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38位:黄色い目の魚(2005年)

38位:黄色い目の魚(2005年)

佐藤多佳子によるもどかしくも甘酸っぱい青春模様の小説。それが「黄色い目の魚」です。海辺の高校を舞台に、絵が紡ぐふたりの男女の関係を淡く美しく書き綴っています。

絵をつうじて徐々に近づいていくふたりの距離感が、本当に心地いい! そして目に見えるかのような海辺の美しい情景描写。いつまでもこの世界に浸っていたい……「黄色い目の魚」はそう思わせてくれる作品です。

37位:ぼくは愛を証明しようと思う。(2015年)

37位:ぼくは愛を証明しようと思う。(2015年)

藤沢数希の「ぼくは愛を証明しようと思う。」は、ただの恋愛小説ではありません。恋愛「攻略」小説です。本作は恋愛工学のマスターとの出会った男が、真実の愛を手に入れるための物語なのです。

……とカッコよさげなことをいってみましたが、要するに非モテ男子がナンパ術を習って人生を変えたぜ! って小説です。万人受けはしないかもしれませんが、はまる人には堪らなくおもしろい小説だと思います。

36位:君と会えたから……(2006年)

36位:君と会えたから……(2006年)

喜多川泰による至高の恋愛小説「君と会えたから……」。高校生のひと夏の恋を描いている本作ですが、命の大切さ、人生の尊さを教えてくれる自己啓発的な要素も含んでいます。

人生に詰みなんてないし、今の自分でもなんだってできるんだ! 本作を読めば、そう思えること間違いなし。生きる力と前に進む力を与えてくれる、本当に素敵な小説です。

35位:アサシン(2004年)

35位:アサシン(2004年)

ノワール小説の名手、新堂冬樹が世に送りだした暗殺者と女子高生の恋物語である「アサシン」。大傑作映画「レオン」の影響をモロに受けた作品で、「レオン」好きは確実にはまる小説なのではないかと。

愛は生き方を変えようとしてくれる。しかし長く裏社会に関わりすぐた人間は、その沼から這いでることも容易ではない。そして迎える悲劇的な結末……新堂冬樹のノワールと恋物語、ふたつを同時に味わうことのできる傑作です。

34位:ナラタージュ(2005年)

34位:ナラタージュ(2005年)

松本潤主演で映画化もされた話題作「ナラタージュ」。著者は島本理生。野間文芸新人賞を受賞後に発表した、初の書き下ろし作品です。

この作家は本当に文章がきれい! セリフや地の文、すべてが宝石を散りばめたような輝きを放っています。賛否両論の激しい作品ですが、読んでみる価値は間違いなくあります。良くも悪くも人生観が変わりますので。

33位:ロマンス小説の七日間(2003年)

33位:ロマンス小説の七日間(2003年)

三浦しをん作の「ロマンス小説の七日間」は、奇妙奇天烈で破天荒な恋愛小説です。突然、会社を辞めてきた同棲中の彼氏への怒りを、翻訳するロマンス小説にぶつけることで原作にはないオリジナル展開ができあがってしまい……というのが本作の内容。

現実と小説、ふたつの世界が互いに影響を及ぼしあいながら進んでいく物語は、スピーディーでおもしろく、ページをめくる手が止まらないこと請け合いです。

32位:桜のような僕の恋人(2017年)

32位:桜のような僕の恋人(2017年)

桜はすぐに散ってしまうからこそ美しい。宇山佳佑の「桜のような僕の恋人」も同じで、難病を患った美容師の女性とカメラマン志望の男性が紡ぐ愛と悲運の物語です。

惹かれ合い、結ばれたふたり。しかしその前に立ちふさがる「難病」という壁。儚いからこそ美しい、感動の物語。ページが涙でビショビショにならないように気をつけましょう!

31位:恋愛中毒(1998年)

31位:恋愛中毒(1998年)

吉川英治文学新人賞を受賞した傑作恋愛小説。それが山本文緒の「恋愛中毒」です。恋は人生を楽しくするスパイスのひとつ。それなのに恋愛にのめり込み、恋愛がすべてになってしまい、身動きが取れなくなってしまう。そんな女性の姿を克明に描いています。

読んでいてすごく心が痛くなる作品ですが、それでも希望の光があります。ただの恋愛小説の枠におさまらない、非常に奥の深い一冊です。

30位:冷静と情熱のあいだ(1999年)

30位:冷静と情熱のあいだ(1999年)

恋愛小説の名手ふたりの夢の共演! 辻仁成と江國香織の合作恋愛小説「冷静と情熱のあいだ」。まずこの小説はタイトルがめちゃくちゃカッコいいですよね。思わず手に取りたくなる本当に優れたタイトルだと思います。

かつて恋人だったふたりが交わしたとある約束。重なりそうで重ならず、すれ違いが続いていく……。揺れ動く繊細な恋の機微を描いた、大人の恋愛小説の決定版です。

29位:大統領のクリスマスツリー(1994年)

29位:大統領のクリスマスツリー(1994年)

映画化もされた鷺沢萠による恋愛小説「大統領のクリスマスツリー」。派手なシーンがあるわけではないのですが、揺れ動く丁寧で繊細な心理描写が読者を惹きつけます。

恋には別れがつきもの。本作は「恋の終わりと別れ方」についてが大きなテーマになっていると思われ、恋の痛みと別れの悲しさが胸に突き刺さります。

28位:ふがいない僕は空を見た(2010年)

