2007年に発売された14thシングル「スーツケース/幸せですか」は両A面シングルとして発売され、この曲はリード曲として収録されています。ピアノをメインとした落ち着きのあるバックサウンドと、いつもより切なさの感情を全面に出している川嶋あいの歌声がセンチメンタルさを感じさせます。ファルセットも多く使用しており、高ぶり過ぎないようにしている歌唱力の高さが分かります。最後のサビでのギャップがあり、切ない雰囲気からの前へ向く決意が表れているようです。繊細ながら、気持ちの良い一曲です。

2007年に発売された15thシングル「ドアクロール」のリード曲であるこの曲は、Wii用ゲーム「チョコボの不思議なダンジョン 時忘れの迷宮」のテーマソングとして起用されました。まるで童謡のような心地よいテンポと音域で、聴いていると思わず身体が横に動いてしまいます。川嶋あいの楽曲の中では珍しくドラム、エレキギターが前面に出ているバックサウンドですが、曲の雰囲気を壊しておらずいいアクセントになっています。いい意味でサクサクとした印象があり、元気や優しさを与えてくれる一曲です。

2015年に発売された23rdシングル「とびら」のリード曲であるこの曲は、「東北の子ども達の今の気持ちに寄り添いたい」という思いで製作されました。震災から4年経った時期だからこそ思えること、子ども達が思っていることを歌にしています。悲壮な感じではなくここから頑張る、復興していくという気持ちが歌詞に表れており、ミドルテンポながらもしっかりとした応援歌となっています。本シングルには、福島県にある高校生による合唱verも収録されています。実際に現地の小中学校の卒業式に出席したりと、川嶋あいが現地へ行き、本当に伝えたかったものを形にした一曲です。

2003年に発売された1stシングル「天使たちのメロディー/旅立ちの朝」のリード曲であるこの曲は、編曲されたバージョンが映画「DEEP LOVE」の挿入歌として起用されました。ソロデビュー第1弾の曲であり、川嶋あいとしての方向性を示唆しているかのようです。この曲は全編通して静かな雰囲気で、落ち着いて聴いていられる仕上がりです。いい意味で現在よりも歌が荒削りで、今歌ってくれればまた違った味わい深いものになっているのでは思わせてくれます。残念ながら現時点で映画挿入歌verは音源化されていませんが、いつか発売されるのを楽しみにできる一曲です。

2004年に発売された5thシングル「「さよなら」「ありがとう」～たった一つの場所～」のリード曲であるこの曲は、バラエティ番組「サルヂエ」のED曲として起用されました。アコースティックギターによるアルペジオのみの伴奏が、川嶋あいの歌を引き立てていて、特にサビでの伸びある声が映えています。2コーラス目からオーケストラも加わりますが、ボリュームは抑え目であくまでも歌を引き立てることに徹しています。それでも音には確かな厚みが加わり曲の最後へ向かうにつれての盛り上がりが感情的です。歌声の魅力、のびやかな声質を最大限に活かした一曲です。

2004年に発売された4thシングル「マーメイド」のリード曲であるこの曲は、人魚姫をモチーフに製作されました。人魚姫といえばファンタジー色のある物語ですが、それを見事に等身大の歌詞へと落とし込んでいます。切ない恋心を歌っており、バックサウンドも明るめ、ところどころひねりを加えたコードによっていわゆる「エモさ」を作り出しています。普通に聴けば恋愛ソングなのですが、しっかり聴きこむと人魚姫要素もしっかりと残っており、川嶋あいの作詞センスの高さを知ることができます。1曲で2通りの楽しみ方がある一曲です。

2009年に発売された18thシングル「大好きだよ」のリード曲であるこの曲は、TV情報番組「THE・サンデー NEXT」のEDテーマとして起用されました。デビュー当時に比べ声の出し方が変わったのか、以前より声がすーっと通りがよくなったような声になっています。この曲は恋愛をテーマにした、川嶋あいの得意なジャンルであり、「大好きだよ」というシンプルな言葉に込められた思いを歌にしています。Cメロでの転調はポップからロックよりへと変わっており、ハッと目が覚めるような構成です。ストレートな思いを丁寧に歌い上げている作品です。

2010年に発売された19thシングル「春の夢」のリード曲です。このシングルは川嶋あいとしては珍しく、全楽曲がノンタイアップとなっています。しっとりとした3拍子のバラードで、子どもの頃の夕焼けを思い出してしまうような、叙情的な雰囲気があります。決して古いわけではない、だけどどこか懐かしい気持ちになり、じんわりと心が温まる進行、メロディ、歌詞です。何歳になっても聴きたくなる、故郷のような一曲です。