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28位:口語訳 遠野物語 (河出文庫) 文庫 – 2014/7/8 柳田 国男  (著), 佐藤 誠輔 (翻訳), 小田 富英

691円

日本の民俗学の先駆けとも言われる、岩手県の遠野地方に語り継がれる逸話や伝承を書き記した不朽の名作が「遠野物語」です。本来の遠野物語は簡潔な文語文で書かれていましたが、本書では分かりやすく味わい深い口語文に訳してあり、比較的読みやすい作品になっています。原典への橋渡し的な意味合いを大切にしているので大意を損なわずに記しているのでこの作品を読んでから遠野物語を読んでも面白いですよ。
原文で読んだことはあったが、この本をあらためて現代文で読むと、今まで気づかなかった部分もあり、とても興味深かった。注釈も丁寧で、読みやすかった。

27位:細雪(上) (新潮文庫) 文庫 – 1955/11/1 谷崎 潤一郎  (著)

594円

1936年秋から1941年春までの大阪の旧家を舞台に4姉妹の日常生活、悲喜交々を綴った非常に有名な名作です。阪神間モダニズム時代の生活文化を忠実に描いており、第二次正解対戦前の崩壊寸前の滅びの美を内包しているのも大きな特徴になっています。何度も映像化されており、読んだことはなくても映画やドラマで内容を知っているという人も多いかもしれません。
当時の日本での人々の生活・考え方をうかがい知りながら、
上流階級の華やかな家族の物語に引き込まれていきました。
全体を通して存在する落ち着いた雰囲気、それでも夢中になる物語の展開。そのバランスの絶妙さに日本文学の美しさを感じました。
定期的に「もう1度読みたい!」と思い出す作品です。

26位:砂の女 (新潮文庫) 文庫 – 2003/3 安部 公房  (著)

562円

「砂の女」は砂丘へ昆虫採集に出かけた男が砂穴の底に埋もれていく一軒家に閉じ込められ、あらゆる方法で脱出を試みるという内容の作品です。世界20カ国以上で翻訳紹介された名作になっています。ドキュメンタルな手法を用い、サスペンス感の強い展開の中で人間の極限の姿を追求した内容は恐怖を抱くようなリアリティを持っています。
長く休みが取れたときは、必ず読み返したくなる1冊。
話を思い返すだけで、自分が砂に巻き込まれたような感に囚われて息苦しくなる。
20代、初めてこの作品を読んでから、読ませる作家は、文章だけで人の想像力をこんなに掻き立ててくれるものだのだと知りました。
抜け出したくて抜け出したくてたまらなかった穴から空を見上げる。そして次第に憎悪と執着が生まれ、穴のことだけを考え始める。
もう故人となってしまった著者ですが、その逸脱した鬼才さは、100年後でもすたれていないでしょう。

25位:新編 銀河鉄道の夜 (新潮文庫) 文庫 – 1989/6/19 宮沢 賢治  (著)

464円

宮沢賢治氏の亡き後に未定稿という形で遺されていた永遠の未完成である表題作を含めた童話13編戯曲1編です。「よだかの星」「オツベルと象」「セロ弾きのゴーシュ」といったイーハトーブの絢爛で切ない世界を堪能できる作品たちに加え「北守将軍と三人兄弟の医者」や「饑餓陣営」「ビジテリアン大祭」などを加えた14編を収録し、宮沢賢治氏の世界観を存分に堪能できる作品集になっています。
読み直すたびに、発見があります。
今回は子供の課題図書だったので改めて購入。子供自身も、一回目に読んで再読して気づくことがたくさんあった様子。
宗教的な背景があるとか、実際にあった大きな客船の沈没事故を扱っているとか、あまりバックグラウンドをわからないような小さな子供の時に読んで
綺麗な物語だなと感動し、歴史や宗教など学んでから大人になってまた読んでも、その美しさに感動できます。

24位:告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1) 文庫 – 2010/4/8 湊 かなえ  (著)