28位:ふがいない僕は空を見た(2010年)

山本周五郎賞を受賞した窪美澄の「ふがいない僕は空を見た」は、五つの短編からなる連作小説です。

歪んだ人間関係となかなかドギツい「性」が書かれている本作。しかし読後感はそんなに悪くなく、ちょっと爽やかなような気持ちにもなります。

27位:100回泣くこと(2005年)

27位:100回泣くこと(2005年)

プロポーズから一年。この幸せがずっと続くと思っていたのに——。中村航の「100回泣くこと」は、恋愛をテーマの中心に据えながらも、病がもたらした幸せの崩壊と死生観など深くて普遍的なテーマも同時に取り扱っているところが魅力的です。

本自体の長さもちょうどよく、さらっと読めてしまうところも高ポイント。そうありながら、心にはしっかりと刺さってくる。中村航の技巧が光る一冊です。

26位:セカンド・ラブ(2010年)

26位:セカンド・ラブ(2010年)

二度読み必死! 恋愛とミステリーの融合を見事に成し遂げている「セカンド・ラブ」。著者は乾くるみはミステリーの名手として名高く、本作でもその技巧が炸裂しまくっています。

さまざまな解釈ができる本作は、一度読んだだけではすべてを理解することはできないでしょう。読む度に新たな発見がある。何度でも新鮮な気持ちで読むことができる稀有な小説です。

25位:ひらいて(2012年)

25位:ひらいて(2012年)

「ひらいて」は高校生の少女のぶっ壊れた恋愛観と愛憎劇を描いた小説です。作者は若干十九歳で純文学賞の最高峰である芥川賞を受賞した綿矢りさ。

スクールカーストのトップにいる少女が、冴えない少年に恋をした。しかし少年の目は自分には向けられておらず……。人間のエゴと本質を「恋愛」という観点から抉りだした傑作です。

24位:ライオンハート(2000年)

24位:ライオンハート(2000年)

直木賞受賞作家・恩田陸による転生と恋の物語。時間も空間も超えて展開される恋物語は読み応えがあり、切なくて愛おしい異色のラブストーリーとなっています。

何度も出会いながらも、決して結ばれないふたりの男女。果たしていつか、このふたりは結ばれるときがくるのでしょうか? 小説から溢れる独特の雰囲気が癖になる一冊です。

23位:夜は短し歩けよ乙女(2006年)

23位:夜は短し歩けよ乙女(2006年)

森見登美彦による恋愛小説の傑作「夜は短し歩けよ乙女」。本作は多くの読者から愛される作品で、アニメ映画化、漫画化も果たしました。また山本周五郎賞を受賞、大衆文学の最高峰である直木賞にもノミネートされるなど、批評家たちからも絶大な支持を集めました。

京都を舞台に繰り広げられる、冴えない男と無邪気な女の子の少し不思議な恋愛劇。妙な事件に巻き込まれるふたりと妙にアクの強いキャラクターが癖になります。

22位:わたしたちの田村くん(2005年)

22位:わたしたちの田村くん(2005年)

こちらはいわゆるライトノベルに分類される作品なのですが、これがめちゃくちゃおもしろい! 作者はラブコメ界の旗手・竹宮ゆゆこ。本作は不思議な女の子と絶世の美少女、そして鎌倉時代好きのふつうの少年の三角関係を描いています。

本作の最大の見どころは、主人公の田村くんの心理描写でしょう。これが非常に秀逸で、くすりと笑いながらもほろりと泣ける、絶妙な塩梅に仕上がっています。

21位:美丘(2006年)

21位:美丘(2006年)

直木賞作家・石田衣良の傑作恋愛小説「美丘」はここにランクイン! 石田衣良といったら「池袋ウエストゲートパーク」であり、ハードボイルドの名手と思うかもしれませんが、じつは恋愛小説もかなりいいものを書くんです!

本作は大学生の男性を主人公とし、同じ大学に通う破天荒な女性・美丘に恋をする過程と避けることのできない永遠の別れを描いています。とにかく泣きたい! という方には、自信を持っておすすめできる一冊です。

ここからはおすすめ恋愛小説BEST20を発表! 果たして1位の座に輝く作品はなにか!?

20位:ロング・バケーション(1996年)

元SMAPの木村拓哉主演の大ヒットテレビドラマのノベライズ版。「永遠に色褪せない」という言葉は、本作のためにあるのではないか? そう思わせられるほどの出来栄えで、何度読んでも新鮮でおもしろいです。

売れないモデルと落ちこぼれピアニストの奇妙な同居生活を描いた本作。笑って泣けて、ハッピーエンドなラストも秀逸な誰にでもおすすめできる一冊です。

19位:眠れぬ真珠 (2006年)

島清恋愛文学賞を受賞した石田衣良の傑作恋愛小説「眠れぬ真珠」。版画家の女性と若い映画監督志望の男との十七歳もの年の差恋愛を描いています。

何歳になっても運命の出会いはあり、恋をすることに年は関係ない。石田衣良の繊細な筆致で綴られる非常に美しい作品です。

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三島マコト

映画と小説、それと漫画と格闘技を愛する男。WEB媒体で記事を書いたりもしてます。よろしくお願いします。

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