集です。表題作の「かばん屋の相続」をラストに、6篇の短編が秀句されていますが、どれも銀行員たちが主役で、しかし舞台は銀行ではなく家庭の問題だったりと様々。人情味のあふれる作品で、池井戸作品を読んだことのない方にもおすすめです。
個々の物語がリンクしない短編集ですが、どれも熱くなり切なくなるストーリーで、一冊の本としてまとまっているように感じました。
銀行員と社長との関わり方について勉強になりました。この3月で異動になり取引先へ挨拶回りをしているタイミングで読んだので、余計にジンと来ました。

9位:銭の戦争 第一巻 魔王誕生 文庫 – 2012/4/4 波多野 聖 (著), 森 美夏 (イラスト)

617円

三井銀行で出世街道を歩む男の次男として明治21年に誕生した享介は両親さえも恐れを抱くほど怜悧な青年へと成長していきます。やがて父に投機家の才能を見出され、相場師の道を進むことになるのですが、享介の行く手には天国と地獄が待ち受けているのです。日露戦争を背景に、魔王と呼ばれた天才相場師をするどく描いた作品で、非常におもしろく、ハマってしまう方が続出しています。
一人の相場師が誕生します。
随分と若いですが、なるほどと納得できます。
狂介の活躍に期待です。

8位:マグマ (角川文庫) 文庫 – 2009/8/25 真山 仁  (著)

720円

地熱発電会社の債権に命をかける研究者や原発廃止を提唱する政治家など様々な思惑が交錯する中新ビジネスに成功の道はあるか、という現代社会の問題点、そして注目の次世代エネルギーの可能性を探る、大型の経済情報小説が「マグマ」です。世界的にエネルギー情勢の変動が起こっている中、世の中の問題点を浮き彫りにするような作品になっています。
福島原発事故以降、再生可能エネルギーに注目が集まっているが、その多くは太陽光、風力である。それらは不安定性から、原子力推進論者からの反対も多い。しかし、我々は、日本の特徴を生かした大地の恵みに目を向けて、安定した再生可能エネルギー資源を沢山持っている。これに気づかない方は多い。
 私が地熱に興味を持ったとき、この小説の存在を知らなかった。それだけに、一気に読み通した。ビジネス小説として、また政権の中枢に切り込む手法と結果としても、(小説なので仕方ないが)うまく行き過ぎているきらいはあるが、筆者がエネルギー関係資料を十分調べただけあって、説得力のある、またストーリーとして面白く出来上がっている。最後のタービン始動のボタンを押す場面は感動の瞬間を共有した。再生可能エネルギーと原発問題に興味を持つ人に是非読んで欲しい。また、ほかのレビューにもあったが、映画化も是非お願いしたい。

7位:海賊とよばれた男(上) (講談社文庫) 文庫 – 2014/7/15 百田 尚樹  (著)

810円

本屋大賞受賞や映画化など話題になった作品なのでご存知の方も多いかもしれません。「海賊と呼ばれた男」は敗戦後の全てを失った日本で、出勤簿も定年もない異端の石油会社を設立します。一代かけて築いた資産のほとんどを失い、借金を負いながらも店員の一人たりともクビにせず再起を図ろうとする男の生き様が感動を呼ぶと話題になり、高い評価を得ています。
巷では、作家が右翼とか言われているようで、一橋大学の学園祭での講演会は実行委員の皆さんがノイローゼになるくらいに平和活動をしている学生や教職員やその協力者の皆さんに徹底して脅されて直前中止に追い込まれましたが、そのようなくだらない評価に惑わされず、右翼も保守も左翼もリベラルも、みんなに読んでもらいたい本です。
これぞ、日本人!という誇りを遺伝子レベルから思い起こしてもらえると思います。

6位:新装版 ハゲタカ(上) (講談社文庫) 文庫 – 2013/9/13 真山 仁  (著)

864円

不良債権を抱え瀕死状態にある企業の株や債券を買い叩き、手中に収めた企業を再建することで莫大な利益を上げる、それがハゲタカビジネスです。「ハゲタカ」はニューヨーク投資ファンド運営社社長が不景気の最中の日本に戻り、妨害や反発を乗り越えながら企業買収の成果を上げていくという作品で、企業再建や経済観念などを深く知ることができます。
多くの方と同じく、NHKのドラマをDVDで見て、原作にも興味が湧きました。
はじめはドラマと同じかと思って読んでいたのですが、スタートから違います笑

ストーリーや登場人物も、もちろん鷲津や芝野は出てきますが、ドラマとは異なります。
しかし、だからと言って楽しめないかというと、そんなことはありません。むしろドラマに負けずとも劣らない面白さです。

ハゲタカ・ファンドをよく知らないまま、悪印象だけ持っている方は特に一度読んでみることをオススメします。
また、経済(ビジネス)小説が大好きな方にもぴったりでしょう。

経済小説の人気おすすめランキングTOP5~1

5位:オレたちバブル入行組 (文春文庫) 文庫 – 2007/12/6  池井戸 潤  (著)

756円

国民的人気を誇ったTBSドラマ「半沢直樹」の原作である「倍返し」シリーズの記念すべき第一弾が「オレたちバブル入行組」です。夢多かりし新時代を過ぎ、気が付けば辛い中間化離職へとなっていた、そんな世代への応援の意味合いが強い痛快なエンターテイメント小説になっています。銀行を舞台にした小説は銀行の悲惨さを訴える内容が多い中、新しい風を吹かせた名作です。
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