669円

デビュー作にして週刊文春ミステリーベスト10の1位を受賞したベストセラーの文庫化です。映画化もされているので内容を知っている人も多いのではないでしょうか。ミステリーでありながらも冒頭で自分の子どもが殺されたこと、犯人はこの中に居るという告白を記し、犯人を秘さない斬新な手法で読者に強く訴えかける内容になっています。
  読む人の多くを不快にさせるであろう傑作。それは本作で描かれている醜い人物の誰かの心性に恐らくあなたが似ているからだ。少なくとも私は数人の登場人物の心性に共感してしまい、それがいかに醜く場合によって人を傷付けるものであるかを赤裸々に突き付けられて気分が悪くなった。もちろん登場人物の誰にも共感出来ず、何だコレ、人間の醜さをことさらあげつらってるだけではないかと思う人もいるだろう。それでも、本作の登場人物達が決して特異な心性を持った異常な人達ではなく、どこにでもいる普通の人達である事はわかると思う。そういう普遍的な人間の醜さを一切の容赦なく描き切った本作の文学性の高さを私は評価したい。
 作者のデビュー作だが、いきなりこんなバケモノを世に出してしまうと、これを超える作品が書けるのか心配になるくらいだ。デビュー作が生涯の最高傑作とならないよう頑張って欲しいものだ。

23位:海賊とよばれた男(上) (講談社文庫) 文庫 – 2014/7/15 百田 尚樹  (著)

810円

1945年8月15日、敗戦で全てを失った日本で一人の男が立ち上がります。彼の名前は国岡鐡造。出勤簿も定年もない、異端の石油会社の店主である彼は一代で築いた会社資産のほとんどを失い、借金を背負いながらも店員の誰ひとりの首も切らずに再起を図ります。本屋大賞を受賞し、あらゆるビジネスマンが熟読した、経済歴史小説というジャンルを超越した名作です。
巷では、作家が右翼とか言われているようで、一橋大学の学園祭での講演会は実行委員の皆さんがノイローゼになるくらいに平和活動をしている学生や教職員やその協力者の皆さんに徹底して脅されて直前中止に追い込まれましたが、そのようなくだらない評価に惑わされず、右翼も保守も左翼もリベラルも、みんなに読んでもらいたい本です。
これぞ、日本人!という誇りを遺伝子レベルから思い起こしてもらえると思います。

22位:ノルウェイの森 上 (講談社文庫) ペーパーバック – 2004/9/15 村上 春樹  (著)

605円

現代の小説家の中で圧倒的な人気と知名度を持つ村上春樹氏による5作目の長編小説がこの「ノルウェイの森」です。2010年に映画化もされており、2009年の時点では後部数1000万部を突破、中国でも100万部以上出版された人気作品です。上品な語りと美しい文章に引き込まれる作品です。
私は”そこそこ熱心な”村上春樹のファンです。
風の歌を聴けから騎士団長迄の短編長編恐らく全て読破していますし、彼の翻訳作品も大体は読んでいます。
そんな中でもこのノルウェイの森は突出していると感じます。
言葉にはうまくできないけれど、私は暇を見つけては無意識に本棚から本書を引っ張り出してあてもなくページを開き夢中で読んでいることが多々あります。それは著者である村上春樹が、又はワタナベ君がフィッツジェラルドのグレードギャッツビーを繰り返し愛読するのと非常に似ていると思う。無論フィッツジェラルドもカポーティもカーヴァーもオブライエンも彼が訳した著名な作家の本は大体読んだがそのいずれに於いても私にとってノルウェイの森を越える作品はありません。

21位:下町ロケット (小学館文庫) 文庫 – 2013/12/21 池井戸 潤  (著)

778円

直木賞を受賞しドラマ化もされた感動のエンターテインメント長編小説がこの「下町ロケット」です。研究者の夢をあきらめ家業の町工場を継いだ主人公の葛藤や挑戦を通し、読む人のなかに働くことの意義を問いかける内容になっています。男たちの矜持が激突し、心揺さぶられる作品です。
こんなに読むのに夢中になった本は、いつぶりだろう。

今の日本には、
こうやって技を磨いて夢を実現していくという、
ストーリーが必要だ。

前を向いて努力していく人が報われるためには、
お金の誘惑や、つまらないこだわりを
断ち切れた人からのサポートが必要だ。

手の届かないところに対して文句を言うのではなく、
手の届きそうな範囲でまず自分から頑張っていこうと思わせてくれる。
若い人にこそオススメしたい。

おすすめ文庫ランキングTOP20~11

20位:半島を出よ〈上〉 (幻冬舎文庫) 文庫 – 2007/8/1 村上 龍  (著)

