群像劇のような形式を採用し、一つの殺人事件を主軸に、様々な謎がラストにかけて一気に解き明かされていく様は非常に見ごたえがあります。人間関係の交錯や文章能力など、引き込まれる作品になっています。

物語としても非常に魅力あふれる話ですが、死刑廃止論をテーマとして描かれているので色々と考えさせられる内容になっています。加害者の立場、被害者の立場から死刑にまつわる是非を語っているため、一方の視点だけではない本質的な問題を訴えています。

大ヒット作「白夜行」の続編にあたるこの1冊は非常に重厚な本になっています。文庫でも約800ページと読み応えバツグン。どの章、節にも無駄な脱線がなく、巧みな構成を存分に味わえる作品になっています。

人気シリーズ探偵ガリレオの第6弾となる作品です。事件が上手くまとまっているのはもちろんですが、夏休みで田舎に遊びにきていた少年と、仕事できた湯川教授の出会い、そして成長がノスタルジックに描かれた名作になっています。

映画化された記憶も新しい原作となる作品です。刑事がホテルのフロントマンとして潜入捜査をする、という内容になっており、女性フロントワークとの名コンビを楽しむことができます。取っ付きやすい作品になっており、人気の高い1冊です。

ありふれた家族に降りかかる悲しい話です。家族のあり方、親子、夫婦のあり方を考えさせられる内容になっています。読後に重たい感情になる作品なのでやや注意が必要かもしれませんが、ぜひ読んで欲しい作品です。

ファンの中でも評価の分かれる作品ですが好きな方にとっては非常に「ハマる」作品です。伏線の回収などがとても見事で唸ってしまうこと請け合いの作品です。最後の最後まで気の抜けない内容で、引き込まれる名作です。

脳移植手術を受けた青年が、次第に本来の脳の持ち主に蝕まれていくという若干のホラー的スパイスも含まれたサスペンス作品です。徐々に性格が変化していく主人公の姿が生々しいほど巧みに描かれており、その筆致に酔いしれる作品になっています。

孤立した山荘という、ミステリー好きにはたまらないシチュエーションを舞台にした本格ミステリーです。東野圭吾さんの作品としては評価の分かれる作品ではありますがサクサク読める作品、引き込まれる内容というテイストが好みの方にはハマる作品と言えるでしょう。

東野圭吾さんの作品としては珍しくテロを題材にした作品です。原発というテーマなこともあり、社会性が高く、考えさせられる内容です。非常に細かく設定が張り巡らされており、内容にどっぷり引き込まれます。まさに力作と呼ぶにふさわしい1冊でしょう。

その発想力にただひたすら感心するような話の展開が特徴の作品です。犯人が最初から分かっている状態で、「なぜ殺したのか」という部分を探っていく「ホワイダニット」を存分に味わうことができます。