782円

2005年に刊行された長編小説の文庫版です。綿密な取材と参考資料を使用して書かれた作品で、第59回毎日出版文化賞および第58回野間文芸賞を受賞しています。2011年春に9人の武装コマンドが開幕ゲーム中の福岡ドームを占拠、2時間後約500名の特殊部隊が来襲し市中心部を占拠するという内容で、国際的孤立を深める日本に起こった奇跡を巡る作品になっています。
この本の何がすごいって、病的なまでに書き込まれたディテール、そしてそれが醸し出すリアリティが凄い。
わたしなんて読了後、見たこともない平壌に郷愁すら感じ、自分が日本人の市民なのか北朝鮮の工作員なのか
分からなくなってしまったくらいだ。

読み終えて感じるのは、日本っていうのは快適でありながら、どこか不確かで、生命力が乏しく、現実離れした国だと言うこと。
そしてそれは多分、堂々と軍隊を持つこともできないという国家としての不確かさと通底しているのだと思う。

19位:白夜行 (集英社文庫) 文庫 – 2002/5/25 東野 圭吾  (著)

1,080円

19年前の大阪質屋殺し。迷宮入りしたこの事件に関係した少年と少女が歩む人生を叙事詩的スケールで描いた長編ミステリーの傑作と名高い作品です。息が詰まるような精微な構成が物語の中に読者を引き込むような錯覚をもたらし、長い作品ながらも中だるみが全くないのも魅力の1つです。
850ページに及ぶ長編小説であるが、寝食を忘れて作品の世界にのめりこんでいくこと間違いなし。なぜなら、誰が亮司の父を殺したのか、そしてなぜ殺したのか、亮司と雪穂の周りに生じる数々の不可解な事件と2人がどう結びついているのか、そして物語の終着点がどこなのか、など多くの謎が頭から離れなくなるからだ。アウトローに見える亮司と、一見すると華々しい成功を遂げたかのように見える雪穂の19年間にわたる生き様を、心理描写を用いずに描く東野圭吾の筆力は脱帽である。文句なしにお勧めできる。ドラマは小説を読んでからのほうが良い。

18位:海辺のカフカ (上) (新潮文庫) 文庫 – 2005/3/1 村上 春樹  (著)

767円

「海辺のカフカ」はフランツ・カフカの思想的影響のもと、ギリシア悲劇と日本の古典文学をベースに書かれた長編小説です。村上春樹氏の作品は20代後半から30代前半の主人公が多い中、この作品は15歳の少年が主人公になっており、彼の心の成長を感じられる作品になっています。
周りが何を喋っているのか解らない。人違いされているような感覚。外国語の中に取り残されたような。何も酷い目に遭っていないのに、平凡で幸せなある日、突然、日本中から「酷い目に遭ったねえ」と同情されるような。貴方が知っているという「私」の姿を知らずに生きてきた私が、急にそれを大量に突き付けられても困惑するばかり。一体、人は、そんなに互いに意識し合った狭い世界に住まないといけないものだろうか?人それぞれ生きている、同じ街の中で。すれ違うこともあったかも知れない。けれど最終的には見知らぬ他人なのだ。
むしろ、当時「誰か」を人違いしてしまった人が、2018年の夏にその過ちを振り返るのには、良いトリガーとなる本かも知れないが、間違えられた「私」本人が読むのには適していないのかも知れない、そう思いながらも覚醒するために読んでいる。

17位:永遠の0 (講談社文庫) 文庫 – 2009/7/15 百田 尚樹  (著)

946円

放送作家として「探偵!ナイトスクープ」などの人気番組を手がけている百田尚樹氏の作家デビュー作がこの「永遠の0」です。執筆にあたって第二次世界大戦で出征した父親や親族の影響を多分に受けた内容で、終戦から60年目の夏に死んだ祖父の生涯を調べていた健太郎を通してある種の戦争の本質を探ることのできる名作になっています。
戦争は人の理性を狂わせるものだと書き留められているかのようです。
人は人と関わって支え合って生きてこそ人間らしいとは言われますが、そこで言う人間と、何かの組織や団体とは違うということだと思います。

一番印象深かったのは「阿修羅」の章の模擬空戦でした。
このような本を読んだ後で言うのは不謹慎かもしれませんが、戦闘機での戦いがとてもかっこよかったです。宮部飛曹長の腕と頭の良さ、優しさと潔さ、そして執念が凝縮されているような空戦でした。
戦後、生き残ってヤクザになった景浦にとって宮部の生存は、何かに対する一縷の望みだったのではないでしょうか。

また、太平洋戦争の幕開けとなる真珠湾攻撃、第二次世界大戦を学ぶきっかけにもなりました。
日本が犯した失敗、真珠湾攻撃に纏わることについてもう少し知りたいと思いました。
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